猫ギターの教育論

尾道市向島の塾「US塾」塾長のブログ 早稲田大学・開成高校出身 本音が飛び交う、少し「上から目線」の教育論
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コウタロウ英国留学記(3)
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    ケンブリッジで、藤原正彦『遥かなるケンブリッジ』を読む



    11月「両親英国上陸」

    コッツウォルズへ両親を案内

    11月に入り雨の日が増えてきた。
    11月の重大イベントはなんと言っても両親がイギリスに来たことだ。両親がイギリスに到着した翌日に会ったのだが、「その格好で寒くないん?」と最初に僕にかけた言葉はやはり僕を気遣う言葉だった。「入国審査大丈夫だった?」と聞くと、「何がなんだか分からなかったけど2人で何とか通してもらえた、一組前のアジア人が部屋に連れて行かれていて焦った」というようなことを不安そうに、でもどこか楽しそうに話してくれた。
     
    メインイベントはコッツウォルズへの日帰りツアーだ。母がガイドブックを見て一目惚れし、なんとしてでも行きたいと言っていたので、実現して良かった。コッツウォルズは見どころとなる町がそれぞれ離れているのでツアーで行くのがお勧めだ。僕たちはロンドンヴィクトリア発のみゅうのツアーに参加した。バイブリーという村はイギリスで最も愛らしい村と言われ、澄んだ小川と緑が抜群の調和をなしていた。湖水地方にも行きたかったそうだが、時間的に厳しかったのと位移動がしんどそうだったので今回はパスした。

    行きたかったポーターズというレストランで晩御飯を食べたり、ウェストミンスター寺院に行ったり、ビックベンを見たり、テムズ川クルーズの遊覧船に乗ったり、観光地を巡った。特にウェストミンスター寺院は気に入ったようで、「ウィリアム王子が結婚式したとこよね!?」などと終始楽しそうだった。他に、カンタベリーに来たときに丁度アメフトの試合があったのでそれを見てもらった。

    2階建バスに乗る機会がほかになさそうだったので、ここぞとばかりにバスに乗ってしまいバッキンガム宮殿の衛兵交代式を見逃したのは僕の最大のミスだ。悔やんでも悔やみきれない。
    またエッセイのデッドラインが近く僕が慌ただしくしてしまったせいで十分に案内してあげることができなかったのが非常に心残りなので、もう一回家族でイギリスに行って今度はゆっくり観光したい。

     
    錦織圭とPerfume

    この月は錦織のATPツアーファイナルを観戦しに行くことができた。ウィンブルドンに錦織の試合を見に行くことはできなかったが、タイミングが合い見に行った試合で錦織はマレーに対して見事に初勝利を挙げた。日本人として誇らしかった。また、テニスの試合を生で観戦したのは初めてだが、ポイントが入るごとに盛り上がり、プレーが始まるときには一瞬にして静寂に包まれる観客のマナーの良さに感動した。


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    青い照明に包まれたO2アリーナ
     
    11月にはまた、Perfumeのロンドン公演が開催された。公演直前にタイミングよく、友達の別府君がフェイスブックにデビュー15週年の記事を投稿していて、それを見てロンドン公演のことを思い出した。これはなんとしても行かなければと急いでチケットをとった。
    左端でステージの端っこが切れて見えない時もあるが、なんと前から3列目の席を確保することができた。Perfumeに関わらずコンサートに行くこと自体が時初めてだったので、その場の雰囲気に感動した。加えて、Perfumeは広島出身ということで、イギリスで同郷のアーティストが活躍している姿を見ると勇気がもらえた。

    それまではPerfumeに特段興味があるわけではなかったが、異国の地にいる時は同郷というだけでここまで親近感が湧くものなのかと不思議に思った。体に映像を投影するプロジェクションマッピングや、あーちゃんによる自由奔放な進行もぞんぶんに楽しめた。半分以上は日本語を話しているのに、会場全体が燃え上がっていて、お客さんを楽しませるプロだなと思った。
    錦織の活躍とPerfumeの公演は、イギリスのどんよりとした天気に負け鬱気味だった僕に元気を与えてくれた。


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    前から6列目で飛んだり踊ったり、ハッスルしてました。Perfumeとかなり近かったです。聞きたかった広島弁は1人1回ずつ喋ってくれました。今日は大満足。
     

