猫ギターの教育論

尾道市向島の塾「US塾」塾長のブログ 早稲田大学・開成高校出身 本音が飛び交う、少し「上から目線」の教育論
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何気にすごい作曲家・織田哲郎
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    ギタリスト・ピロ君がリーダーだったバンドのボーカルのお父さんは、演歌で作詞・作曲した曲が大ヒットし、瀬戸内海の離れ小島で印税生活を送っているという。
    1980年代前半に、有線から火がつきジワジワ売れた曲で、いろんな歌手が競作し「ザ・ベストテン」にも出演し、最近ではジェロがCMで歌っていた。

    音楽は一曲ヒットが出たら、カラオケの普及で印税収入があり、生活に困らないと言う。ならば、ヒット曲が多い作曲家は、想像もつかないぐらい多額の収入を得ているのだろう。最近ならGreeeenとかすごいだろう。歯医者さんをやらなくても生きてゆける。

    さて、日本を代表する作曲家の1人に織田哲郎がいる。1990年代に数多くの大ヒットを飛ばした。曲の質量では、小室哲哉と東西の両横綱と呼んでいいくらい活躍した。

    たけさんがFIELD OF VIEWのことを書いていらっしゃるが、彼らの代表作「突然」「DAN DAN 心魅かれてく」「君がいたから」の作曲は織田哲郎である。
    FIELD OF VIEWは黒ジャケ姿の、誠実で真面目なイメージのバンドだった。「突然」は歌い出しが「と〜つ〜ぜん君からの手紙」と「と〜」を伸ばして歌うのに、サビの部分は「とつぜんの風に吹かれて」と畳み掛けるのがカッコ良かった。
    また「DAN DAN 心魅かれてく」を作詞者の坂井泉水がセルフカバーしているが、早口の歌詞をたどたどしく歌うのが初々しかった。

    坂井泉水といえば、織田哲郎はZARDの主要なヒット曲、たとえば「負けないで」「揺れる想い」「マイフレンド」「心を開いて」「この愛に泳ぎ疲れても」「Good-bye My Loneliness」などの作曲者だった。織田哲郎のメロディーがなければ、ZARDはブレイクしていなかったかもしれない。

    この時代の「ビーイング系」のアーティストは、織田哲郎の曲なしでは考えられなかった。WANDSなら「愛を語るより口づけをかわそう」「世界が終るまでは…」、DEENなら「このまま君だけを奪い去りたい」「翼を広げて」「memories」がそうだ。

    織田哲郎は、いまや懐かしい相川七瀬のプロデュースもやっていた。「夢見る少女じゃいられない」「LIKE A HARD RAIN」「BREAK OUT!」「恋心」など、相川七瀬のヒット曲は織田哲郎の作品だ。

    あと初期のチューブの代表曲「シーズン・イン・ザ・サン」や「SUMMER DREAM」、酒井法子の「碧いうさぎ」、大黒摩季「チョット」も織田哲郎作曲で、あとブルースの近藤房之助とコラボした「BOMBER GIRL」は、メチャ格好良かった。曲名を知らなくても90年代を生きた人なら耳に引っかかった経験があるはずだ。

    筒美京平といい小室哲哉といい織田哲郎といい、1人の人間が、よくぞここまでヒット曲を書けたものだと感心する。


    僕の好きな織田哲郎の曲 ベスト10

    1.世界中の誰よりきっと(中山美穂&WANDS)
    2.マイフレンド(ZARD)
    3.心を開いて(ZARD)
    4.想い出の九十九里浜(Mi-Ke)
    5.突然(FIELD OF VIEW)
    6.BOMBER GIRL(近藤房之助&織田哲郎)
    7.翼を広げて(DEEN)
    8.声にならないほどに愛しい(MANISH)
    9.ボクの背中には羽根がある(KinKi Kids)
    10.おどるポンポコリン(B.B.クイーンズ)




     

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    | 音楽批評の部屋 | 16:18 | - | - | ↑PAGE TOP
    「じつは、全部ビートルズなんだよ!」
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      ジョン・レノン,ジョージ・ハリスン,ポール・マッカートニー

      高2のG君に「何かお薦めの外国の曲ありますか? 僕は外国の曲ってあまり聴いたことないんです」と尋ねられた。洋楽の宝の山に、まだ手を突っ込んでいないとは羨ましい。

      聞けば彼が聴いている音楽とは、GreeeenとかミスチルとかEXILEらしい。洋楽に関してほとんど無知で、ビートルズは名前だけ知っている。'Yesterday'は知ってるが'Hey Jude'は知らない。カーペンターズなら聴いたことはあるが、ビリージョエルは名前すら知らない。そんなレベルだ。

      じゃあ、ちょっと騙してやろう。

      僕は彼に「60年代後半からロックはシンプルなものから複雑なものに変わり、バリエーションに富み始めた。だからバンドごとに個性があって面白い。60年代後半に流行したバンドを、いろいろ聴いてごらん。カラーが全然違うバンドの代表曲を集めて編集したCDを渡そう」と言いながら、ハードロックからフォークからサイケからカントリーから前衛まで、キャラの立ったバンドの代表曲を編集した1枚のCDを渡すことを約束した。

      と言いながら、CDの中身は全曲ビートルズにした(笑)
      ビートルズはロックの何でも屋みたいなバンドなので、一つのバンドだとは絶対に気づかない、さまざまなスタイルの曲がある。
      1枚のCDを全曲聴いてもらった後で、「実はこれ、全部ビートルズなんだぜ」と驚かせてやるのだ。
      ビートルズのアイディアの多面性の神懸かりなところを、僕のイタズラでドラマチックに気づいてほしい。

