猫ギターの教育論

尾道市向島の塾「US塾」塾長のブログ 早稲田大学・開成高校出身 本音が飛び交う、少し「上から目線」の教育論
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教育実習「先生のギャグはつまらない」
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    (教育実習で。大学生の先生が講義中)

    先生「本能寺の変は1582年、イチゴパンツと覚えようね」

              教室沈黙

    生徒「あのう、ちょっといいですか」

    先生「なんだい」

    生徒「僕たちに気をつかわせないでもらえませんか?」

    先生「どういうこと」

    生徒「先生の授業、退屈で、聞いているのがつらいんです。我慢して聞いていましたが、気をつかうのは限界です」

    先生「そんなに退屈か?」

    生徒「すいません。正直に言い過ぎて。みんな、真面目に聞いていなけりゃあ先生に悪いと、気をつかっているんです。それが先生によく伝わってないみたいだったので」

    先生「・・・」

    生徒「つまらない映画だったら観客は帰れますが、つまらない芝居は演じる人に失礼だから帰れませんよね。僕らはそんな心境なのです」

    先生「・・・」

    生徒「本能寺の変がイチゴパンツ。本来ならもっと笑いが出てもいいギャグです。飛び切り面白いわけではありませんが、絶望的につまらなくもない。硬い授業の緩衝材になるくらいのレベルにはあるギャグです。でも先生が「イチゴパンツ」と言った時、笑いは出なかった。しらっとした空気が流れた。なぜだかわかります?」

    先生「僕の授業がつまらなかったということか?」

    生徒「厳密に言うと少し違いますね。教育実習の先生の授業には、もともと僕たちもあまり期待していません。でも下手だけど謙虚で「僕の授業なんか聞かせてごめん」という態度の先生は温かく迎え、応援したくなります。でもあなたは違う。下手なのに自分はうまいと思っている。で、ドヤ顔でイチゴパンツ。だから辟易してるんです。ギャグが受けなかったのはあなたへの軽い反発です」

    先生「俺は話術があるって言われるぞ。飲み会でもみんな黙って僕の話を聞いてくれるし。君の耳がおかしいんじゃないか?」

    生徒「飲み会と授業は違うでしょ。あなたの話を飲み会で聞いてもらえるのは、あなたの声が大きいからです。天性の押しつけがましさがある。あなたの授業はジャイアンリサイタルなんですよ」

    先生「何だと!許さんぞ!それにイチゴパンツ、面白いじゃないか」

    生徒「先生、あなた、テレビは見ます?」

    先生「俺はテレビは見ない。下らないから。特にバラエティ番組」

    生徒「あのですね、テレビはギャグの最先端ですよ。お笑い芸人はクレバーです。テレビを見ていない人が「俺は面白いだろう」と繰り出すギャグほどイタイものはありませんね」

    先生「なにをっ」

    生徒「まあ興奮せずに最後まで聞いて下さいよ。あなたは自由闊達な知識人を気取っているが、実態は親父ギャグがイタい若年寄です。あなたにとってイチゴパンツは究極至高のギャグなんでしょうけど、ブラマヨやチュートリアル見てる僕たちからすれば「なんだこれ」ですよ。あなたの井の中の蛙っぷりが、イチゴパンツに象徴されています」

    先生「だったらお前ら、どうせ気をつかうんだったら、イチゴパンツで笑えや!」

    生徒「じゃあ、もう一度言ってみてください」

    先生「本能寺の変は1582年、イチゴパンツ」

    生徒「ワハハハハハ、ワ〜ハハハハ、面白いよう、キャハハハ、ヒクヒク、ヒー」

    先生「おのれはワシをなめとるんか?」

    生徒「やっと傲慢な本性を見せ始めましたね。僕らにはあなたが猫をかぶっている時から、あなたの本性が読めていましたが。一人称が僕から俺、ワシへと変わってますね」

    先生「ワシで悪いかボケ。性格悪いんはお前の方じゃ」

    生徒「わかりました。それは認めましょう。すいません。ところで先生に一つ質問があります。先生は塾で働いたことがありますか。学校の先生になるには、大学時代塾で授業をやると、いい訓練になると聞いたことがありますが」

