猫ギターの教育論

尾道市向島の塾「US塾」塾長のブログ 早稲田大学・開成高校出身 本音が飛び交う、少し「上から目線」の教育論
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高校受験で「電話帳」を使わなくなった理由
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    高校受験の話。尾道北高・東高、その他の公立高校ををめざして、中3の諸君はよく頑張っている。冬講は実際の入試問題に、大いに触れなければならない時期である。

     

    わが開成塾では3年前まで、旺文社の「全国高校入試問題正解」、いわゆる『電話帳』を使っていた。『電話帳』という通称は本の分厚さからつけられたものである。

    かつては公立高校のナマの問題に触れるため、3月の入試までに47都道府県すべての問題を、英数国理社・全教科やり終えることを目標にしていた。気合を入れて猛勉強しなければ終わらない、かなりの分量である。

    日本の47都道府県の問題をすべてやり終えたときは、「三枝の国盗りゲーム」で日本地図のパネルがすべて自分の色で覆いつくされたような達成感があった。

     

    しかしここ数年、電話帳を使うのはやめた。

    電話帳を使わなくなった理由の第1は、国語でここ数年、問題の省略が目立ち始めたからである。著作権の絡みの関係なのかよくわからないが、たとえば秋田県の問題では2番・3番は掲載されているのに、1番が省略されていたりして不完全で使いにくい。

     

    第2は英語リスニング問題。リスニングCDは主な都道府県のものしか収録されていない。しかも1つの都道府県の問題が完全に収録されているわけではなく、中途半端で使い勝手が悪い。またCDは1回しか音声を流さずリピートしてくれないし、また生徒が答案を書くインターバルが取られていないため、一時停止ボタンをいちいち押さねばならず、操作が大変でイライラする。

     

    第3は、電話帳には解答用紙がついていないし、配点がわからないから正確な採点ができないことだ。もちろん各都道府県のHPで配点を調べればいいのだが、煩雑な作業で正直言って面倒くさい。得点があやふやなら学力を把握しづく、達成感がない。国語に至っては問題すらカットされているのだから、採点のしようがない。

     

    過去問を解くときは、1回1回が本番のテストのような、カッチリした形式で行いたい。いまの電話帳は国語の問題がないし、リスニングCDが不完全で、解答用紙もなく配点もわからない。


    電話帳でなによりも困るのは、各都道府県で傾向と難易度が違うことである。国語は自由英作文を課す都道府県と課さない都道府県があるし、社会でも神奈川県のように選択肢ばかりの都道府県があれば、宮城県のように記述だらけの県もある。
    数学は難易度が違いすぎる。たとえば富山県の問題は難問で、公立のレベルを超えている。広島県の公立高校は比較的入りやすいので、公立高校が強い富山県の難問は異質に感じてしまう。もちろん難問にチャレンジするのは大事なことだが、時間に余裕がないだけに限度がある。

     

    とにかく電話帳は編集が悪いし、各都道府県で問題にばらつきがある。だからいま、僕は広島県の公立高校の過去問に加え、広島県と問題傾向のよく似た6〜7県を選んで、それぞれの過去問を5年分授業で使っている。

    いろいろ解いてみたら、大分県の公立高校の問題が広島県とよく似ているのがわかった。社会や理科の選択肢と記述問題のバランスが酷似している。国語だけ、大分県は広島県と違い自由英作文が課されているが、その他の点はよく似ている。

    特に大分県は数学の問題がいい。難易度も広島県と同じくらいだし、また分析していただくとわかるが、大分県の問題は素直である。言いかえれば塾のテキストの延長線上にある、オーソドックスな問題が出題されている。おまけに簡単な問題と難しい問題のバランスがいい。

     

    うちの塾の冬講は、大分県をはじめとして、広島県に似た傾向の都道府県の過去問をamazonで取り寄せて、5年分テスト形式で授業で解いてもらい、僕が採点して解説という形式をとっている。要するに、すべての都道府県を電話帳で「地理的」に制覇するのではなく、6〜7県の過去問を「歴史的」にさかのぼって解いていく方法に変えたのだ。

    もちろん各都道府県の問題冊子には解答用紙もついていて、リスニングCDも完璧で、文字も電話帳に比べて格段に大きく(特に数学は電話帳の図形やグラフは小さすぎる)、配点もバッチリ載っている。

     

    この方式の利点は、同じ都道府県をさかのぼって解いていくと、各年度で点数が比較しやすいことだ。たとえば電話帳なら、大阪府の83点と兵庫県の67点ではどちらが出来がいいのかわからない。しかし京都府の平成21年度の67点と、平成20年の61点なら、もちろん年度によって問題の難しさは違うが単純比較がしやすい。同じ都道府県の問題を解き、コツを飲み込み回を進めていくうちに得点が伸びていけば、受験生には達成感があるだろう。

     

    たしかに電話帳は分厚くてモチベーションが上がるし、日本を征服をしたような到達感があるが、いかんせん以上挙げたような欠点があるので、思い切って方式を変えてみたのだ。







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