      ビートルズとは対照的に、ローリングストーンズなんかは'Brown Sugar'も'Jumpin' Juck Flash'も'Honky Tonk Women'も同じテイストなのだが、ビートルズは違う。
      ビートルズを知らない人には、'Let It Be'と'Come Together'が、まさか同じバンドの曲とは思えないだろう。

      ジョンとポールの音楽性の違いと言えばそれまでだが、2人とも年齢を経るごとに曲調も変わり、また同じ時期の曲でも180度違う。その証拠に、ジョンはアルバム'Abbey Road'に、聖なる'Because'と俗なる'I Want You(She's So Heavy)'を一緒に収録させている。
      おまけに録音機材も進化し、ヴォーカルもエフェクターで加工され、ジョンやポールの声は曲ごとにカメレオンのように違う。だから予備知識なしでビートルズの曲を聴く人は、一つのバンドと気づかないのではないか。

      では僕の自作イタズラCD、全曲ビートルズなのに、全部違うバンドだと騙すための編集CDの曲順はどうしようか。曲が収録されたアルバム名をバンド名にして、ビートルズの曲調がまったく違う作品を、あれこれぶち込んでやろう。

      まず1曲目は最初にガツンと、「White」というバンドの'Helter Skelter'にしよう。重量感があるハードロック。童顔ポールの爆裂シャウトがカッコイイ。

      2曲目は「Magical Mystery Tour」の'The Fool On The Hill'
      一転して'This is Paul!'みたいなバラード。'Helter Skelter'と同一人物が歌っているとは、声紋の研究家でない限り絶対にわからない。

      3曲目は「A Hard Day's Night」の'I Should Have Known Better'
      ビートルズ初期の隠れ名曲だが、典型的なビートルズの匂いがする曲。サビのメロディーラインが最高。ジョンの鼻声が説得力抜群。

      4曲目は「Sgt.Pepper's Lonely Hearts Club Band」という架空のバンドの(笑)'Within You Without You'
      ジョージが当時凝っていたインド音楽。1曲目から3曲目で「もしかしたら同じバンドなのかもしれない」という微かな疑惑が芽生えたら、この曲で完全に打ち消してやる。

      5曲目は「Abbey Road」というフォークグループの'Here Comes The Sun'
      陽光が木の葉から差し込むようなギターのイントロが爽快。これもジョージの曲だが、4曲目の'Within You Without You'とはカナダ人とインド人ぐらい曲の方向性が違うので、まさか同じ声で歌われていようとは、ゆめゆめ思わない。

      6曲目は「Revolver」というサイケデリックなコラージュで人気を博したバンドの'Tomorrow Never Knows'
      高2のG君も、GreeeenやEXILEでは決して味わえない、60年代の遺物のような麻薬的音楽世界に、好きか嫌いかは別として驚くだろう。

      これに前衛音楽'Revolution 9'や、リンゴのカントリーミュージック'Don't Pass Me By'あたりを組み入れたら、絶対にこれらの曲が'The Beatles'という同じバンドが作ったものだとは気づかないだろう。これだけ多彩な曲が、一つのバンドからわずか6年間で生み出された奇跡。

      ビートルズの遊び心から発した、アイディアに満ちたバリエーションの豊富さには呆れるばかりだ。後期はメンバーの人間関係がうまく行かなかったが、レコーディングはさぞ楽しかっただろう。

      G君に「実はこのCDは全部ビートルズだ。ビートルズは凄いよね」と種明かしするのが、今から楽しみでしょうがない。


      ビートルズ「アビイ・ロード」
      http://usjuku.jugem.jp/?eid=204

      | 音楽批評の部屋 | 18:29 | - | - | ↑PAGE TOP
      「努力の人」マイルス=デイビス
      0

        私はマイルス=デイビスが好きだ。

        マイルスには、「努力の人」というイメージがある。下手でどうしようもないトランペッターから、帝王の座に君臨したマイルス=デイビスの成長物語を、授業中の訓話ネタに使うことがある。

        麻薬中毒でラリって電話ボックスで立ち小便したチャーリー=パーカーや、廃人寸前になり精神病院で脳に電気を流したバド=パウエルの生涯は、教育の場では語れない。
        それに対してマイルスは「根性」で成り上がった人だから、「王貞治」的精神的訓話が成り立つので、生徒のやる気を昂揚させることができる。

        マイルスは最初、テクニックはなかった。
        マイルスのキャリアが浅い頃に、サボイ盤でチャーリー=パーカーと競演している演奏は、両者の力量の差、カリスマ性の差がはっきりと現れていて悲惨だ。

        チャーリー=パーカーの演奏は、輪郭が明確でスピード感があり、しかも不気味さを漂わせていて、まるで巨大で太いニシキヘビが、地面を猛スピードでクネクネと這いずり回っているようだ。
        そんなアルトの超絶ソロと比較して、無理して速く吹こうとするマイルスのトランペットはブツブツ途切れて拙く、悲しいぐらいに力量が違う。

        しかし若い頃に、チャーリー=パーカーの薫陶を受け、天才の閃きを間近で浴びたことは、マイルスにとって無駄ではなかった。
        圧倒的なチャーリー=パーカーの才能を前にして、他のミュージシャン達は、
        「バード? あいつは天才だよ。オレがあいつに勝てるわけないさ」
        で片付けた。天才と自分との比較を避けた。

