猫ギターの教育論

尾道市向島の塾「US塾」塾長のブログ 早稲田大学・開成高校出身 本音が飛び交う、少し「上から目線」の教育論
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ガラス張りの授業
1
私は塾講師だが、休みの日に国内旅行して、夜ぶらぶら散歩をするのが楽しみである。

そんな時、知らない土地の見知らぬ塾に生徒の自転車が並び、教室に明かりがついていると、思わずのぞき込む。同業者がどんな授業をしているのか気になるし、教室の空気にも触れてみたい。
旅先ではリラックスして、しばし仕事のことは忘れようと意識しているのだが、他の塾を見ると仕事のことを思い出さずにはいられない。

 

ある時、人口百万規模の北国の町を散歩していたら、大通りに面して大手塾のビルがあり、階の教室がガラス張りで、授業の様子が丸見えになっていた。

塾側としては「こんな素晴らしい授業をしています」というショーウィンドウとして、教室を誰にでも見えるように、ガラス張りにしているのだろう。

ガラスの向こう側の教室は、蛍光灯が煌々と照っていて、30代後半ぐらいの男性講師が、中2の生徒15人くらいを相手に、英語・助動詞の授業をやっていた。

 

その授業はひどかった。

ガラス張り教室の音は全く聞こえないのだが、黒板の方向だけを見て淡々と授業を進める講師を無視して、教室は無法地帯と化していた。消しゴムを投げ合う子はいるし、一人黙々とマンガを読む子もいるし、立ち上がって友人と談笑する子もいる。しかもそんな子供たちを講師は一向に注意しない。それどころか生徒の側を振り向きもしない。

 

しかもその日は助動詞mustの授業だった。講師は淡々とmust=have toという公式と例文を黒板に書いていたが、生徒の誰一人として講師の授業に注意を払うものはいなかった。

中学校の英語を教える方はおわかりだと思うが、mustは助動詞の中でも難解で理解しづらい。生徒の泣き所であり、同時に講師の腕の見せ所でもある。そんな大事なところの授業が無法地帯と化していた。

私は別に大した講師ではないが、一応、生徒の顔を黒板に向けさせるくらいのことはできる。教室に入り込んで、代わりに授業をやりたい心境になった。

 

塾側としては「こんな素晴らしい授業をしています」というアピールをして生徒の集客をめざしていたのだろうが、無秩序な授業風景を見て、生徒をこの教室に通わせたいという親はいないだろう。こんなものを見せつけられたら、集団授業の信用はガタ落ちで、個別指導や家庭教師の方がいいと親は考えるに決まっている。

 

授業というものは基本的に、講師が話し、生徒が聞くというシステムが基本である。饒舌で論理的に授業を組み立てる講師、講師の話を一言も漏らさぬ心意気で集中する生徒という姿が理想である。この授業は、講師も生徒もお互いを意識せず、別の世界で棲み分けている。

授業を静かに聞くという文化は、日本から消え失せたのだろうか。むかしアメリカの学校は授業形式でなく、座を囲んで先生と生徒が思い思いに話し合う「民主的」なものだという話を聞いたことがあるが、それが単に馬鹿製造工場にすぎないことがわからないのだろうか。

 

 

 

 

 

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