猫ギターの教育論

尾道市向島の塾「US塾」塾長のブログ 早稲田大学・開成高校出身 本音が飛び交う、少し「上から目線」の教育論
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国語力がありそな有名人、なさそな有名人
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    国語力をつけるには、「文章の聞き上手」になることである。
    文章と読み手の感性がグリップした時、本との最高の出会いが生まれる。

    ところで、私が「この人、国語力あるな」と感じる有名人は、美智子皇后である。
    美智子皇后は、どんな人の話も、強い共感を持ちながら、笑顔でうなずきながら聞く。手に膝を置きながら、身体を聞き手の真正面に据えて、全身で聞く。

    話し手の側から見れば、最高の聞き手である。美智子皇后の笑顔に向かって語れば、何を話しても涙が出そうなくらい的確な答えが返ってきて、自分がものすごい話し上手に感じてしまうだろう。(その前に緊張して何も話せないかもしれないが)

    皇后陛下はは本でも、心の中で丁寧にうなずきながら、几帳面かつ深く読んでいるに違いない。

    また美智子皇后の文章は素晴らしい。

    「生まれて以来、人は自分と周囲の間に、一つ一つ橋をかけ、人とも、物ともつながりを深め、それを自分の世界として生きています。この橋がかからなかったり、かけても橋としての機能を果たさなかったり、時として橋をかける意志を失った時、人は孤立し、平和を失います。この橋は外に向かうだけでなく、内にも向かい、自分と自分自身との間にも絶えずかけ続けられ、本当の自分を発見し、自己の確立をうながしていくように思います」

    尖らない知性と、温和な精神とが、嘘偽りなく文字に刻まれている。
    正直言って、怪しい宗教人の文章と紙一重なのだが、美智子皇后の笑顔を想像しながら読むと、説得力を極めた名文になる。
    国語力をつけるという作業は、一種の人格改造であり、普通のオバサンを美智子皇后に変える作業なのかもしれない。


    逆に、圧倒的に自己主張が強い人には、国語力を期待してはならない。自己主張が激しい人は、自分のことしか語らない。人の話を聞かない。どんな文章も、どんな話も、自分の解釈でねじ曲げてしまう。それはそれでまた大きな魅力になることがある。

    たとえば矢沢永吉。国語力がいかにもなさそうではないか。

    永ちゃんにインタビューすると
    記者「今回のアルバムは、どんな感じですか?」
    矢沢「矢沢は自分のこと、メチャクチャ好きだしね」
    記者「いつまでもお若いですね」
    矢沢「そこに、アンタがいるから歌うんだ」
    記者「矢沢さんにとってビートルズとは?」
    矢沢「そこんとこヨロシク」
    記者「ツアーの抱負は?」
    矢沢「♪ルイジアナ、テネシー、シカゴ はるかロス・アンジェルスまで〜」

    トンチンカンな会話で埋めつくされ、その後は記者に口を挟ませぬ独演会のオンパレード。人の話より自分の話が好き。会話のキャッチボールでなく、一方的なフリーバッティングに近い。現代文が苦手な子は多かれ少なかれ、テキストの内容を無視したり、あるいは自分の解釈にゆがめてしまう。

    まあでも永ちゃんの話は、独善的スレスレのアクの強さが魅力だ。人の話を無言で聴き、ただ黙ってうなずいている「聞き上手」の矢沢永吉なんて気持ち悪い。


     
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