猫ギターの教育論

尾道市向島の塾「US塾」塾長のブログ 早稲田大学・開成高校出身 本音が飛び交う、少し「上から目線」の教育論
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カープ優勝。MVPは誰か?
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    カープが25年ぶりに優勝する。MVPはいったい誰だろうか。

    今季こそ飛びぬけた成績は記録していないので、記者投票のMVPには選ばれないだろうが、カープ優勝の最大の功労者は、黒田である。

    黒田はカープをいったん離れて、メジャーで経験を積み勝つ意識を身体で浴び、選手に強い影響を与えている。カープに対する主観的な情愛と、外部から冷静にカープを眺める客観的な視点を合わせた、内部であり外部である稀有な存在である、黒田こそがカープを変えた。

     

    また、黒田復帰はファンのカープ愛を強めた。

    カープファンはFA制度以降、現役で活躍中の選手に対し、心のどこかで「こいつはFAで巨人や阪神に行くんだろうな」と冷めた目で見ていた。応援しすぎて裏切られるのが怖かった。広島市民球場末期には、江藤や金本のようにチームを去っていくのかとファンは疑心暗鬼になっていた。

    だがメジャーでの20億円のオファーを蹴った黒田の復帰によって、選手もファンと同じようにカープを愛していることがわかった。裏切りを怖がらずに、思う存分カープを応援できる。そんな、かつて津田に感情移入したような熱烈な選手愛を呼び戻してくれたのが黒田だった。

     

    そして新井。新井は前回のカープ時代と阪神時代を通して、勝負弱いバッターだというイメージがあった。変化球が打てず、負け試合での焼け石に水のホームランと、ダメ押しホームランなど、どうでもいい場面で打点を稼ぐ印象があった。

    ところが復帰後の「新井さん」は勝負強いバッターに変身していた。

    新井が復帰する時、私は代打要員だと考えていた。年齢も40近いし、試合に出れなくても練習姿勢で若手を覚醒していく役割を求められていたと思ったら、何と試合にバリバリ出て2年目の今年は打点王を狙える活躍である。これには驚いた。MVP候補の一人である。

    新井が阪神に行った時、正直私は「地獄に堕ちろ」と思った。こんなことになるなんて夢のようだ。

     

    鈴木誠也は一瞬でスターになった。

    「ミスター赤ヘル」の称号は山本浩二以来空席のままだが、鈴木誠也がこのまま伸びれば2~3年後は4番に座り「新ミスター赤ヘル」と呼ばれるだろう。

    彼の凄いところは、ソフトバンクの内川とオフに自主トレしたことだ。内川はプロ野球きっての右打者であり、常勝ソフトバンクの4番である。トップ選手の懐に飛び込み、教えを請いながらともに寝食を共にする行動力は素晴らしい。

    また内川も鈴木に可愛気と将来性を感じなければ、共に行動したりはしないはずである。内川も鈴木から刺激を受けられると判断したからこそ、懐に快く飛び込ませたわけだ。

     

    キャッチャーの石原の存在感は大きい。カープ打線の中で、1割台の石原の打率は異彩を放つ(最近は2割台に乗ったが)。

    40近い年齢で、肩もさほど強くないのに正捕手の座を守り続ける。バッティングのいい若手の會沢が台頭し、ふつうならレギュラーの座を譲るのが自然な成り行きだが、石原は老獪にマウンドを死守する。

    経験に裏打ちされたリードと、確実性のあるキャッチングには定評があり、ジョンソンからも「できれば彼に受けてもらいたい」と言われ投手陣からの評価も高い。野村復活も石原の功績が大きい。

    石原が頭に死球を受け登録抹消された8月には、巨人に4.5ゲーム差まで追い上げられ、石原の存在をファンも再認識した。

    阪神は現在、若手捕手の試用期間中で、金本監督は「捨てシーズン」と言っていいぐらい勝負を度外視し若手を育てている気がするが、もし阪神の捕手が石原だったら、藤浪晋太郎もあれだけ苦労することはないのにと思う。

    石原は渋いオッサンで、お父さん的なルックスだが、球場や街では石原の31番のユニフォームを着たカープ女子を結構目にする。菊池や大瀬良のユニフォームを着た人たちを尻目に「私はアナタ達とは違うのよ」という意気を感じる。

     

    地味ながら活躍が目覚ましいのは安部である。

    安部は堂林と3塁の激しいレギュラー争いをして、現在のところ勝っている。以前、堂林は野村謙二郎監督から「贔屓」され不振でも3塁のポジションから外されなかった。野村監督の現役時代の背番号7ももらった。

    またカープファンは堂林が大好きで、罵声でも堂林に対する期待と愛情が入り混じる。マスコミからも数多く取り上げられ、ルックス面でも神様に愛されている。

    カープファンは堂林が登場してから、彼が将来主力バッターになり、カープを優勝に導くという将来のストーリーを無意識に作りあげた。堂林にはスターのオーラがあった。安部はそんなストーリーやオーラに屈することなく、堂林の成長物語をぶち壊した。

    安部のライバルは堂林だけではない。内野はどこでもこなす安部は当初2塁だったが、セカンドの座はあの菊池に奪われた。ショートは田中広輔がポジションを手にした。おまけに今期は3塁にルナが加入した。こういう状況下でレギュラーに近づいた安部の精神力はただ事ではない。

     

    私が個人的に推すMVPは、菊池涼介である。

    かつて中日のアライバコンビはうらやましかった。

    2000年代の落合中日全盛時代、ショート井端・セカンド荒木の「アライバ」コンビは、センター前に抜ける当たりを軽々と捕球した。バットコントロールが誰よりもうまい落合監督の猛ノックを受け、2人の守備力には磨きがかかった。中日にカープは勝てなかった。

    だが、菊池はカープファンの守備に対する欲求不満を綺麗に解消してくれた。菊池の登場がセンターラインに柱を作り、守りの時間も楽しんで見れるようになった。

     

    当たり前の話で恐縮だが、野球は攻撃の時間は点が取れ、守っている時間は点が取れない。どうしても攻撃時間の方が盛り上がってしまう。

    だが最近のカープは、守備の時間も菊池の存在によって楽しめる。守備位置一つにしても菊池は魅せる。ふつうの二塁手ではあり得ないような深い守りにファンの期待は膨らむ。菊池は攻撃時間も守備時間も、二重にファンを楽しませてくれる。

    長嶋茂雄があれだけ人気があったのは、勝負強いバッティングだけでなく、あざといぐらいの華麗な守備にあった。菊池は長嶋茂雄に存在が似てなくもない。サーカスや雑技団の公演を見るようなエンターテイメント性が、菊池の守備にはあるのだ。

    菊池はヒットを打つだけでなく、敵のヒットを何本もアウトにする。野球の魅力を投手と捕手の往復運動でだけでなく、フィールド全体に広げた。『フィールド・オブ・ドリームズ』に出てくるような、天然芝の魅力的な球場マツダスタジアムの、まさに申し子である。

    MVPは菊池が最有力候補である。

     

     

    | 野球スポーツ | 19:16 | - | - | ↑PAGE TOP