猫ギターの教育論

尾道市向島の塾「US塾」塾長のブログ 早稲田大学・開成高校出身 本音が飛び交う、少し「上から目線」の教育論
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生徒に感情を見せない訓練
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    プロ野球で、選手がホームランを打った時や、逆にエラーした時の監督の表情やリアクションが、職業柄気になる。塾の先生になってから、時間が重なるのでプロ野球中継を見る機会はあまりないが、中継を見る時はどうしても監督の表情に目が移る。

    星野仙一のリアクションはわかりやすい。選手が活躍した時は怖い顔で「よしっ」と叫んでいるし、ミスを犯した時はベンチで何か蹴飛ばしている。時には裏で選手を蹴飛ばしている。

    長島茂雄や王貞治や原辰徳のリアクションも単純明快だ。一喜一憂が素直に出る。王さんの巨人軍時代のあまりに暗い表情は、いしいひさいちの漫画で面白おかしく描かれた。いしいひさいちの王監督は目の下に隈ができ、顔の半分に影ができ、時には暗黒な表情がコマいっぱいにアップになり、鬼気迫るものがあった。

    野村克也はベンチにドカンと座りながら、どんな時でも何かつぶやいている。相手に決定打を打たれたり、自軍の選手がとんでもないミスをやってしまったら、サッチー騒動でマスコミからカメラを向けられた時のような、ものすごい仏頂面になる。

    カープの古葉竹識監督は、いつもベンチの隅に隠れて立ち表情を変えなかった。西武の森監督も喜怒哀楽を表さない人だった。2人とも途中経過に一喜一憂するより、試合の先のことを冷静かつ慎重に考えているように見えた。 またポーカーフェースで敵軍に心理を読ませない意図があるのだろう。

    広岡達朗監督にいたっては、決定的なホームランを相手に打たれた時に、いつもは気難しい顔をしているくせに、どういうわけか大笑いしていた記憶がある。おそらく自軍の選手に「まだ余裕ですよ」と安心させるため、また敵軍には「こんなの想定内ですよ」と強がる芝居なのだろうが、一筋縄ではいかない人だなと感心した。

    ところで僕はどうだろうか?
    大学受験や高校受験で、生徒には個人別に過去問を解いてもらい、僕が採点して返却しているが、結果に一喜一憂せず無表情で返却するのは難しい。どうしても喜怒哀楽の感情が表に出てしまう。

    喜怒哀楽のうち「楽」の感情はない。「もう楽勝だね〜」と過去問で良い点を取ったからといって、へらへら安心するのは絶対に避けなければならない。僕が気を緩めたら生徒に波及する。
    「怒」も論外だ。点数が悪くて生徒が落ち込んで蒼白な表情を浮かべているのに「お前には大学に合格する資格がない!」と怒鳴るのは教師失格人間失格だ。

    ただ「喜」と「哀」の感情は、僕の意志が弱いからか素直に出てしまう。過去問は志望校の傾向を探るためにやるんだ、結果に一喜一憂してはならないんだということはわかっていても、やっぱり生徒が良い点を取ったら素直に嬉しいし、悪い点だったら少しばかり落ち込むのは事実だ。

    1日中塾にいて頑張っている受験生もいる。そんな子が失敗を重ねながらやっとの思いで合格点まで這い上がれば、「喜」の感情がコントロールを失い、頭をゲンコツでグリグリして「お前は俺の誇りだ」とほめてしまう。本心なんだから仕方がない。

    しかし良い点数を取った時にほめてしまうと、点数が悪い時のリアクションに悩む。「気にするなよ」と伝えても気休めに聞こえるし、感性の鋭い子なら誰よりも先生である僕が気にしているのを絶対に察知する。僕の期待に応えなきゃと生徒に神経を使わせたくない。

    かといって黙って返却したら、先生は哀しんでいるんだと思わせてしまう。点がいい時にほめ、悪かったら沈黙だと、僕の沈黙の意味を深く解釈するだろう。哀しんでいると受け取られるのはまだいいが、僕が黙っているのは怒っているからだ、怒りのあまり口もきけないんだと曲解されるのは困る。

    だから良い時も悪い時もノーコメント&無表情で返却できればいいんだが、大学時代は自主映画の性格俳優で鳴らした僕でも、演技なんかすぐにばれてしまう。
    僕も受験生も、いろいろ大変な追い込みの時期だ。

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