猫ギターの教育論

尾道市向島の塾「US塾」塾長のブログ 早稲田大学・開成高校出身 本音が飛び交う、少し「上から目線」の教育論
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西きょうじ『英文読解入門 基本はここだ!』
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    高1で気づいた人は多いだろうが、高校の英文は難しく、中学の英文みたいに単語がわかれば読めるわけではない。構文が複雑に絡み合っている。この違和感が続けば、たちまち英語嫌いになり、修復不可能になる。

    筋トレで初心者は軽いベンチプレスから始めるように、英文解釈最初の一冊は、文章が簡単で短いものを選ぼう。初期段階で長文は長い。
    高校生、英文解釈最初の一冊は、西きょうじ『英文読解入門 基本はここだ!』以外に考えられない。
     
    初心者に嫌われる本は、
    1. 文章が長い
    2. 単語が難しい
    3. 解説がわかりにくい
    の3つの欠点があるが、この参考書は3点のどれにも当てはまらない。短くても、高校生を悩ませる短文の説明が、1ページ、ときには2ページ費やして懇切丁寧になされている。
     
    例文は
    She worked slowly wither eyes fixed on the room.
    That he believes her is certain.
    The older he grew, the poorer her memory became.
    というレベルである。
     
    ふつうの初心者向け英文解釈の参考書は、例文の難しさより単語の難しさに抵抗を感じてギブアップしやすいが、この本は基本的に中学単語しか使用していないので、構文の解釈だけに集中できる。
     
    またこの本は、比較の分野に多くのページが割かれている。比較は数学の不等号みたいに論理思考が必要で、文系の人間が嫌う分野だ。
    たとえば「I couldn’t care less.」という文を、初心者は「気にしている」と訳すのか「気にしていない」なのか頭が混乱する。この本は比較表現が引き起こしやすい頭の混乱をスッキリ整理してくれる。
     
    さらに、英文を難しくする四本柱。同格・挿入・倒置・省略の説明が詳しい。この4つは英文を読むときに受験生を迷わす大変化球である。『英文読解入門 基本はここだ!』で変化球打ちの極意を学べば、どんなにアドバンテージになるか。
     
    西きょうじの代表作『ポレポレ』や、最新作『英文法の核』にも共通することだが、西きょうじの文体はスッキリして読みやすい。頭が混乱して錯乱状態になる箇所を理解するには、情緒的な文体より、無駄のない骨のような文体の方が良い。
    魚をさばくには、素手より鋭利なナイフである。
    西きょうじの無機質なマニュアル一歩手前の硬質な、でもどこかに熱と怒りを秘めている文体が、『ポレポレ』や『英文読解入門 基本はここだ!』が支持を集める一つの原因だと思う。
     
    ところで西きょうじは東進の先生で、スピッツの草野マサムネに似ている草食系の要望を持つ人だ。悪魔のような毒舌家であるが、笑顔ですべてが許される羨ましい天性を持つ人だ。
    そして、難しいことをわかりやすく説明することに偏執狂のようい心を砕いている人だ。それは受験生に「わからない」と苦手意識を持たせないための良心なのだ。
    同時に受験生に対しても、難しいことに積極的に「かかってきなさい」と、あえて高い敷居を設けるのも躊躇しない。
     
    『英文読解入門 基本はここだ!』は、一人でも多くの受験生に英語を理解させ、高みを極めさせたいという執念と、勉強でブレイクするためには俺の執念を受け継げ、狭き門を自分でこじ開けろという、倒錯してはいるが極めて高度なやさしさにあふれている。
     
    この本は高2高3でも浪人生でも、英文を読んでいてイライラする人は、絶対に読んでほしい。
    土台を食い散らかされた建造物に、もういちど基礎工事を施すには最適の書だ。、
    大ベテランの怖い顔した西先生に、プールでビート板を使って英語構文の解き方を教えてもらえる本である。4〜5回反復したら、満面の笑顔で迎えてもらえるだろう。
     
     

     
    | 大学受験学参ソムリエ | 18:32 | - | - | ↑PAGE TOP