        しかし、マイルスは違った。正面からチャーリー=パーカーにぶつかった。
        何が一流か、どんな演奏が本物のジャズか、マイルスは賢い男だから頭でわかっていた。しかし悲しいことに自分のトランペットで体現する技術は持っていなかった。地獄の苦しみだっただろう。

        チャーリー=パーカーという天才に並ぼう、勝とうと想像すること自体凄いことだ。ところがマイルスは、秘めたる闘志をバネに、パーカーを超え、トップ=ミュージシャンになろうという強靭な意志があった。そして長期戦を覚悟しながら、超一流への階段を一歩一歩登りつめていった。
        マイルスのレコードには、偏差値をじわじわと上げて行く子供の成績表の変遷を見るように、過酷な成長の後がくっきりと刻まれている。

        そんなマイルスの前に立ちはだかったのが、正真正銘の天才、クリフォード=ブラウンだ。
        クリフォード=ブラウンの演奏は、たとえて言うならカリスマ予備校講師だ。語り口は流麗なのに軽薄ではなく、スピード感は十分なのに言葉に重みがある。内容は理路整然として、隙がない。それに対して、初期のマイルスの語り口はボソボソして、しかもぶっきらぼうで、とてもじゃないけどクリフォード=ブラウンの敵ではなかった。

        楽器は同じトランペットで、年齢はほぼ同じぐらい。マイルスがクリフォード=ブラウンを意識しないわけはない。
        クリフォード=ブラウンに、饒舌さで勝負を挑むことは無謀だ。それはマイルスが誰よりもよくわかっていた。クリフォード=ブラウンみたいに輪郭のはっきりした星の王子様のような美音を、鋭いテクニックで撒き散らして客を酔わせることは、マイルスには不可能だった。

        マイルスは、180度方向性を変えた。マイルスは沈黙の美に気が付いた。ふだん無口で訥弁な人が、突然口を開いたときの「高倉健」的言葉の重み。饒舌じゃなくても自己表現ができる。いや、寡黙だからこそ説得力をもつ。
        マイルスはバンドに静寂を要求した。沈黙を要求した。ピアノの音で「闇」を作れるビル=エバンスとも競演した。マイルスは自分のバンドのスタイルに、人一倍こだわった。自分のソロを引き立たせるために、「威、あたりを払う」かの如くバンドに君臨し、自分のソロを引き立たせる演出を施した。

        リズム隊が神経質に、マイルスの露払いをつとめる。たっぷりと思わせ振りな間を取った後、マイルスのソロが登場する。夜の闇と静寂の中、マイルスのトランペットが虚空を駆ける。アイスピックで氷の塊を鋭く切り裂くような、トランペットの音色。マイルスの弱音器を使った、陰影に富む不器用な音色は、聴く人間の心を捉えて離さなかった。マイルスは発想の転換をして、「沈黙は金、雄弁は銀」の道を、スタイリッシュに突き進んだ。

        そんなマイルスの試みが頂点に達した「カインド・オブ・ブルー」は、芸術的にも、商業的にも成功した。

        ところが、マイルスは帝王と呼ばれるようになり、ステージで観客の誰もがマイルスの演奏に熱狂しても、演奏終了後観客への挨拶もほどほどに、ぶっきらぼうかつ恥ずかしそうに下を向きながら、舞台から足早に去っていった。マイルスは顔が怖い。怖い顔して無愛想なのだから、客はビビる。
        マイルスの無愛想な態度は何が原因なのだろうか? 傲慢とも劣等感とも違う、発展途上の人間が持つ余裕のなさなのか。どこかそれはイチローによく似ている。

        自分の出す音が気に入らない。自分の演奏を完成形ではなく、常に完成途上ととらえたストイックで謙虚なマイルス。そんな謙虚なマイルスは、「沈黙は金」の方向性を極限まで推し進め、大成功を収めた「カインド・オブ・ブルー」のスタイルすら破壊して、更なる高みに上り詰めようとしたのだ。

        マイルスの偉いところ、凄いところは2つ。
        第1は正攻法で、テクニックを究極まで磨いたこと。練習を重ねシンプルに技を追求し、一番腕の立つトランペッターをめざしたこと。。
        第2は唯一無二な個性を作りあげたこと。1音聴いただけで誰にでも「これはマイルスだ」とわかる、先天的ではない後天的なスタイルを生み出したこと。
        努力で技巧だけではなく、個性すら勝ち取った。そして勝ち取った個性に固執することなく、どんどん新しい個性を作り上げていった。


        マイルスは欲張りにも、ナンバーワンとオンリーワンの両方をめざし、両方とも手に入れたのである。

         

        最後に、私がよく聴くマイルスのアルバムベスト5は
         屮侫ー・アンド・モア」
        ◆屮泪ぅ襯后Εぅ鵝Ε戰襯螢鵝
        「ライブ・アット・プラグド・ニッケル(ハイライト)」
        ぁ屮インド・オブ・ブルー」
        ァ屮螢薀シン」

        マイルスのライブが好きです。

         

        関連記事

        アストル・ピアソラ「タンゴ:ゼロ・アワー」
        http://usjuku.jugem.jp/?eid=209

        「プロレタリア音楽」
        http://usjuku.jugem.jp/?eid=757








        | 音楽批評の部屋 | 00:29 | - | - | ↑PAGE TOP
        マイケル・ジャクソンの死
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          マイケル・ジャクソン,クインシー・ジョーンズ,ロッド・テンパートン,マイケル・ジャクソン・ウィズ・ポール・マッカートニー,ヴィンセント・プライス

