猫ギターの教育論

尾道市向島の塾「US塾」塾長のブログ 早稲田大学・開成高校出身 本音が飛び交う、少し「上から目線」の教育論
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個別指導は師匠と弟子の一騎打ち
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    子供時代に勉強が苦手だった親は、子供を個別指導塾に入れたがる。自分の生徒時代の経験から、集団授業がつまらなく騒がしく、勉強がわからないことを肌で知っているからである。

    しかし、勉強が苦手な子にとって、必ずしも個別塾や家庭教師がいいとは限らない。

    勉強についていけなくなると「自分のペースで勉強したい」と思いたくなるのは当然だが、勉強は速いペースについていくことが大事である。個別指導や家庭教師で子供の成績が伸びないケースの多くは、子供の緩慢なペースに講師が合わせるからである。将来大人になった時、職場で「自分のペースで仕事がしたい」というわがままは通じない。

    試験は時間内に問題を解く作業である。個別指導の先生は、最初は生徒のペースに合わせてもいいが、だんだん意識して授業のスピードを上げていかなければならない。釜で米を炊く時の、はじめチョロチョロ、中パッパ、みたいに。

    また、勉強が苦手な子が通う補習塾や、学校の補習がメインの個別指導で、まず補わなければならないのは学力ではなく、向学心や上昇志向、精神力や持続力といったメンタルな部分である。メンタルに手をつけなければ、砂漠に種を撒く無駄な作業が延々と続くだけである。

    偏差値40の子を友達感覚で預かる個別塾は多い。しかし偏差値を10上げるためには、勉強だけでなく「性格改造」まで手を突っ込まなければならない。心の問題にまで踏み込まないと成績は伸びない。そんな意識と実行力がある塾や家庭教師は少ない。

    どうしても成績が上がらなかったら、最後の砦として、「家族ゲーム」の松田優作や長渕剛みたいな、豪腕家庭講師を雇うしかない。子供だけ教育しても仕方ないので、家に乗り込んで家庭を荒らしまくり、父親母親家族を根こそぎガツンと教育しなければならない。

    とにかく、勉強が苦手な子を引き上げるには、膨大な手間と覚悟と時間が要る。素朴な疑問だが、個別指導や家庭教師で、たった「週12時間」で時間が足りるのだろうか。本気で学力の壁を破るなら、もっとたくさんの時間が必要だと思うのだが。

    勉強が苦手な子に本気でかかっていくには、ヘレン・ケラーとサリバン先生くらいの密着度が必要なのだ。

     

    さて、個別指導や家庭教師は、勉強ができる子にも効果的だ。

    個別指導・家庭教師は、勉強が苦手な子の補習的な意味合いが強いが、指導力が強い講師と、勉強が得意な子が1対1で向き合えば、難しいことがどんどんできる。学年の枠を超えた先取り学習が可能だ。問題のハードさと進路のスピードが心地良い。1対1の指導は、才能を持つ子のリミッターを破壊する「英才教育」にも適する。

    個別指導は、やさしい先生が子供に手取り足取りイメージがあるが、私の場合は集団授業より厳しい個別指導をする。伝統芸能で師匠と弟子が、一対一でやりあう修業のような個別。弟子が師匠の問いに答えられないと、場が凍る緊張感。個別は甘いものではない。子供に逃げ場がないキツイものだ。

    個別だったら、生徒のミスを瞬殺できる。数学でも英文解釈でも、問題を解く時に足を引っ張るのは「思い込み」である。間違った思い込みが障害物になり、ミスと時間切れのダブルパンチを引き起こす。個別指導の良いところは、生徒の「思い込む」箇所を直ちに見抜き、脱出方法を共に探れることだ。

    また、現代文こそ個別指導が効果的な教科である。英語数学のミスなら、講師が一方通行的に正しい解き方を押しつければ、生徒は納得せざるを得ないが、現代文は正解を示されても、なぜ間違いなのか納得できぬ点が残る。そこで生徒が講師に疑問をぶつける。議論が始まる。そんな一対一のやり取りで国語力は伸びる。

    現代文は、いったんフォームを崩すと点数が取れなくなる。バッティングと同じで精密機械のような性質を持つ。フォーム矯正には第三者の目が必要で、どこが崩れているか個別指導してもらうのが手っ取り早い解決策である。

    個別指導は師匠と弟子の真剣勝負なのだ。甘さはない。剣術のように師匠の声は硬くなるし、弟子をギロリと睨みつける。竹刀の音が高く響く。でも本気で打ち合って防具を外した後は、師匠と弟子がお互いに笑顔。そんなメリハリがいい。

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