猫ギターの教育論

尾道市向島の塾「US塾」塾長のブログ 早稲田大学・開成高校出身 本音が飛び交う、少し「上から目線」の教育論
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大手塾の講師は独立して個人塾を作れ
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    私は昔、大手塾の時間講師をしていたが、雇われ講師の私は、常にクビを恐れながら仕事をしていた。「この人に独立されたら、塾の(教室の)屋台骨が揺らぐ」と経営者が認識している人ではないと、簡単に塾を解雇させられる気がした。

    時間講師は旬を過ぎたら、使い捨てられるのがオチだ。時間講師はパートの人間のように、取っ替えひっかえが可能だ。低賃金を当てにするという意味で、本質的に大手塾業界は、ファーストフードやコンビニと似ている。
    また年齢を食った時間講師は、よほどのキャリアでないと煙たがられる。老いた風俗嬢のように使い物にならない中年講師が、自分には教務能力があるかけがえのない存在だと、悲しい自惚れを続けていることがある。経営者はそんな講師のクビをいち切ってやろうか、タイミングを見計らい手ぐすね引いている。
    塾講師が待遇について文句をいえば、解雇の対象になる。うるさい奴は切る。力のない高給取りは切る。少々力があって生意気な中年講師よりも、授業力に問題があっても従順で大人しい大学生のほうが経営者からは都合がいい。

    経営者なり教室長を脅かすのなら少々の力ではだめだ。圧倒的な力がほしい。「力」とは、具体的には、生徒や保護者の窓口に時間講師がなることだ。保護者の方が、塾に相談事で電話をかけてこられる時、「××先生いらっしゃいますか」と言わせる信頼力だ。
    当然クラス担任だったら相談事の指名がかかる。しかしクラス担任でなくても父母や生徒が相談事を抱えているとき、「××先生がいい」と指名される力がほしい。教室長すら飛び越えて指名される力が。雇われ講師はクビにされないためには、父母や生徒からの信頼が必要だ。
    もし塾をやめたら、大手塾の一教室の屋台骨が揺らぐ、そんな「危ない」講師にならなければならない。しかし時間講師が保護者の方と密接な関係を築くことを恐れるため、老獪な経営者や教室長は、講師の配置変えを頻繁に行う。私が大手塾を飛び出した最大の理由はこれだ。私は自分が見込んだ教え子たちと離れたくなかった。

    私も大手塾にいた時は、時間講師としての自分の微妙な立場は認識していたし、解雇させられないように努力してきた。また解雇とかそういう消極的な意識ではなく、この教室を「自分の王国」に仕立て上げようと、ある時期から積極的に目論んでいた。
    自分はたかが時間講師だから、トップには絶対立てない。教室長にはなれない。しかし最高実力者にはなれる。
    「将軍」は社員と時間講師の身分の違いでなる事はかなわずとも、「執権」にはなれる。自分が力を持つことによって、生徒のためになるのなら、本来人前に出る事が大嫌いな私でも、自分を強く押し出さなければならない。そんな気概をもって仕事をしていた。心は批判精神ではちきれていた。

    私は結局28歳で独立した。しかし独立の意志は、塾を辞める2ヶ月前まで、全くなかった。独立なんて大それたこと、思いつきもしなかった。カネもなかった。1万円しか貯金がなかった。親戚友人から100万借りて塾を開いた。黒板を買い机を買いエアコンを取り付け税務署に行き、1週間で開業した。まさか自分が個人塾をやるなどとは考えていなかった。計画性などまるでない。

    ただ私の場合、独立して成功だったと思う。自分が48歳で雇われ講師でいる姿など、今となっては想像できない。
    独立するには、人生をダイブする度胸が必要だ。大手塾に監禁され、やりたいことが宇宙のように広がっている時間講師は、独立する気概を見せていいと思う。
    塾は講師対子供、個人対個人の関係で成り立っている。塾の企業は中間搾取的な性格を帯びている。だから個人でも塾はできる。大手塾は一種の「集客装置」なのだ。
    講師の純粋に子供を思う気持ちとか、予習に賭ける勤勉さとか、それらは結局塾経営者の懐に、カネの形になって飛び込んでゆく。そんな経営者の老獪さに、独立で対抗しなければならない。

    有能な大手塾の時間講師は、自分の憤りが公憤なのか私憤なのか冷静に吟味して、もしそれが公憤ならば決断すべきだ。独立する時は、会社側も自分も胃に血が滴るような神経戦になるが、失敗したら切腹すればいい。
    生徒が20人いて、自分の家で塾を開けば、サラリーマンの初任給くらいの収入は得ることができるのだ。どんどん独立してほしい。
    個人塾を作るのは簡単だ。家の玄関に「●●塾」と紙でも貼っておけばいい。その瞬間、あなたは個人塾塾長だ。いや看板すらいらない。あなたがいま「私は個人塾講師だ」と思った瞬間、個人塾を作っていることになる。参入がこれほど楽な仕事があろうか?

    ただし独立すれば、批判の対象になる上司はいない。やる気のある時間講師は、自分とそりの合わない上司への批判精神がモチベーションになっていることがある。絶対に認めたくないだろうが、嫌いな上司に依存しているのだ。独立すれば意外にも、攻める側から守る側になることは、心に留めておきたい。


     
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