          マイケル・ジャクソンが死んだ。享年50歳。42歳のエルヴィス・プレスリーより長生きした。
          大スター晩年の退廃ムードを色濃く放ち、不健康極まりない人だったが、不思議なことに死の匂いがしなかった。生死の概念なんか越えて「宇宙人に最も近い地球人」のような存在だった。

          35歳過ぎてからのマイケル・ジャクソンは、顔の整形とか、少年虐待裁判とか、ネバーランドとか、音楽以外の奇行が話題の中心になった。
          マイケルの全盛期を知らない若い人にとっては、黒人なのに美白顔のスキャンダラスな怪人奇人変人以外の何者でもなかった。

          マイケル・ジャクソンは、やはり音楽が素晴らしい。
          僕は中学生時代、中森明菜や松田聖子やYMOやサザンやオフコースや中島みゆきに夢中で、洋楽には深い興味を持たなかったが、さすがに中3生の時に爆発的に売れた「スリラー」は買った。

          ヴァン・ヘイレンの硬派なリフが迫る"BEAT IT"、そしてポール・マッカートニーとのデュエット"Say Say Say"のノリとメロディーラインの良さに痺れた。

          でも一番好きな曲は、'People always told me be careful of what you do'以降のサビで情念が燃える"BILLIE JEAN"だった。マイケルのヴォ−カルはハイトーンで外交的だが、同時にくぐもった内向的な性格も秘めていた。

          いま聴くと"BILLIE JEAN"はダークな曲だが、僕が中学生の頃のマイケル・ジャクソンは健康的なスターで、むしろ同時期に売れた、バイセクシャルで網タイツをはいたプリンスの方が怪しかった。
          「陽のマイケル・ジャクソン、陰のプリンス」だったのに、マイケル・ジャクソンは、個性とかユニークとか、既存の言葉では表現できないほどスリルな世界へ向かい、誰もついていけなくなった。

          ところで、チンパンジーのバブルス君は、いまどこにいるのか。バブルス君を肩に乗せて来日した頃から、「マイケル・ジャクソンって、どこか変だぞ」と、われわれ日本人は思いはじめた気がする。

           

          関連項目

          ZARDが死んだ

          尾崎豊「シェリー」

          | 音楽批評の部屋 | 16:44 | - | - | ↑PAGE TOP
          僕はX JAPANのファン
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            X,X,YOSHIKI,HIDE,TOSHI,白鳥瞳
            ¥ 2,350

            バンドが無性にやりたい時がある。ベースがいいな。
            でも、どんな楽器をやりたいかで、人の性格の一端は覗けそうな気がする。


            たとえばドラムをしたい人は「縁の下の力持ち」かな。
            ドラムはバンドメンバーで唯一の運動部で、スティックを叩く運動量は半端じゃなく、また練習環境も悪いのに、ヴォーカルやギターに華を持たせ、裏方に徹する覚悟を持つ人だ。


            ピアノがやりたい人は、たぶん「内気でシャイ」な性格だろう。
            バンド内のポジションも、ちょっと斜に構えた位置で、バンドの音楽性もハートウォーミングなバラードか、愛らしいミディアムテンポの曲が多い。


            ところがドラムとピアノの両方となると、イメージがガラリと変わる。
            感情の起伏が異常に激しく、破壊活動をこよなく愛し、バンドのリーダーどころか独裁者になり、表面上の人当たりはいいのに、地震のように突然キレる人を想像する。


            そう、あのYOSHIKI。ドラムとギターの両刀遣いは「縁の下の力持ち」とか「内気でシャイ」とは正反対の性格だ。ドラムで怒りピアノで癒す。YOSHIKIはabnormalでmadだが、魅力的な人間だ。


            ところで、僕は5年前、友人に「君は人の5倍、感情量が多い」と言われた。YOSHIKIや黒澤明に性格が似ていると分析された。
            拙い自己分析をすると、僕は人の5倍やさしい男だと思う。ただ怒ると手がつけられない。おまけに気難しく、機嫌が悪い時は「俺に話しかけるなオーラ」を放ち、しかも誰も想像つかない突飛な行動をするため、身近な人は迷惑する。「あなたが考えていることがわからない」と何度言われたことか。


            また、僕は酒乱一歩手前ぐらい酒癖が悪い。
            酒の宴の途中まで、ゴミ箱のように受身で人の話を聞いているのだが、酒量が一定量を越えると、笑顔で謙虚な態度が豹変し、自分のゴミ箱の中に溜まったゴミを辺り構わずぶちまける困った酔っ払いになる。


            僕は酔うと声がデカく話もデカくなり、暴力までふるう。酒の席の途中で記憶が飛ぶ。相手もふっ飛ぶ。酔いが醒めたら誰かが泣いていたことも、若い時分には多かった。


            特に僕は映画サークルにいたから、飲み会では映画の話が多く、好きな映画を批判されたら人格が傷つけられた気分になり、相手の知性も感性もズタズタに攻撃した。
            どうしてこの映画の良さがわからないのか、どうして君はバカなのか、高田馬場の駅前から明治通りを歩いて新宿歌舞伎町まで、その理由を相手が泣くまで延々と語った。
            飲んで絡んで小説家を泣かした小林秀雄に憧れていたから、なおさら言葉は毒々しくなった。