    先生「そんなもんあるかい。ワシは塾が大嫌いじゃ。あんなん金を取る学校じゃろうが。塾講師なんかせんわい、そぎゃあなもん」

    生徒「あなたの授業、一人よがりなんですよ。塾にいると下手な授業をするとコマが減らされたり、アンケートで悪く書かれたり、ひどい時にはクビになるから、授業力が上がる。あなたにはそれがない」

    先生「あのな、塾が勉強だけを教えるところだろ。学校は「生きる力」を育てる所だ。学校と塾は違う。勘違いすんな」

    生徒「よくわかりました。ここであなたに聞かせたいものがあります」

    先生「何だ」

    生徒「あなたの授業をスマホで録音したものです」

    先生「勝手に録るな、そんなもん」

    生徒「ごめんなさいね。あなたは自分の授業を録音して聞いたことがありますか?」

    先生「ない」

    生徒「ではお聞かせしましょう」

     

    授業録音「ええ、織田信長は、ええと、楽市楽座を、で楽市楽座は室町時代の慣習を取り去ったわけで、特権的商人を排除したというか、とにかく楽市楽座は当時としては斬新で、え〜それから安土に城を築き、あ〜で安土城は立派な城で、う〜それから楽市楽座を安土から・・・」

     

    先生「やめろ!」

    生徒「わかりましたか、あなたの耳にどう聞こえましたか、あなたの授業は」

    先生「ひどい」

    生徒「あなたは傲慢ですが、耳は確かなようですね。あなたの授業は「え〜」「あ〜」「う〜」と間投詞が多い、同語反復が多い、しかも早口で大声。どれだけ僕らがあなたの話を聞くのに気をつかっていたか、おわかりですね?」

    先生「・・・」

    生徒「あなたはあなたの醜い授業の姿を、はじめて鏡で見た。ショックなのはわかります。あなたはマシンガントークで声に張りがある生き生きとした授業だと思っていたでしょうが、実はジャイアンリサイタル」

    先生「・・・」

    生徒「こういう授業をする人に「生きる力」などと言われると、引いてしまうんですよねぇ。「生きる力」なんていう教師は眉唾ものです。自分が人格的に優れているという根拠のない自信が、「生きる力」と声高に叫ばせる。その押しつけがましさが、あなたにはある」

    先生「・・・」

    生徒「もう一つ質問させて下さい。あなたは何歳の時から学校の先生になりたいと思いましたか?」

    先生「小学4年生」

    生徒「それだけ早くから教師を志してきて、どうして、あなたを教えてくれた教師の授業から学ばなかったのですか? 教師っていうのはね、働く姿を学校で、1日6時間も観察できる職業ですよ。こんな間近で大人の働く姿を観察できる職業が他にありますか? 医師や商社マンになりたい人が、働く光景を子どもが日常的に体験できますか?」

    先生「・・・」

    生徒「見習いたい先生もいれば、反面教師もいるでしょう。吸収しようとすればいくらでもできる。それをあなたは怠ってきた。教師志望の中高生は、授業を受けている時も教育実習なのです。自分だったらどんな授業をするか、教壇に立つ側に回ったらどうすべきか考えてこなかった。あなたは意識が低かった。その結果が、この授業です」

    先生「お前、生意気だぞ」

    生徒「そうですか? あなたの教育実習が附属高校だから、この程度で済んでいるわけです。附属の生徒は聞き分けがいい。でもあなたが将来赴任する高校では、もっと先生の言うことを聞かない生徒の前で授業しなければなりません。あなた、やっていけますか?」

    先生「うるせえんだよいちいち。おまえのことは担任に話して、痛い目に合わせてやるからな」

    生徒「ほう、権威を持ち出しましたね。あなたが学校の先生になりたいと考えたのは、権力志向ですか?」

    先生「そんなもんないわい。ただお前が超ムカつくんよ」

    生徒「あなた、教師になるのはやめた方がいいです。繰り返しますが、気をつかわせるのはやめて下さい。あなたの今の教壇での姿は、イチゴパンツはいた裸の王様です」

     

    (つづく)

     

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