猫ギターの教育論

尾道市向島の塾「US塾」塾長のブログ 早稲田大学・開成高校出身 本音が飛び交う、少し「上から目線」の教育論
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他の受験生の「赤本」が気になる
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    私は受験生時代、図書館や自習室の雰囲気が駄目だった。受験生が醸し出す静寂感に恐怖を感じた。家で勉強する方が性に合っていた。

    大きな図書館や自習室だと、人数の多さが私を圧迫した。
    100人ぐらいの受験生が一斉に勉強しているピリピリした冷厳な熱気と、カリカリ筆記用具の音だけが立ち込める静粛な空気と、若い体臭がムンムン立ち込める部屋は、私のような神経が細い人間には耐えかねた。

    また、図書館や自習室に行くと、同年代の受験生が、参考書や問題集はどんなのを使っているのか非常に気になる。
    他の受験生が自分よりレベルの高い問題集を解いていたら「負けた!」と胃がズキズキするし、逆に基礎レベルの問題集をやっていたら「勝ったね、オレ!」と間違った優越感に浸ってしまう。

    ある時『英文問題標準精講』を使っている受験生がいた。この本は「原の英標」といって四半世紀以上前からあり、旺文社を大出版社にしたベストセラーだが、フィッツジェラルドの「グレート・ギャッピー」など格調高い文学作品が多く掲載され、難易度が高いのと現在の大学入試問題の傾向に即してないのとで使う人が少ない本だ。私が受験生時代でも「古臭くて難しい」というイメージがあった。

    この受験生は、英語力があるから『英文問題標準精講』をやってるのか、それとも書店に平積みになっているから偶然買ってやってるのか。前者だったら嫌だなと思いを巡らせた。名匠の名刀を持つこの男は、剣の達人なのか素人なのか。顔を見ると賢そうにもそうでないようにも見える。ピリピリした受験生時代は、同年代の受験生の顔つきまで気になるのだ。

    あと、同じ問題集を使っている受験生を見ると、まるで同じユニクロの服を着た人間に、街でばったり出くわしたような感じで非常に気まずい。その同じ問題集が、自分のよりボロボロで使い込まれていたら居ても立ってもいられない。激しい闘争心がわく。

    とにかく図書館や自習室は、ライバル(こっちが勝手に思っているだけだけど)が気になって勉強が手につかなかった。

    特に自習室で一番気になるのが「赤本」である。周囲の受験生がやっている赤本の大学名は無性に気になる。
    「こいつ、どこの大学受けるんだろ?」
    隣の受験生が「東京大学(理系)」などという赤本をやっていたら、吐き気すら覚える。

    赤本の表紙と背表紙には、大きな大きな字で大学名が書いてある。
    赤本は真っ赤で強烈に目立つし、そこに「××大学」と大学名が必要以上にでっかく、ゴシック体太字で表紙と背表紙の2箇所に黒々と書かれている。
    赤本のデザインは、自分の志望大学を隠せない悪魔的なデザインだ。あんなに派手な自己主張の強い本はない。「俺は××大学を受ける人間だ!」と、満天下に誇示しているようである。

    また「赤本」に限らず、駿台の「青本」は難関大学しか出版していないので、大学名が見えなくても「青本」を持っている時点で「おぬし、できるな」と刺激を受けてしまう。

    今でも図書館や本屋の赤本コーナーに行くと、受験生が赤本を手にしていると「ちらっ」と見て、「こいつ、どこの大学受けるんだろう」と、受験生時代のなごりと職業病で探ってしまう癖がついている。


     
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