            だから今では「これは酔うな」と察知した時には、素早くアルコールからウーロン茶に変えることにしている。30越えてからは自制をきかせて、人の迷惑になる事態にはならない。


            そんな感情のポテンシャルが大きい人間にとって、X JAPANの音楽はやめられない。
            ボーカルの声はデカく高く、ドラムは高速で、ギターはノイジー、ハードな曲とスローなバラードの両極端な音楽性。
            そして、歌謡曲的なわかりやすいメロディー、狂気とか死とかを散りばめた歌詞、もう僕の心臓の鼓動と、脳内で渦巻く葛藤を音にしてくれた、僕がオーダーメードしたようなバンドである。


            まあ、X JAPANとかYOSHIKIとか、1割の熱狂的なファンと9割の醒めた目があるのは知っている。ある人には大マジだが、ある人にはギャグである。
            僕は気が滅入ったらX JAPANかガンズか中森明菜かマーラーかリー・モーガンか、感情の化け物のような曲を仕事中に聴いている。


            ところで、YOSHIKIの自伝が出た。GLAYとの人間関係、SONYを移籍した真の理由、再結成した本当のわけなど、もっと知りたい部分はあったが、概して面白かった。


            YOSHIKIに逆らいXをクビにされたTAIJIは、上野で浮浪者になり、喧嘩で前歯を折って、見かねたYOSHIKIに200万円渡されたそうだ。
            あらゆる意味ですごいね、YOSHIKIとX JAPANは。



            ★開成塾
            尾道市向島・「狂気」の塾(笑)

            YOSHIKI関連項目

            YOSHIKIが先生になったら
            X JAPAN再結成
            中森明菜とYOSHIKI

            | 音楽批評の部屋 | 21:54 | - | - | ↑PAGE TOP
            吉田拓郎「夏休み」
            0
              吉田拓郎,古屋信子,岡本おさみ,田口淑子,松本隆,中島みゆき,トータス松本,康珍化,松任谷正隆,武部聡志
              ¥ 3,300

              吉田拓郎で一番好きな曲は、なんだろう?

              吉田拓郎と奥田民生は広島県出身の歌手だが、シャイでやけっぱちな歌い方が共通している。

              ♪ええかげんな奴じゃけん、ほっといてくれんさい〜広島弁の「唇をかみしめて」、♪苫小牧発仙台行きフェリー〜の「落陽」、Kinki kidsが歌った「全部抱きしめて」、新宿区西早稲田の匂いがするバンカラの「我が良き友よ」、ハーモニカが印象的な「祭りのあと」、紅白初出場の時恥ずかしそうに歌った「外は白い雪の夜」、井上陽水が歌ったら180度ニュアンスが変わりそうな「人間なんて」・・・

              でも、今の時期に聴きたくなるのは「夏休み」。
              僕らの世代には、麦藁帽子をかぶった少年はあまりいなかったし、田んぼの蛙や畑のトンボなんかもう存在しなかったし、僕はスイカがあまり好きではない。

              でも「夏休み」を聴いたら、自分の少年時代にカエルやトンボと戯れ、海辺でスイカに専売公社の塩をかけて頬張ったような、ウソの美化された記憶が甦ってくる。姉さん先生なんて、完全に架空の世界(笑)

              僕を、もう絶対に戻っては来ない小学生時代に、一瞬だけど連れ去ってくれる曲。素人が書いたような歌詞、単純素朴なメロディーなのに、突き抜けたプロの仕事以外の何者でもない。

              この曲と、陽水の「人生が二度あれば」には、どういうわけか共通のにおいがあり、死へのカウントダウの音が聞こえるのは気のせいか。

               


              麦藁帽子は もう消えた
              田んぼのカエルは もう消えた
              それでも待ってる 夏休み

              姉さん先生 もう居ない
              きれいな先生 もう居ない
              それでも待ってる 夏休み

              絵日記つけてた 夏休み
              花火を買ってた 夏休み
              指折り待ってた 夏休み

              畑のトンボは どこ行った
              あの時逃がして あげたのに
              一人で待ってた 夏休み

              スイカを食べてた 夏休み
              水まきしたっけ 夏休み
              ひまわり 夕立 セミの声

              | 音楽批評の部屋 | 16:16 | - | - | ↑PAGE TOP
              塾開設で「Chase the Chance」
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                TETSUYA KOMURO,KAZUMI SUZUKI,TK,NATSUMI WATANABE,TAKAHIRO MAEDA,MARC,DAVE RODGERS,YASUHIKO HOSHINO,COZY KUBO

                安室奈美恵をはじめて画面で見たときには驚いた。

                ちょうど「TRY ME 〜私を信じて〜」でブレイクした時、avexのイベントのビデオではじめて見たのだが、ハングリー精神が爆発した野生のヒョウみたいで、緊張感にあふれた歌とダンスに、女というよりメスを感じた。まだ17歳か18歳なのに、安易に口なんかきけないバリアがあった。

                安室はブレイクしてから小室哲哉にプロデュースを委託した。安室は小室の曲を歌う前からスターだったが、小室に出会ってから大スターになった。
                 
                この2人のコンビは莫大な富を、当時は新興のレコード会社avexに与えた。小室が詐欺で奪った6億はavexが被害者に支払ったが、小室が当時avexにもたらした利益は6億ではきかない多額なものだった。avexという日本有数のレコード会社は、小室がいなければ今みたいな大きな存在にはなっていなかっただろう。