    12月「冬の旅行」

    パリでジプシーに襲撃される

    12月の中旬に各授業の期末エッセイを提出し終わったら、いよいよ待ちに待ったクリスマス休暇が始まる。取っている授業によって違うが、12月20日頃から約1か月間の休暇だ。
    僕はまずフランスに行くことにした。パリがどれほど美しい街か感じてみたかったし、ヴェルサイユ宮殿や、モンサンミシェル、ルーブル美術館など、行きたい名所が多くあったからだ。またウッチャンナンチャンが泳いで渡ったドーヴァー海峡を船で渡ってみたかった。

    ドーヴァーでバスに乗り、すぐに乗船し1時間半程度の航海。カレーに上陸し、バスでパリのバスターミナルまで行く。9時間弱の長時間移動なのに4列シートで、居心地は最悪、満席な上に子供がはしゃいだりするとくつろげない。
    唯一の救いだったのは、隣に座っていたおじいさんが教師をしていた若いころの話や、イギリスとフランスのクリスマスの違いなど、会話に付き合ってくれたことだ。現在はパリに住んでいるらしく、イギリスから帰っている途中だったそうだ。


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    バスに乗ってからフェリーに乗り込むまで2時間以上かかった。その大半が入国審査待ち。旅程の1/4を全く動かずにバスの中で待機というのは辛い。

    午前8時半ごろにパリのバスターミナルに着いた。計画では朝着いて数カ所めぐろうと思ってたが、バス旅に疲弊しすぎて行動する気が起こらなかった。
    お腹がすいたのでとりあえずマックに入りハンバーガーを頼もうとしたが、店員さんがフランス語しか話さないので注文に手間取った。挨拶以外のフランス語は全く分からなかったので指で注文した。パリでは英語を話してくれない人が多いと聞いていたが、英語で大丈夫だろうと気軽に構えていたので意表を突かれた。フランス観光が一気に憂鬱になった。
     
    朝のパリには地元の人しか受け付けない雰囲気を感じ、居心地が悪くなり、地下鉄で何気なくテュイルリー公園まで行った。公園を散歩しているときにジプシーのような集団に声をかけられた。ジプシーとは東欧を中心に生活している移民型民族の総称であるが、中には大都市の観光名所でスリをしたり、詐欺行為をしている人もいる。僕が出会ったのは詐欺のほうだ。手に署名用紙みたいなものを持っていて名前を書いてほしいとのことだった。言われるままに名前を書くと次は数字の欄だった。ここでしまったと思ったがもう遅かった。
    気づけば僕の周りを5人以上の女の人が囲み、「money, money.」と連呼していた。あーこうやって金を取られるんだなと落ち込んだが、簡単に金を奪われるのも嫌なので逃げる方法を考えた。結局金を渡そうとして相手がちょっとだけでも気が緩んだ瞬間にダッシュするという強引な手段を採用した。後ろからは僕を罵る声が聞こえたが振り返らなかった。最悪なフランス観光のスタートになった。
     
    長時間のバス旅に加え、ジプシーに追い詰められて憔悴した僕は、ガルニエ座付近にあるスタバで休憩することにした。コーヒーを注文し二階に上がった。ツイッターを開き、Taloと書かれたコップを写真にとってツイートしたのを思い出す。


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    ヴェルサイユ宮殿は「ただの箱」

    手動ハンドルで開閉する地下鉄のドアに戸惑いながらなんとかホステルにたどり着きチェックインを済ませた。チェックインしてからは、ご飯を食べて周辺探索に終始し、早めに就寝した。フランス2日目12月24日クリスマスイブ。ノエルをパリで過ごすと聞くと美しいが、男子が一人でクリスマスマーケットを探索していても何もロマンチックでもない。
     
    この日のメインイベントはヴェルサイユ宮殿に行くこと。思ったよりも中心部から離れていて電車で行かなくてならない。イギリスでもオランダでも思ったがヨーロッパは中心部を少し離れると一気に閑散とし田舎の雰囲気が出てくる。日本だと中心部から離れていくとグラデーションのように徐々に田舎に移行していくが、街の成り立ちの違いがこういうところに現れるのだと感じた。
     
