猫ギターの教育論

尾道市向島の塾「US塾」塾長のブログ 早稲田大学・開成高校出身 本音が飛び交う、少し「上から目線」の教育論
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伊藤和夫『英文解釈教室』VS西きょうじ『ポレポレ』
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    伊藤和夫『英文解釈教室』VS西きょうじ『ポレポレ』

    =『受かるのはどっち?』英文解釈本2強対決〜

     

    博士

    伊藤和夫『英文解釈教室』で英文がクリア

    伊藤和夫先生は故人ですが、駿台予備学校の英語科主任で、数々の名著を生み出し、現在英語教育界の「キングカズ」と呼ばれています。

    『英文解釈教室』は伊藤和夫先生の代表作です。

    ある日、僕の高校の英語の先生が「私は高校時代、英語読解の参考書は『英文解釈教室』しかやらなかったよ」とおっしゃっていました。「あれは凄い本だ。英文がクリアに読めた」と大絶賛されていました。でも先生は加えて「挫折する人も多い。古臭くて化石扱いする人もいる。だから勧めはしない」とも仰っていました。

    僕はそれを聞いて逆に「僕にできないことはない」と飛びつきました。読み進めると「この本はモノが違う」と鼻筋がゾクゾクしました。英文で難しいのは、倒置・挿入・省略・同格ですが、そんな受験生が嫌がる難所を、体系的に豊富な例文を通して説明しています

    『英文解釈教室』は英語の読解法のみならず、アカデミズムの凄みを感じさせてくれました。知的な人だけが持つ圧倒的な存在感があります。『英文解釈教室』は英文読解本の最高傑作です。

     

    女王

    西きょうじ『ポレポレ』『英文読解入門』を反復

    私は高まで勉強してなくて、スパルタ塾に通い始め。スパルタ塾だから分厚い本を何十冊も渡されると思ったら、長渕先生は「これだけでいい」と薄い本をしかくれなかった。それが西きょうじの『英文読解入門 基本はここだ!』と『ポレポレ 英文読解プロセス 50』。薄い本だったから、これなら猛勉強しなくてすむわと安心した記憶がある。

    英語初心者の私は、『英文読解入門』から始めたの。ライトグリーンの優しい色の装丁で、短い簡単な文章が丁寧に説明されていて、十回繰り返したわ。

    それから黄色い表紙の『ポレポレ』に進んだんだけど、これが歯ごたえがあるの。英文読解入門』が軽自動車なら、『ポレポレ』はF1マシンみたいに感じた。『ポレポレ』十数回繰り返した。繰り返せばRPGみたいで楽しくなってくる。難所があってクリアしていくのが快楽になってきた。『ポレポレ』の一番すごいところはね、ほかの英文を読んで「難しいな」と感じたところが、『ポレポレ』で経験済みな箇所なわけ。たいていの難所は『ポレポレ』のおかげで解決できた。

     

    判決

    私の生涯を変えた『英文解釈教室』

    私は進学校の落ちこぼれで、中3から浪人の6月まで勉強をしていなかった。

    だが『英文解釈教室』に出会って英語の偏差値は25も上がった。高校時代、英語は苦手だったが現代文は得意だった、そんな私に『英文解釈教室』の理屈っぽさは性に合った。

    この本は結果だけ書くのではなく、思考の途中経過を丁寧にたどる。伊藤和夫は近寄りがたそうに見えるが、実は受験生に寄り添う、「過保護」と言っていいほど懇切丁寧な講師である。

    伊藤和夫が構築した英文読解の論理体系にはまり、脳内に英文解釈装置が設置される。私はこの分厚い本を全部和訳し、それを7回繰り返した。結果、大学受験レベルの英文なら、構文を気にせず無意識に読めるようになった。

    伊藤和夫の教え方をライトにしたのが『ビジュアル英文解釈』。こちらは伊藤和夫と生徒たちの対話形式の本で、理解しやすい。

     

    『ポレポレ』の簡潔な説明は引き算の美学

    『ポレポレ』はRPGに似ている。英語を読解する時、受験生がぶつかる壁を、50の英文の中に巧みに組み込んでいて、壁の越え方を教える。『ポレポレ』を反復した数だけ、剣武器が身体の一部になり、最終的には英文が無意識に読めるレベルまで到達する。

    説明は簡潔明快。素っ気ないが必要十分。説明を削ることに心血を注ぐ。松尾芭蕉の『奥の細道』は日本一有名な旅行記だが、無駄な文章をそぎ落とした薄い本で、『ポレポレ』と『奥の細道』には「引き算の美学」がある。

    『英文解釈教室』は素晴らしい本だが、挫折率が高い。『ポレポレ』は129ページなのに対して『英文解釈教室』は314ページ。厚い本を1冊やるより、薄い本を反復した方が効果的なのは明らかだ。うちの塾生にも『英文解釈教室』は怖くて勧められないが、『ポレポレ』なら安心して勧められる。

    『英文解釈教室』も『ポレポレ』も、構成が斬新だ。既存の参考書に対する批判や怒りを感じる。参考書は人二番煎じの本が多いが、この2冊は違う。執筆する段階で、構成に頭を悩まし、例文の選択に手こずったのがわかる。知恵と労力が凡百の本とは比較にならないほどかけられた作品で、新しいものを世に問おうという健全な野心が伝わる。

    伊藤和夫や西きょうじが創造的偉業を成し遂げたのも、「受験生に英文を読む力を与えたい」という執念である。伊藤も西もクールに見えて、著作には桁外れの情がある。

    強い本でなければ強い学力はつかない。『英文解釈教室』も『ポレポレ』も反復に耐える強い本だ。

     

    判決 女王 伊藤和夫『英文解釈教室』は厚すぎる。本は薄いが内容が濃い『ポレポレ』をひたすら繰り返せ

     

     

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