猫ギターの教育論

尾道市向島の塾「US塾」塾長のブログ 早稲田大学・開成高校出身 本音が飛び交う、少し「上から目線」の教育論
kasami88★gmail.com
CALENDAR
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031    
<< October 2017 >>
RECOMMEND
SELECTED ENTRIES
CATEGORIES
ARCHIVES
twitter
猫ギター
MOBILE
qrcode
LINKS
PROFILE
OTHERS
無料ブログ作成サービス JUGEM
<< 就活で勝つのは「昭和スタイル」の若者 | main | 「ゲーム1日1時間」がダメな理由 >>
広島県東部の私立中高に、子供を通わせたくない
0
    私は尾道に住んでいるが、塾講師生活20年間の経験から判断し、自分の子供ができたら、どの中学・高校に通わせたいか考えてみた。

    広大附属福山中高は別格として、おそらく、公立中学から尾道北高・東高というルートを選ぶだろう。

     

    広島県は全国に先駆けて「ゆとり教育」が行われていた。かつて広島県は寺脇研氏が教育長だったのだ。そのころの公立高校は総合選抜入試で難易度が低く、高校には学力向上へのモチベーションがあまり感じられなかった。当然大学進学実績も悪かった。教育熱心な家庭は、公立を避けて私立中学・高校へ子供を通わせた。

     

    しかし、最近では総合選抜の廃止と、日教組の弱体化、それに広島県の教育に対する力の入れようもあり、公立高校の充実がめざましい。尾道北・福山市立などには有能な先生が集結し、また尾道北は県から重点校として強力なプッシュを受け、進学実績を大きく伸ばしている。

    尾道北高は生徒の半分以上が国公立に進学する。北高の進学実績を上回る高校は、広島県東部では広島大附属福山高校しかない。逆に近隣の私立は軒並み大学進学実績を落としている。

     

    私の感覚では、中学を卒業して高校3年間で一番成績を伸ばす高校は、ダントツで尾道北高である。たしかに尾道北高の指導は厳しく「北高プリズン」という呼び方もされ、今年も進学実績があるにもかかわらず定員割れだったが、一教育者から見てわが子を託したい高校である。頭髪検査も厳しく、ソックスも白しか許さない、「昭和スタイル」をかたくなに守る高校である。

     

    しかし、特に小学生の保護者の方には、まだ「ゆとり教育」時代の公立高校への不信感を持つ方がいて、その反動で「私立信仰」が残っている。中学受験で何が何でも私立という方は多い。

    だが、公立高校が進学実績を伸ばしたいま、私立高校の相対的価値は大きく下落している。

    広島県東部の私立中高に対して、東京や大阪や都市部の「私立」の輝かしいイメージは捨てた方がいい。「ゆとり教育」時代の私立ブームは、不景気もあり終焉した。おまけに金銭の話で恐縮だが、公立高校無料化によって、北高にはタダで行けるのだ。

     

    広島県東部の、私立中高の問題点は何か?

    第1は、私立は生徒を集めないと経営に差し障るため、指導に甘い点があることは否めない。いったん厳しい学校というイメージがつくと、私立は生徒集めには致命傷になる。だからある程度生徒を「お客さん」として扱わなければならない部分も出てくる。

    その点、生徒数が少々減っても学校が存続し続ける公立高校では、生活面でも勉強面でも、思い切って厳しい指導ができる。

     

    第2は通学時間である。尾道から福山ならともかく広島まで通うとなると、通学時間が往復で3時間弱かかる。これは私に言わせれば、体力を消耗させるだけの無駄な時間である。通学時間を家庭学習や塾にあてれば、学力は大きく伸びる。

    朝の新幹線や山陽本線で、私立の制服を着て広島方面に通っている中高生を見ると、余計なお世話なのは十分承知なのだが、疲れるだけなのに時間がもったいないと感じてしまう。通学時間のタイムロスは勉強面に大きな差しさわりがある。北高ならば市街地や向島なら自転車一本で通えるのに。

     

    第3は、6年一貫私立には高校受験がないことである。高校受験は15歳の若者には大きな試練で、高校受験は若者を強くすると私は信じて疑わない。

    東京や関西の意識の高い子が揃う私立中高ならば、高校受験のない6年間は教養を身に付け、脳を涵養する貴重な期間になるだろう。しかし地方の私立中高の甘い環境で、テストで学力を試されることなく平和ボケした6年間を過ごせば、学力は惨めなほど弛緩し、大学受験に関して致命的な不利を背負う。

     

    第4は大学受験の指定校推薦である。私立高校には何らかの指定校推薦の枠がある。私立大学の指定校推薦で、高3の秋には進学する大学が決まる生徒が多い。

    私は高3の1月・2月・3月の厳しい一般入試は、若者のポテンシャルを高め、社会人としての強さを育むと固く信じている。だから高校入試の洗礼も受けず、大学も推薦入試で合格してしまったら、自分の力を最大限に振りしぼり、能力を試す機会が若い時にやってこないのである。これじゃあ、ありきたりの言葉で恐縮だが「生きる力」など身につかないではないか。

     

    第5は私立の知名度を伸ばすため、スポーツに熱が入りすぎることである。

    野球や柔道やラグビーなど、全国大会を目指せるスポーツ競技がある高校では、高校で最も熱いスポットが、夜遅くまでカクテル光線を浴びて活発な部活動のグラウンドになってしまう。

    そうなると同じ高校内に、厳しい監督に鍛えられた体育会系の根性がある生徒と、服装がだらしなく眉を剃った不良、またゲームに夢中の無気力な生徒が混ざり、コントラストが著しい。そういう環境では、高校で弁護士でも雇って「ドラゴン桜」でもやらない限り、勉強への指導が疎かになりがちなような気がする。

     

    とにかく、広島県東部の6年間一貫私立中高は、下手をすればありもしない私立ブランドにすがった、プライドだけ高い「もやし製造機」になってしまい、私は自分の子供を、高い学費と交通費を払ってまで、私立に通わせる気にはならないのである。



    ★開成塾・高校受験
    尾道市向島・しまなみ海道の「凛」とした勉強空間

    | 高校受験 | 21:26 | - | - | ↑PAGE TOP