猫ギターの教育論

尾道市向島の塾「US塾」塾長のブログ 早稲田大学・開成高校出身 本音が飛び交う、少し「上から目線」の教育論
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中学校の職場体験は過激に
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    地元の駅へ電車に乗りに行ったら、いつもなら改札口の駅員は年配の方が多いのに、その日に限って駅員が若い。駅の雰囲気が違う。
    駅員たちは若いうえに初々しい。童顔というか紅顔というか、駅員の制服が板についていない。

    しかも改札口に立っている若い駅員のうちの1人は、どこかで見た顔だ。誰だ?
    よく見ると、うちの塾生、中2のM君だった。意外なところで会ってビックリした。

    M君は学校の職場体験で、駅員をやっていたのだ。私が無言で笑いかけると、M君も照れて笑顔を返した。M君は韓流スターのような清潔感のあるイケメンなので、制服姿がよく似合った。

    着始めの制服は、人間を初々しく見せる。黄色いランドセルを背負った小学1年生、真新しく身体にフィットしていないブカブカの学ランかセーラー服かブレザーを着た中学1年生、私服で学校に通うのが初体験の大学1年生、安物だが清潔感あるスーツに身を包んだ新入社員、看護着を身に付けた少女のような看護婦さん・・・

    逆に、デカイ身体でランドセル背負った小学6年生、学ランの尻の部分がテカった高校3年生、薄ひげを生やした大学4年生はオッサンくさい。

    江戸時代以前の日本では、子どもは労働力だった。みんな働いていた。江戸時代の子どもは、武士階級はともかく、農民も商人も工人も、みな6歳7歳から貴重な労働力の一員だった。
    しかし、明治になって学校ができて、子どもは10歳〜11歳になるまで働かなくていいことになった。その後、義務教育の年齢はどんどん上がり、働き始めなければならない年齢は上がっていった。
    毎日が職場の渦中にいる江戸時代の子どもから見れば、職場体験などというものは、到底理解できないだろう。毎日が死活に関わる職場体験だからだ。

    ところで、職場体験には、広島菜を漬ける仕事、スーパーのレジ、観光客へのビラ配りなど、いろんな種類の仕事がある。職場体験の感想を聞くと、みな結構楽しそうである。
    ただ、どうせ職場体験をやるなら、もっと刺激的な体験を子どもにして欲しい。職業の良い面だけでなく、同時に悪い面とか、仕事の苦しみを経験すべきだ。

     

    スーパー銭湯の職員はどうだろうか?

    刺青を入れた客が来る。店長から追い出し係を命じられる。
    風呂で気持ちよさそうに湯を浴びている刺青客に、

    「刺青のお客様はご遠慮いただいています」

    「なんな、このガキは、わしが出にゃあいかんのか」

    「他のお客様の迷惑になっておりますので」

    「迷惑ゆうて、わしゃあ大人しゅう風呂入ってるだけじゃが。なんなあこのクソガキ」

    「規則です。直ちに出て下さい」

    と、堂々と言えるだろうか?

    学校の先生もいい。
    言う事聞かないガキ相手に授業をし、テストを作り採点し、部活の顧問になって夜遅くまで残業し、親からのクレームを受け、不登校の子の家を訪問し、組合活動の人間関係で揉まれ・・・・・子供は教師の苦労の一端が理解できるだろう。

    飛びきり責任の重い、緊急性の高い仕事を、中学生にいきなり任せるのもいい。
    たとえば寿司屋。職場体験に行ったら、親方がいきなりどこかへ消えてしまう。
    カウンターには口うるさそうなオッサンの客が10人くらい、「早く握ってくれ」とばかりに、エサを待つツバメの雛のように待っている。ネタ箱には、鯵とかサヨリとかイカとか赤貝が、さばかれもせず海から引き上げたままの姿で丸ままドスンと置いてある。さばき方がわからない。どうしよう。中学生は途方にくれる。

    パイロットはどうか? 機長と副機長はパラシュートで機外へ逃げ出し、乗客500名の運命が一手に任される。うまく着陸しなければ乗客の命も自分の命も失われる。操縦桿を持つ手が震える。

    救急病棟はもっと大変だ。緊迫性が異様に高い。
    中学生は突如、交通事故で瀕死の患者の執刀医を任せられ、薬品と内臓の匂いが漂う戦場みたいな手術室でメスを握らされ、横では「私の夫を助けてください、お願いします」と患者の奥さんが狂乱し、「脈拍落ちています」と看護婦が金切り声を出し、心臓を手づかみにしながらマッサージをし・・・・修羅場だ。

    職場体験でとんでもない重責を負わされたら、中学生の職業観・人生観は変わるだろう。
    以上の例は超極端だが、学力と知識と経験がないと、仕事ができないという厳然たる事実を、是非職場体験で子供に知ってもらいたい。ふだんの勉強の大切さも、わかろうというものだ。




     

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