                とにかくブレイクしたての安室は熱かった。
                音楽業界は取り澄ました洗練された世界だが、そんな人工的な世界に、原初的な魅力を持つアーティストが出ると目を引く。
                デビュー当時の安室やサザン(「勝手にシンドバッド」の頃)がそうだし、尾崎豊もRCサクセションも「異物」として音楽界に乗り込んできた。

                現在の貫禄あふれ、R&Bを歌いきる安室もいいが、小室と組んでいた頃の若い野心がはち切れた安室の方が好きだ。ただ、現在も今も安室奈美恵は、親しみやすい芸能人とは違って、一般人を容易に近寄らせない、カタギじゃないオーラを放っている。

                さて、小室が安室に与えた2曲目が「Chase the Chance」である。「Chase the Chance」は歌詞は煽情的だし曲は勢いがぶち切れていて、安室と小室の抑圧された才能が爆発噴火している。

                僕はこの曲に大きな思い入れがある。僕が塾を開いた時、ちょうどこの曲が発売された。チャンスを追いかけるために僕は塾を開いた。そんな時にこの曲の歌詞世界が僕の当時の状況に重なった。重なりすぎた。

                塾に集まった生徒の将来が僕に託された。僕も生徒たちも向島の雑居ビルの2階で、'ChanceをChase'することになった。 ただ塾を開いた11月の段階で生徒は1人。この曲が発売された12月初旬でも5人しかいなかった。

                授業するのがダルイので、タクシーに分乗して私を含め6人で高須のボーリング場へ行き、それからカラオケに行った。タクシー代とボーリング代とカラオケ代で、僕は全財産を使ってしまった。カネなんて全く持っていなかった。

                カラオケで僕は「Chase the Chance」を馬鹿デカイ声で歌った。さあ、みんなで夢を追いかけようぜという暑苦しいメッセージを込めて。説教の言葉を歌詞に託した。

                この曲、♪Just Chase the Chance〜 の部分が非常に歌いづらい。どう頑張っても「じゃ、ちぇ、ちゃ」になってしまう。
                だがそんな歌唱力の難点は強引に押し切った。熱かった。ハングリー精神どころか本当にハングリーだった。カネがなくて塾の講師室でカップヌードルすすってたけど、「暴れだした欲望」で胸がいっぱいだった。

                僕はかなり鬱屈してたし、得体の知れぬパワーが狭い空間に渦巻いていた。講師たる僕の病的なパワーは浄化され、中学生にピュアな形で確実に伝播した。彼らを精魂込めて育てた。僕は抜け殻になった。



                安室奈美恵「Chase the Chance」


                そんなんじゃないよ 楽しいだけ
                止まらない衝動に 従うだけ


                平坦な感動に興味はない
                退屈な時間はいらない
                Hey Yo!


                Just Chase the Chance 
                信じてる道は
                Chase,Chase the Chance 
                まっすぐに生きよう


                夢なんて見るモンじゃない
                語るモンじゃない
                叶えるものだから


                Just Chase the Chance 
                誰も止められない
                Wild & Tough 
                暴れ出した慾望


                Just Chase the Chance 
                愛も夢もぜんぶ
                この胸にはいつだってあふれてる


                Just Chase the Chance 
                もう戻れないって
                Chase, Chase the Chance 
                嘆かないでいい


                夢なんて過去にはない
                未来にもない
                現在 追うものだから


                Just Chase the Chance 
                立ち止まらないで
                Don't Look Back 
                覚悟はいいかい?


                Just Chase the Chance 
                この手でつかもう
                甘くそして危険な夢の実を

                | 音楽批評の部屋 | 15:29 | - | - | ↑PAGE TOP
                中村雅俊の曲はカラオケに重宝
                0
                  大津あきら,松井五郎,並河祥太,GARDEN,小田和正,松本隆,山田ひろし,一青窈,山川啓介,喜多條忠
                  ¥ 2,813

                  中村雅俊の大麻で逮捕された息子・中村俊太は、フジテレビのドラマ「白い巨塔」に出演していた。唐沢寿明の財前教授が引き起こした医療事故で死んだ、仕出し屋の主人の息子役だった。

                  仕出し屋は主人の手術死後に経営が傾き、従業員は辞めていき顧客を減らした。未亡人を演じるかたせ梨乃は、仕出し屋の経営と裁判の二重苦で疲弊していった。
                  中村俊太は金髪頭のヤンキー少年で、かたせ梨乃を助けたくても助ける力がない、無口で無力な息子を演じていた。当たり役だったように思う。

                  当時は中村雅俊の息子だとは気づかなかった。顔が全然似ていないから仕方ないだろう。釈放され車に乗り込むとき、中村俊太は報道陣に向かって一言「すいません」と大きな声であやまっていた。誠実そうな感じな青年だった。



                  ところで私は中村雅俊の曲が好きである。25〜30年前に朴訥な歌声でヒット曲を飛ばした。

                  中村雅俊の曲は、キーも高すぎず低すぎず簡単に歌えるので、カラオケでよく歌った。音痴の私でも歌手になりきることができる。特に「ふれあい」は歌いやすい。

                  ♪悲しみに出会うたび
                   あの人を思い出す
                   こんな時そばにいて
                   肩を抱いてほしいと
                   
                   なぐさめも涙もいらないさ
                   ぬくもりがほしいだけ
                   ひとはみな一人では
                   生きてゆけないものだから