    また、電車の中でアコーディオンを演奏する人がいて、演奏終了後にチップを求めてきたが入れるべきか入れないべきか分からず一度は断ったが、他の乗客たちが気前よくハットの中にチップを投げ込んでいたので、僕もそれに倣って、気持ち分のチップを投げた。電車内で楽器を演奏するのは、日本ではありえない光景だなと思った。僕がポケモンの歌を歌ったら、チップが集まるのだろうかと呑気なことも思ったりもした。
     
    ヴェルサイユ駅に到着した。みんな目的地は同じなので地図がなくとも宮殿まで迷うことはない。駅からの一本道を左折すると宮殿が見えてくる。金の装飾が目立つ宮殿もさることながらその前に広がる広場の広さにも驚いた。イギリスの学生ビザは最強でヴェルサイユ宮殿にも無料で入ることができた。
    ヴェルサイユ宮殿の一番の目玉はなんといっても鏡の間で、ヴェルサイユ条約の調印式が行われた場所だ。まばゆいばかりに輝く華々しい歴史を感じた。しかし、宮殿の他の部屋には装飾品が残っておらず思うほど過去の栄光を実感することはできなかった。

    建物自体は本当に大きいし、豪華絢爛なのは分かったが、“ただの箱”という印象で、そこまで感動はしなかった。中国の紫禁城に訪れた客も同じ印象を抱くと聞く。グランド・トリアノンやプチトリアノンせっかくなので行ったが、こちらは、豪華さは損なわず、かつ生活感があって落ち着く感じがした。プチトリアノンにはトイレがあって、これには驚いた。当時のフランスはそこらかしこでところかまわず脱糞し、トイレもないものだと思い込んでいたので意外だった。
     
    もう一つ想像を超えたのは庭園の広さだ。観光客用に自転車やカートが用意されているほどだ。歩いて回ろうと思ったら誇張無しに一日かかるか、その前に疲れ果ててしまう。大きさや富や地位を現していたのだと思うと納得する。とにかく広い。庭というより森。装飾よりも規模に驚かされたヴェルサイユ宮殿だった。
    パリ中心部に帰ってからは、ノートルダム大聖堂に行った。クリスマスのミサが行われていて、人が多かった。青く灯された巨大なクリスマスツリーが、雨がぱらつく中で印象的だった。


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    ヴェルサイユ宮殿。宮殿内、今でも豪華絢爛な鏡の間以外は想像していたよりも普通の宮殿だという印象を受けた。家具や装飾品がごっそり持って行かれとるせいだろうか。
     
    フランス2目12月25日、クリスマスに唯一営業しているエッフェル塔に行った。エッフェル塔で驚いたのが、ベビーカーを押したままエッフェル塔最上部の展望台まで上がっていた観光客が、一組ではなく、いた事だ。ヨーロッパは日本よりもベビーカーを押す子供連れの家族に対して優しいと聞くが、エッフェル塔まで連れて登るのだなと感心した。景色は言わずもがな綺麗だった。凱旋門を中心に放射状に広がるパリの構造が一望できた。


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    ベトナム人街の汚い公衆トイレ

    エッフェル塔の観光が終わった後はパリ13区にあるベトナム人街に行った。昼ごはんにフォーでも食べようと考えた。
    ここでは人生で一番汚い公衆トイレを経験した。街を歩いているときに急にトイレに行きたくなった。かといって日本のようにコンビニがあるわけでもなく、クリスマスなので開いているカフェも見つからず、仕方なく公衆トイレを使うことにした。コインを入れたら扉が開く方式だが、コインを入れても開かない。扉が少し開いていたので手で無理やりこじ開けた。

    入ってみると清掃されている痕跡がない。しかも前の人が残したであろう便が残っており悪臭を放っている。一刻も早くそこを出たかったが、排便という生理的欲求には勝てない。漏らすわけにもいかないということで、腰を浮かして排便した。幸いにも極限まで我慢していたため、瞬間的に用を足すことができた。トイレットパーパーが備わっているはずもなく持っていたポケットティッシュで拭いた。少しおなかが痛かったのもあり、フォーを食べるのは諦めて、ホステルに戻った。
     
