猫ギターの教育論

尾道市向島の塾「US塾」塾長のブログ 早稲田大学・開成高校出身 本音が飛び交う、少し「上から目線」の教育論
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アメフト野郎!by航太郎 (2)
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    第1部はこちら

    第2部 夏合宿と食トレ


    〜同じ釜の飯を食う仲間、深まる信頼〜
     
    白米が白い石に見える食トレ 
    本番の秋シーズンが始まる前、8月の中旬に合宿を行う。8月13日から17日まで4泊5日の日程だ。昨シーズンは岡山鳥取県境にある氷ノ山スキー場に隣接する合宿施設、氷太くんで行った。三日月形の宿泊所が印象的な施設だ。
    標高840mで昼間でも涼しく、暑さは感じなかった。



     
    BADGERSは頭髪に関して規則はないが、僕は関西1部の強豪校に倣って気合を入れるために、頭を坊主にして合宿に臨んだ。 
     
    合宿の主な目的は、共同生活を送り秋の本番に向けて一層チームの結束を強めること、朝から晩まで常にフットボールに没頭しプレーの完成度を高めること、体重が軽い選手は体重を重くすることだ。
     
    合宿での食トレには苦い思い出がある。
    そもそも食トレとは限界を超えて食べ胃を大きくすることで、大きくなった胃に米を詰め込み体重を増やすことである。体重計を持ち込み一回の食事で2キロ増やさないと帰れないというミッションを課されることもある。食トレが上達してくると、つけもの一切れで茶碗一杯の白米を食べられるようになる。
     
    2年前、僕が1年生で初めての合宿の話だ。エネルギー源の炭水化物、特に白米を毎食食べるが、まず同じポジションの先輩と同じテーブルに座る。自分で自分の茶碗に米を盛ることは許されず、必ず先輩に任せなければならない。
    やさしい先輩はふんわりと盛ってくれるが、いたずら心が働いた時はギュッギュと圧縮してしまう。同じ盛り方に見えても、重量があると絶望感に襲われる。満腹になってからがトレーニングだが、その段階になると白米が白い石に見えてくるし、急激に喉を通らなくなる。

    夜は余ったご飯でおにぎりを作り、ミーティング中に食べる。ごはんの時に無理やり詰め込んだのでお腹に空白はないが、無理やりかじる。満腹のまま寝て、朝起きてもお腹いっぱいの状態が続いている。朝ごはんで大盛りの茶碗4杯分、感覚では3合。
    胃袋がぱんぱんに詰まった状態で練習する午前練は地獄だ。寝ている間に腹を切開され石を詰められた狼の気分だ。動く度にお腹だけが遅れてついてくる感覚だ。さらに夏の蒸し暑さが吐き気を増す。

    3日目の午前練、食べ過ぎで気分が悪く、パスを投げた後に胃から米が逆流してきた。慌ててグラウンドの端に行き、溝に吐いた。吐いたら一気に楽になったが、しんどい思いをして詰め込んだ米が全部吸収されずに出てしまったことに無力感しか残らなかった。
    吐くと一時練習ができなくなるし、食事の効果がマイナスになってしまうので度が過ぎた食トレは次の年から無くなった。

     

     
    岡大アメフト部BADGERS注目選手紹介
    ここで、BADGERSの注目選手を紹介しよう。
    まず、新2年生ランニングバックの高松直登#22。アイシールド21でいうと主人公セナのポジションだ。
    ランニングバックはQBからボールを手渡しされ、そのボールを抱え出来るだけ遠くへ運ぶポジションだ。相手エンドゾーンまで駆け抜ければ6点を獲得できる。彼は高い運動能力を持ち、レシーバーとして1年生の時から公式戦に出場していたが、今シーズンランニングバックにコンバートされた。広島国泰寺高校野球部出身で、とにかく返事がよく、愛すべきおバカさん。言われたことを実直に実行しようとする姿勢が清々しく、楽しそうにプレーするのが気持ちいい。
    ランニングプレーが多いBADGERSのオフェンスにおいて、重要なプレーヤーになることは違いない。背番号22が颯爽とフィールドを切り裂く姿を期待していただきたい。
     
    僕の同期の三浦勇輝4年#74はオフェンスラインをしている。アイシールド21で言うと栗田がこのポジションだ。
    アメフト選手の中で最も大きい選手が集まるポジションで、ランプレーの時はランナーの走路をこじ開け、パスプレーの時はクオーターバックを相手でフェンスから守るきわめて重要なポジションだ。オフェンスラインの出来によってオフェンスの出来が左右される。体重が重いといっても派手なタックルをするわけでもないし、決められたブロックを果たすだけなので、縁の下の力持ちという言葉だけでは、その目立たないところで汗をかいている彼らの功績を表現できない。
    三浦は平成25年度入学で一番最初にBADGERS入部を宣言をした。僕はにわかにも信じられなかった。なぜなら、彼は吹奏楽部出身、180cm/54kgとガリガリで、どうみてもアメフトを続けていくようには見えなかったからだ。だが彼は瞬く間に増量に成功した。1年の終わりには25キロ以上は増やしていた。今では94キロまで増え、オフェンスラインを牽引している。フィールドの中心、選手が密集しているので見つけるのは難しいかもしれないが、双眼鏡を準備して74番の活躍を目に焼き付けてほしい。
     