                  「ふれあい」を風呂場でボソボソ歌っていると、「オレって歌のうまい、渋いボーカリストじゃん」と、ナルシスティックに自画自賛できる。

                  また「俺たちの旅」は小椋佳の傑作で、歌詞がロマンチック過剰で、インテリ特有の小難しさがある。小椋佳は東大出身の銀行員。観念の青くささと感覚のみずみずしさの、ドッキング感がいい。

                  ♪夢の坂道は 木の葉模様の石畳
                   まばゆく白い長い壁
                   足跡も影も 残さないで
                   たどり着けない山の中へ
                   続いているものなのです

                   夢の夕陽は コバルト色の空と海
                   交わってただ遠い果て
                   輝いたという 記憶だけで
                   ほんの小さな一番星に
                   追われて消えるものなのです


                  「ものなのです」と一人で納得するなよ!
                  「ものなのです」の連発が文学青年ぽくて、70年代のカッコ良さがプンプンしている。

                  あと「恋人も濡れる街角」はブルージーな名曲。イントロからエロティックな世界だ。横浜は日本でおそらく一番、歌謡曲やJ-POPに似合う街だが、「恋人も濡れる街角」はまさに横浜の歌で、「馬車道」なんて地名がサラッと出てくるところがカッコイイ。

                  この曲は1982年の映画「蒲田行進曲」の挿入歌である。僕はこの映画が好きで、近いうちに塾生に見せようと考えている。
                  どこまでが脚本・つかこうへいの良さで、どこまでが監督・深作欣二の良さなのかわからない、ベタベタした恋愛心理をコッテリ描いた傑作である。

                  「恋人も濡れる街角」を作詞作曲したミュージシャンが、自作自演でこの曲を横浜アリーナのライブで歌っていたが、ブルースの神が光臨したようで痺れた。こんなに歌がうまい人なんだと再認識した。正式発売されていないので、絶対にレコーディングしてほしい。

                  僕が中村雅俊の曲で一番好きなのは「心の色」だ。
                  最近、ハードロックバンド・Janne Da Arcのボーカリストyasuによるソロプロジェクト、Acid Black Cherryのカバーアルバムに、この「心の色」が選曲されていて驚いた。

                  「心の色」を作曲したのは木森敏之という40歳で夭折した作曲家で、他にも岩崎宏美の「聖母たちのララバイ」、杉村尚美の「サンセット・メモリー」というヒット曲がある。

                  「心の色」「聖母たちのララバイ」「サンセット・メモリー」の3曲とも、静かなメロディーで曲が始まるが、突然、唐突と表現していいくらいのサビで盛り上がり、ラストはドラマチックに声を張り上げ終わる。

                  たとえば岩崎宏美の「聖母たちのララバイ」だったら「♪さあ、眠りなさい」でやさしく始まり、「♪この街は戦場だから」で緊張感漂うサビに突入し、「♪小さな子供の昔に返って熱い胸に甘えて〜」と劇的に大団円を迎える。「心の色」も「サンセット・メモリー」も曲の構成が共通している。

                  音楽は、作曲家の視点から見たら面白い。
                  たとえば岩崎良美「タッチ」、中森明菜「少女A」、チェッカーズ「ギザギザハートの子守唄」「涙のリクエスト」「ジュリアに傷心」など初期のヒット曲は芹澤廣明という作曲家の作品である。

                  そして、80年代を代表する作曲家・林哲司は、菊池桃子や杉山清貴&オメガトライブの専属作曲家と言っていい存在だった。
                  菊池桃子は「青春のいじわる」「SUMMER EYES」「雪にかいたLOVE LETTER」、杉山清貴&オメガトライブでは「サマー・サスピション」「ふたりの夏物語」「君のハートはマリンブルー」などのヒット曲を残している。

                  河合奈保子「デビュー」、上田正樹「悲しい色やね」、中森明菜「北ウイング」、杏里「悲しみが止まらない」、竹内まりや「セプテンバー」も林哲司の作品である。

                  なんだかどれも似ている感じがするでしょ?
                  優れた作曲家には、一種の「体臭」がある。
                  | 音楽批評の部屋 | 17:03 | - | - | ↑PAGE TOP
                  いきものがかり「ブルーバード」
                  0
                    J-Popでいま一押しなのは「いきものがかり」
                    「いきものがかり」とはバンドの名前で、女性ボーカル1人と男性ギター2人の、いわゆる「ドリカム編成」のバンドである。

                    2年前、ラジオでふと耳にした「茜色の約束」という曲がいいと思った。90年代のにおいがする、ちょっとだけELTを髣髴させるような音楽性で、音楽的にはあまり新奇を好まない、というか新しい音楽がわからない私には受け入れやすかった。

                    もう、何にも考えたくない時に「いきものがかり」を聴いている。疲れている時に、過激な音楽は鼻につく。

                    去年出た「ブルーバード」という曲がものすごくいい。前奏がなくいきなり歌から始まるが、最初の ♪飛翔(はばた)いたら 戻らないと言って、目指したのは 蒼い 蒼い あの空  の部分だけでやられた。歌謡曲の王道で、キャッチーという言葉は、この曲にこそ使えるだろう。

                    売れセンのメロディーには、どこか艶がある。平々凡々と流れていかないで、スパイスがまぶしてある。売れセンのメロディーを書く人は、昔のヒット曲をよく研究し、エッセンスを吸収している。私はどれを「パクリ」と否定的には受け取らない。この「いきものがかり」の作曲担当の人も、かなり勉強熱心な人なのだろう。