    モンサンミシェルとラム肉

    翌日、モンサンミシェルには日本人向けツアーを企画しているみゅうのツアーで行った。休憩がてら小さな歴史のある街によるのだが、そこでフランスらしい棚を発見した。小さな町の小さなスーパーなのに1ラインの棚全てをチーズが埋め尽くしていた。種類が多すぎてどれがどんなチーズなのか全くわからなかったので、写真だけとって思い出にとどめておくことにした。


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    田舎町のスーパー。日本のコンビニと同じかそれより小さい店だけど、この棚は1面チーズ。イギリスに来てやっとチーズを食べられるようになった僕は種類多すぎて混乱状態

    当日は雨の予報だったが、バスで移動している最中に強風によって雲が押し流され、到着する頃には晴れ間が覗いていた。モンサンミシェルは言わずと知れた海に浮かぶ寺院であるが、陸地と寺院を繋ぐ歩道が潮の流れを遮り砂が堆積し、このままでは陸続きになってしまうということで潮の流れを遮らないように橋を設置する工事がちょうど終了したところだった。橋の横にはパワーショベルが数台止まっていた。

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    写真やテレビで取り上げられているせいか初めて目に入ったときの感動はそれほどなかった。ただ天井が木の板のところがあって、大聖堂が火災で燃えたとか、空襲にあって消失したとか聞いたときに石造りの建物なのに燃えるのかなと不思議に思うことが少なくなかったが、このとき初めて大聖堂の中で木を見て、燃えることがあることに納得できたのは収穫だった。

    モンサンミシェル周辺はラム肉が有名で、こちらも有名な貝類とどちらを昼ごはんに食べるか迷ったが、ラム肉を食べた。ラム肉は生臭く食べにくいイメージがあったが、ここで食べた肉は嫌な臭いもなく、さらに柔らかくとても美味しかった。
    先ほど感動はなかったといったが、参道や周辺の家は趣があって気に入った。


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    僕が羊肉を好まない理由の独特の匂いがほぼ無かったのは子羊の肉だからなのか、ガイドさんが言うように潮を被って塩分を含んだ草を食べているからなのか
     
    パリの美術館巡り

    パリではルーブル、オルセー、オランジュリー、ポンピドゥーセンターの近代美術館の合わせて4つの美術館を巡った。
    オルセーは駅舎を改装して美術館にしているそうだが、駅舎が美術館になったという驚きよりも、こんなにも壮大で装飾に凝った建物が駅舎として使われていたことに驚いた。
     
    ルーブル美術館には一日を費やそうと考えていたが、広大すぎで絵をじっくり見ていたら一日で回るのは不可能だと思ったし、それ以上に歩き続けると足がしんどくて半日が限界だと感じた。実際の滞在時間は5時間程度。モナリザや、ナポレオンの戴冠式、サモトラケのニケや、ロゼッタストーン、など見逃せないものをかいつまんで見学して回った。


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    ルーブル美術館、イギリスの学生ビザのおかげで無料だったし、リシュリュー翼から入ることによって全く待つことなく入場できた!メインエントランスはとんでもない列ができていたというのに。
     
    近代美術館は僕にはまだ早かった。近代の芸術を楽しんで鑑賞するセンスや技術は身に付いていない。キャンバスを赤一色で塗っただけのものや、メッセージ性を帯びているのはわかるが、時間をかけて解釈を考えるほど時間に余裕がなかったので一通りめぐるだけで、そんなに時間を割かなかった。
     
    一番気に入ったのがオランジュリー美術館。こじんまりとしているが、モネの睡蓮を展示するために改装された美術館で濃度が高い。モネやルノワール、セザンヌといった印象派の画家やピカソやゴーギャンの絵もあり、どれも有名な絵画ばかりで、しかも展示の仕方も凝っている。モネの睡蓮がパノラマ展示してある部屋で一日中読書でもしていたい気分になった。
     
    パリの地下鉄は路線がわかりやすく攻略すると移動が楽になるので、観光が一気に楽しくなる。芸術の都パリというイメージから多くの人が施設や町並みから人々のファッションまで、何もかもが美しいという幻想を抱いて旅行に向かう人が少なくないと思うが、その幻想もパリに行けば壊されるかもしれない。
    ジーンズにダウンを羽織っているし、道端にはごみが落ちていたり、匂いもよくはない。そんなことを考えながら再び長いバス旅に耐えながらカンタベリーまで帰った。

    (つづく)
     

     
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