猫ギターの教育論

尾道市向島の塾「US塾」塾長のブログ 早稲田大学・開成高校出身 本音が飛び交う、少し「上から目線」の教育論
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数学苦手克服には、自立心より依存心
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    数学苦手を本気で克服したいなら家庭教師でも個別指導でもいい。「マンツーマンのコーチ」に頼るしか道がない。病気になれば医者に行くように、数学が苦手ならコーチの二人三脚で勉強するしか手がない。

    病気を医者なしで治せるだろうか?

     

    トップアスリートには専属のコーチがいる。テニスの錦織圭とマイケル・チャン、スケートの羽生結弦とブライアン・オッサーのように、コーチとマンツーマンで練習に取り組む。

    なぜ、トップアスリートがコーチを必要とするか。それは、トップ中のトップになるには背伸びをする必要があるからだ。自分の力より上をめざすにはコーチの力がいる。トップアスリートの目標は優勝とか金メダルと高く、どんな優秀な選手でも簡単には手が届かない。客観的に外から観察して、長所と弱点を的確に指摘し、合理的なメニューを組まなければ、より高い段階へ進めない。

    いま以上に力を伸ばすには、「外部の目」が必要なのだ。

     

    ましてや、数学が苦手な受験生は弱点だらけ。私の25年にわたる塾講師経験上、数学苦手の自力克服など難しいことは、痛いほどわかっている。

    這い上がるには熱量力量を兼ね備えたコーチが絶対に必要だ。偏差値が低いどん底から這い上がった体験談には、必ず熱い心と冷徹な戦略を持つコーチがついている。

    最近では集団授業の代わりに個別指導塾が増えている。個別指導・家庭教師で一番需要が多いのは数学だ。数学が苦手なら、集団塾で大多数に向けた授業を聞いても理解ができない。集団授業に限界があるからこそ個別の需要が増えている。

     

    数学は一種の「才能」が必要だ。だけど大学受験数学なら、努力根性が占める割合は想像以上に大きい。

    ただ、正しい努力の方法を教えてくれるのは「本」ではなく「人」である。遅れを挽回するには個別指導課家庭教師しかない。

    数学が苦手な人は、授業を今までさんざん聞いてきたのに苦手になったわけであるからして、それを本だけの力で挽回できると自惚れてはいけない。「自学自習」には限度がある。

     

    数学が苦手な人が自学自習すれば、2パターンの弊害がある。

    1つは簡単に解ける問題ばかりやり力がつかないこと。小さい時から数学が苦手だった人にこのタイプが多い。計算問題ばかりやって、応用問題には手をつけようとしない。

     

    もう1つは難しい問題ばかり焦って解いて消化不良になることだ。難関高校の数学が苦手な生徒にこのタイプが多く、基礎力の欠如が数学の点数が上がらない根本原因であることを敢えて無視して、虚栄心で青チャートとかZ会とか難しい問題にばかり手を出す。

     

    いずれにせよ、数学が苦手な人は、苦手克服にはどのレベルの問題を、どれくらいの量やるべきかわからない。力のつかない無駄な勉強とは知らないまま押し通し、本番の試験で失敗してはじめて自己満足の勉強だったことを悟る。

    頑固に苦手を一人で解決しようとする行為は、自分の身体の外科手術を、内臓を鏡に映しながら自分でするようなものだ。そんなことができるのはブラックジャックだけだ。

     

    経験豊かな専門家は、数学苦手な生徒がどこでつまずくか、膨大な経験値がある。数学が苦手な人は、それぞれ違った課題を抱えている。ある人は関数を解く論理思考ができない。ある人は図形の閃きがない。ある人は立体感覚がない。専門家は敏腕医師のように、問題のありかがわかっている。

     

    それから熱意がある学生講師に教えを乞うのもいい。学生講師が経験はないが、時に熱意が強烈な人がいる。「熱意がある」というのは単純熱血体育会系ではない。熱意がある講師とは、絶えず生徒のことを考えている人のことだ。

    生徒にとっていま必要な教材は何か、身の丈にフィットした勉強法は何か、採寸してオーダーメイドの背広を仕立てるテイラーのように計算し、しかも絶えず微調整している。

     

    熱意は細部に宿る。熱意がない先生は生徒が身体に合わない勉強をしていても無関心だからスルーする。熱意がある先生は細かくて、熱意が薄い先生は大雑把である。細かい先生は息苦しいが、苦手から這い上がるためにはそれくらい耐えなければならない。良い学生講師に出会えば一生ものの出会いになる。

     

    数学を本気で伸ばすには、時にヘレン・ケラーとサリバン先生のような、二人三脚を越えた一心同体の関係が必要だ。「自分一人でできる」と自惚れてはならない。

    数学苦手から這い上がるには、プライドが肥大しただけの自立心なんていらない、教える人に勉強方法を丸投げする謙虚な依存心が大事だ。自立心を尊び依存心を軽んじる常識とは逆なのだけど。

    数学で「他人」を追い抜くには「他人」の力が必要だ。


    3月18日発売『大学受験勉強法・受かるのはどっち?』
    本の内容の詳細はこちら 

     

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