                    と思っていたら、「いきものがかり」の作曲担当の水野良樹さんは、一橋大学を卒業したインテリらしい。すごいな。パンクな生き方だ。僕はこういう学歴にけじめをつけて、その上で好きな生き方を選ぶ人を尊敬する。
                    | 音楽批評の部屋 | 23:37 | - | - | ↑PAGE TOP
                    佐野元春と鋼鉄のようなwisdom
                    0

                      佐野元春は、僕が中1・中2のときに、ラジオからガンガン流れてきた。

                      中1の僕の耳には、'Billy Joel'以外の洋楽はちょっと早すぎて、歌謡曲より少しだけカッコイイ音楽を求めていたところ、「スターダスト・キッズ」や「Happy Man」みたいな洋楽の匂いがする、はじけたノリのいい曲がフィットした。

                      どんなイカレタ兄ちゃんが歌ってるのかと音楽雑誌見たら、佐野元治は黒縁メガネをかけた端正な顔立ちで驚いた。知的でダンディなミュージシャンだった。
                      先日帰省したピロ君が、どういうわけだか黒縁メガネをかけていたが、ちょっと佐野元春みたいな雰囲気だった。

                      佐野元春は立教大学の出身だ。立教大学と聞けば、私には長嶋茂雄よりも佐野元春のイメージの方が強い。

                      初期のベストアルバム「No Damage」は、歌詞カードを見ずに12曲通しで歌えるくらい聞きまくった。

                      佐野元春はブレイク寸前に、ニューヨークに移り住んだ。そしてニューヨークに大いにかぶれ、ニューヨーク帰りのアルバム'Visitors'で、ファンの期待を見事に裏切ってくれた。このアルバムの曲の中には、「Complication Shakedown」みたいな、メロディーのない、棒読みのように歌う変な曲があり戸惑った。

                      今聴くと、この曲は正統なラップなのだが、最初聴いたとき、斬新すぎて僕の耳にはさっぱりわからなかった。80年代初期の中学生に、ラップが理解できるわけがない。ちょっとだけ、買って損したと思った。
                      佐野元春の「Complication Shakedown」は、吉幾三「俺ら東京さ行ぐだ」と並び、日本のメジャーレーベルから発売された、最初のラップ・ミュージックと評価されている。

                      でも'Visitors'に収録された「Tonight」は好きな曲で、ニューヨークに行くと口ずさんでしまう。

                      ♪トゥナイト
                       雨上がりの街に
                       灯がともる

                       走りすぎてゆくタクシー
                       西行きのバスのクラクション
                       君に抱きしめてほしい
                       ニューヨーク・・・


                      シンプルだが、ニューヨークの光景に圧倒された興奮が、ズシリと伝わってくる歌詞だ。ニューヨークへ行くと誰もが田舎者になってしまう。
                      私はニューヨークへ行くと、この曲とStingの「Englishman In New York」を散歩しながら小声で歌う。
                      「Englishman In New York」での、Branford Marsalisの霞のようにたなびくサックスが、ニューヨークのキリリとした空気感を伝えてくれる。

                      佐野元春は歌詞が素晴らしい。でも意外に初期は結構へんな歌詞を書いている。

                      ♪OH アンジェリーナ 君はバレリーナ

                       「アンジェリーナ」


                      ♪この街のクレージー・プリティ・フラミンゴ
                       この街のクレージー・ミッドナイト・カンガルー

                       「ガラスのジェネレーション」


                      「クレージー・プリティ・フラミンゴ」「クレージー・ミッドナイト・カンガルー」が何の比喩なのか、何を意味しているのか、いまだによくわからない。

                      でも佐野元春は、J-Popの金字塔のような、すごい歌詞を残している


                      ♪ どうしてあなたは そんなに 手を振るのだろう
                       僕の手は ポケットの中なのに Mm・・・

                      「グッドバイからはじめよう」


                      ♪窓辺にもたれ 夢の ひとつひとつを
                       消してゆくのはつらいけど
                       若すぎて なんだかわからなかったことが
                       リアルに感じてしまう この頃さ

                       「手おくれ」と言われても 
                       口笛で答えていたあの頃
                       誰にも従わず 傷の手当もせずただ 
                       時の流れに 身をゆだねて

                       「SOMEDAY」


                      でも、極めつけはこれ

                      ♪静かな冬のブルースに眠る この街のニューイヤーズ・デイ
                       大地に果てしなく降るモーニングライト
                       いつの頃か忘れかけてた 荒ぶる胸の想い
                       アクセルためてルーズな空 見あげる

                        鋼(はがね)のようなwisdom
                       輝き続けるfreedom
                       願いを込めてここに分け合いたい 
                       Let's stay together oh together!

                       冷たい夜にさよなら
                       その乾いた心 窓辺に横たえて
                       ひとりだけの夜にさよなら
                       木枯らしの時も 月に凍える夜も
                       
                       いつわりに沈むこの世界で Oh Yeah Oh Yeah
                       君だけを固く抱きしめていたい Ay Ay

                       「Young Bloods」


                      「鋼(はがね)のようなwisdom 輝き続けるfreedom」なんて、カッコ良すぎて、死ぬかと思うようなフレーズだ。

                      「鋼のようなwisdom」を身につけるために、私も生徒たちも日夜頑張っている。「鋼のようなwisdom」か。いいなあ。
                      | 音楽批評の部屋 | 23:56 | - | - | ↑PAGE TOP