猫ギターの教育論

尾道市向島の塾「US塾」塾長のブログ 早稲田大学・開成高校出身 本音が飛び交う、少し「上から目線」の教育論
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大学受験学参ソムリエ 4 「基礎英文問題精講」
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    オーソドックスで真面目な英文解釈参考書

    僕は20年以上前、開成高校の生徒だったが、僕より1学年上の英語は中原道喜先生という方で、参考書や問題集を数多く執筆されている方だった。
    中原先生は学究肌の静かな物腰で、生徒を怒鳴る光景が全く想像できないような先生で、いつもモノラルのテープレコーダーを携帯されていた。僕もチラッと授業を拝見したことがあるが、淡々とした授業風景なのに、生徒達は中原先生の「凛」としたオーラを嗅がされ、誰もが真面目にノートを取っていた。
    「基礎英文問題精講」は中原先生が執筆された、英文解釈のロングセラーである。本屋の英文解釈のコーナーには、中原先生が引退された現在も、この本が必ず平台に置かれている。

    「基礎英文問題精講」は有名な本であるがゆえに、批判の対象にされやすい。
    まず解説が短い、丁寧でない、いまどき赤本の解説でもずっと詳しいじゃないかと受け取られても仕方ない面もあるし、また予備校講師が書いた新しい本のように、解説の文体がフレンドリーではなく、突き放した印象を受ける人がいるのも理解できる。
    それに「基礎英文問題精講」を昭和の匂いがする、古色蒼然とした参考書とみなす人がいるのも、仕方がないかもしれない。同じく昭和の匂いがする伊藤和夫師の著作は、ケレン味に満ちた日本語の解説が延々と続く派手なタイプの本だが、「基礎英文問題精講」は伊藤師に比べて地味である。
    英語が苦手な受験生が「基礎」の名前にだまされて手に取ったら、問題の難しさと、とっつきにくさで、跳ね返される可能性は秘めている。

    しかし「基礎英文問題精講」は問題量が多く、英語の構文把握力がある程度ついた受験生が、英文和訳の問題をひたすらこなし、ガンガン猛稽古するには最適だ。
    解説は短いがツボを押さえていて簡潔で、解説過剰で、軽躁な感じがしがちな最近の参考書を嫌う受験生には、この無愛想すれすれの簡潔さがしびれる。

    講師にたとえてみれば、最近の参考書(特に予備校系)は、生徒が問題を解いたあとで10分も20分も長話の解説が続く、武田鉄矢タイプだろう。
    逆に「基礎英文問題精講」は訥弁だが、「ここは、こうしたらいい」とワンフレーズでサラリと短く盲点を突く、高倉健タイプの説明だ。
    中原先生のポイントだけを押さえた暑苦しくない説明が、もしかしたら今の受験生の気質に合っているのかもしれない。

    「基礎英文問題精講」の構成は、第1章が「構文編」で英文和訳問題、第2章が「文脈編」で指示語・代名詞の問題。第3章が「応用問題編」である。
    第1章「構文編」の英文和訳問題をガシガシ解くのが「基礎英文問題精講」のメインだが、第2章の「文脈編」も、長文読解に出てくる「thisが示す内容を具体的に日本語で記せ」「itが示すものを具体的に書け」といった、指示語・代名詞の問題がまとめて取り扱われているため、重宝したい。

    「基礎英文問題精講」は初版発行が1982年で、30代40代の塾講師や高校教師はこの本で英文解釈を学んだ人が多いため、教え子に「英文解釈でいい本はありますか」と尋ねられたら、これを薦める人が多い。
    師匠から弟子へ受け継がれる重厚な名著である。




     
    | 大学受験学参ソムリエ | 17:26 | - | - | ↑PAGE TOP