    最後に、新3年生ディフェンスラインの窪田翔吾#90だ。アイシールド21では王城高校の大田原がそうだ。このポジションは相手オフェンスを破壊することが仕事だ。
    窪田はとにかく体がでかい。体重は114キロ。法学部の授業で講義室を歩いていると、細い女子の肩幅の3倍はあるんじゃないかと思うほどだ。 一般にアメフト選手と聞いて想像するのは窪田のような体型だろう。
    彼の強さは底知れぬ努力に裏付けされた強さだ。 下半身強化のために毎日タイヤを押している。一人黙々とくラウンドにタイヤの跡を残し続けている。筋トレも一人だけとびぬけて高重量を持ち上げる。ベンチプレス140キロ、スクワット210キロ、デッドリフト220キロは日本でも屈指の強さを誇る岡山大学のウエイトトレーニング部も驚く強さだ。
    留学に行く直前、少しでも新歓に貢献したいと思い、大物を入部させようと企んでいたが、そんな折、居場所がなさそうにのそのそと歩いているデカい背中を見つけた。あまりの風格に新入生という確信はなかったが、恥をかいてもいいと思い、思い切って声をかけた。
    話を聞くと体を鍛えることが好きだという。高校時代は野球部に入っていて、大学でも体を鍛えることは続けたいという。何という逸材か、これはアメフト部に入れるしか無いと思い、口説こうとしたが、その必要はなかった。「僕は行きますから他の人を勧誘してください」と言われたのを覚えている。
    最初の出会いから衝撃だった。今シーズンも、敵味方関係なく、観客を唖然とさせる衝撃の強さを魅せつけてくれると確信している。
     
    マネージャー・トレーナーに感謝
    アメフト部スタッフの仕事を紹介したい。
    スタッフの仕事は多岐にわたっている。高校までの運動部のマネージャーは、水汲みやライン引き、タイムキープなど無くてはならないが雑用のイメージが強いと思う。
    だが大学の体育会、特にアメリカンフットボール部のスタッフの仕事は多く重要だ。
     
    一言にスタッフといってもマネージャーとトレーナーに分かれている。
    マネージャーはSNSでの情報発信やOBへの報告などの広報活動、練習や試合のビデオ撮影、試合の統計、試合へ出向いて対戦相手のスカウト、卒部式などイベントの運営、イヤーブックの作成などがある。将来的には現在は選手がしている、対戦相手のアナライジングをできるアナライジングスタッフを設けることを目標としている。 ここでいうスカウトとは、有望な選手を引っ張ってくることではなく、対戦相手となるチームの試合をビデオで撮影し、分析することだ。
    厳密に言うと、現段階ではアナライジングは選手が行っているが、将来的にはアナライジングを行うスタッフを設けたいと考えている。

    スカウトはアメフトの命と言っても過言ではない。相手のベース体型は何か、こちらがこの体型をした時にどんな対応をしてくるのか、事前に知って、周到な準備をしてこそ試合ができる。アメフトの中心部分は10人以上の選手が密集していてグラウンドレベルの目線だと誰がどう動いているのか確認しにくい。岡大のふだんの練習では4階分の足場を組み立て、スタッフがその上から撮影し動きを確認しやすくしている。岡大のグラウンドの横に、鉄骨で組んだ櫓があるのにお気づきだろう。
     
    トレーナーはテーピング、けが人の処置、リハビリメニューの作成、リハビリメンバーのサポート、筋トレの管理、トレーニングのメニュー決めなどをしている。上回生になるとテーピングの質もスピードも向上する。体の一部にでも不安な部分を抱えていると集中して全力のプレーができないと、信頼できるトレーナーのテーピングをしていると、安心してプレーに集中できる。
    スタッフは練習開始45分前に集合し、ライン引きや水汲みなど選手が練習できる環境作りを行い、全体練習後もアイシングなど選手のケアをしてくれる。感謝している。


    ※   ※   ※
     
    さて、冬からの筋トレと食トレでデカくしてきた体を練習で意のままに動かせるように訓練し、合宿を乗り越えBADGERSは秋シーズンに向けて戦闘態勢に入った。
    同じ米を食うどころか、同じ米を吐いた仲間どうしが、いよいよ2部を目指して戦い始める。

     
    (つづく 4月21日(木)ごろ第3部最終回掲載)



     
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