猫ギターの教育論

尾道市向島の塾「US塾」塾長のブログ 早稲田大学・開成高校出身 本音が飛び交う、少し「上から目線」の教育論
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大学受験学参ソムリエ 2 「英文和訳演習」
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    英文和訳を、予備校のシビアな採点基準で自己採点できる本

    私事で恐縮であるが、僕は20年前、宅浪をして早稲田を目ざしていた。塾や予備校には通っていなかった。赤本で過去問をどんどん自力でこなしていった。
    ただ、私立大学の英語の問題は選択肢がほとんどで、自己採点は簡単にできた。私立大学受験は自学自習に向いていて、宅浪がしやすい。

    しかし国立大学を受験する大学生に宅浪は可能なのだろうか?
    国立2次試験の英語は、英文和訳や英作文や要約問題が多く、解答を見ても自分の書いた答案が正しいのか正しくないのか、どれくらいの点数がもらえるのか、もしかしたら採点に値しない間違った方向性の珍解答なのか、大いに悩むだろう。
    英文和訳や英作文は、塾や予備校の先生に添削してもらうのが一番いいのは、わかりきった話だ。国立大学を受験する宅浪生は添削してくれる人がいない。Z会などの通信教育はこんな時に力を発揮する。

    では、塾や予備校に通わず、通信教育も受けていない受験生は、どうすれば独力で英文和訳の力を伸ばせるのか。どんな基準で英文和訳は採点されるのか。独りよがりの答案に陥らないために、採点基準を知りたい気持ちは強い。

    そんな英文和訳を採点するときの「秘儀」を明確にした参考書が、駿台文庫の「英文和訳演習」だ。著者はかつての受験英語の神様で「英文解釈教室」「ビジュアル英文解釈」の著者である伊藤和夫氏である。
    この「英文和訳演習」は、2〜3行ほどの長さの英文を示し、生徒が書きそうな和訳の答案例を挙げて、その答案例なら10点満点で何点もらえるか、採点する過程を明確に示した本である。

    解説を読むと

    「・・・は減点しない」
    「・・・のように訳していても可」
    「・・・も認める」
    「・・・としたものは×」
    「・・・は意味不明」
    「・・・のように先行詞の誤解が明白なものは×」
    「・・・は重大な誤りだから0点」
    「・・・を全く無視したものは×」
    「原文に対して訳語が弱すぎるから×」

    というシビアな基準で、せっかく書いた答案の点数が減らされていく。

    なかには

    「・・・はあまりにも語彙貧困」
    「theseとthereを読みちがえるのは注意力より学力の不足」
    「・・・と訳して、だいたい同じと弁解しても、受験の世界では通用しない」
    「・・・でも内容が変わらぬと弁解する人は、もう少し素直になる必要があるのではないだろうか」
    「文法構造を無視した気分だけの訳で、受験の訳としてはあまりにずさんだから×」

    と、気の弱い受験生なら気絶しそうな説教調の毒舌も、ちらほら見受けられる。駿台の参考書には青本を含めて、キツイ記述がちらほらあるのは伝統だろうか。

    とにかく、伊藤和夫先生とヴァーチャルなキャッチボールをしながら、自分の答案が「客観的」にどれくらいのレベルに達しているのか判断できる良書である。

    なお、「英文和訳演習」は「入門篇」「基礎篇」「中級篇」「上級篇」に分冊されている。
    まず「入門篇」で様子をみて、説明が性に合うと判断したら、どんどん「基礎篇」「中級篇」へとレベルを上げていけばいい。
    地方国立大学なら「基礎篇」で十分だし、難関私立大学や阪大・九大なら「中級篇」でいい。「上級篇」は難しく、英文和訳が日本一難しい京大を受験する人以外には必要ないと思う。


     
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