猫ギターの教育論

尾道市向島の塾「US塾」塾長のブログ 早稲田大学・開成高校出身 本音が飛び交う、少し「上から目線」の教育論
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中1から入塾する利点とは
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    ■中1は素直で「洗脳」しやすい

     

    1月から3月にかけての学習塾チラシでは、中1からの入塾を熱心にすすめている。だが、中学校の入学準備で忙しいのに、塾は後回しという家庭は多い。

    だが、塾側の立場から言えば、中1から入塾すれば、塾も保護者も生徒も、三者がWin-Winの関係になると断言できる。

     

    学習塾が中1からの入塾にこだわるのは、もちろん経営面もある。多くの塾は中1・中2・中3と、受験が差し迫るほど人数が多くなる。中1から定員が埋まり、3年間在籍してくれれば経営が楽になるのは確かだ。

    都会の大手塾の中には、中学受験経験者の中1の授業料を無料にする塾もある。これは中学受験をした優秀な中学生を囲い込むためだ。

     

    だが、良心的な塾が中1入塾にこだわるのは、決して金銭の問題ではない。

    正直言って、中1から教える方が、中2・中3から通い始める子より、はるかに教えやすいからだ。悪い言葉かもしれないが、中1からの方が勉強の世界に「洗脳」しやすい。

    塾に通い始めた子に、まず教えなければならないのは勉強法だ。だが中2・中3は我流の勉強法に走っている子が多く、一部の優秀な子以外は、その我流の勉強法は悪習慣以外の何物でもない。

    単語を書いて暗記しない、計算は雑で字が小さい、学校の提出物は解答を写す。こういう悪しき勉強法に染まっていると、矯正するのに苦労する。

    たとえば、塾の講師は和食の料理人とするなら、料理人は味がしみこみやすい新鮮な素材を好む。中1は朝堀りの柔らかいたけのこ、中2・中3は固くなった青竹。個人差はあるが、中2・中3に出汁をしみこませるのは骨が折れる。特に14歳の中2は反抗期か無気力で難しい年頃なのだ。中2・中3からの勉強開始は双方にとって一種の葛藤なのである。

    その葛藤が嫌だから、塾側としては中1の最初から入塾してほしいのが本音なのだ。

     

    途中入塾の生徒で一番苦労するのは、授業を聴く姿勢だ。勉強が苦手な子は総じて講師の話を聞けない。これまで学校で授業を聞いていなかったから、勉強が苦手なのである。

    ベテランの塾講師になれば、授業態度を見ればその子の成績を80%くらいの確率で当てられる。

    定期試験の点数で、英数国理社の5教科500点満点のうち、中2で350点、中3で400点を超えてないと、広島県の公立進学校合格は難しい、またこれ以下の点数を取る子は、決まって授業を聴く習慣ができていない。

    授業はオーケストラのようなもので、講師は指揮者だ。水準以下の点数しか取れない子は、異音を発する。よそ見をするとか授業中に話すとか、そういうわかりやすい兆候だけではない。ただ真面目ぶって黙っていても、聞いてない子は見抜けるものなのだ。

    また、教室で何か物音がしたとき、集中力が真っ先に切れるのは勉強が苦手な子である。成績上位者は物音がしようが爆音が鳴ろうが見向きもしない。

    通塾開始が早ければ早いほど聞く姿勢が身につく。繰り返すが中1からの入塾は、保護者と子供と塾講師の三者が、Win-Winの関係になれる。

     

    ■中1の内申点が最後まで響く現実

     

    中1からの入塾が好ましい理由は、高校の内申点にもある。

    広島県では公立高校の合否判断の比率は、中3・3月の学力試験と、内申点の比率がほぼ半々である。

    内申点は定期試験と授業態度や提出物の総合的判断で決まる。授業態度や提出物の比率は想像以上に大きい。

    恐ろしいのは、中1・中2・中3の点数が、同じ比率で判断されることだ。中1より中3の成績が重いわけではない。だから、中1で勉強つまずけば後々まで響き、中3でやる気になって塾に通い始め挽回しても追いつかない。

    中3で部活終了後に、一念発起して勉強に対してやる気になった子が、中1のひどい内申点で不合格になり涙した悲劇がどれだけあっただろうか。内申点が悪いと、本番の試験に重さ20圓留瑤鮨搬里亡き付けて出場するようなものだ。

    病気にたとえれば、中3で酷い内申点の子が来ると、ステージ4のガン患者を診察する医者のような気分になる、どうしてもっと早く来てくれなかったのかと。

     

    あと、内申点はなかなか上がらない。上がらない理由に「イメージ」の問題がある。

    中1の初期に「この子は不真面目」と判断されてしまうと、3年間悪いイメージが付きまとう。

    特に実技教科は、テストの点数以上に、性格的印象で判断される。しかも広島県の場合、音楽・技術家庭・保健体育・美術は内申点が2倍になり、英数国理社の主要教科より影響が大きい。そして、中1の最初の段階で悪い印象を持たれると、内申点は上がらないのが現実だ。悪いイメージがこびりつくのだ。

    逆に印象が良い子は、内申点で優遇される。たとえば中1に正田美智子さんと吉永小百合さん(いずれも仮名)という、品格が高そうな真面目な女子がいる。ノートも丁寧で発言も思慮深く、気品があり、申し分のない生活態度である。美智子さんと小百合さんなら、どの教科の先生も内申は最高点をつけるだろう。彼女たちが万が一テストの点数で時に悪い点を取っても、最高点5点の座は不動のままだ。

     

    同じく中1の、生活態度の良くない千鳥の大悟くん(仮名)という男の子がいる。遅刻の常習犯で、提出物は出さない。授業中に大声出して、授業を荒らし先生やクラスメイトを笑わせ荒らす。面白い子なのだが先生の評判は悪く、内申点は最悪である。

    中2中3になるにつれ、大悟くんの人の良さが伝わり、遅刻や授業荒らしが収まったとしても、最初のイメージが強烈で内申点はなかなか上がらない。当然、相対評価において、くせがすごい大悟くんは、イメージ最高の正田さんと吉永さんの牙城を崩せない。

    大悟くんのキャラは内申点向きではない。第一印象が悪すぎる。そして真面目になっても、第一印象を引きずるのが、中学校の内申点の世界である。

     

    とにかく中学入学後の初対面から、遅くとも中1の1学期の中間試験で、真面目アピールをしておかないと3年間響くのである。「人は見た目が9割」というが、「内申点は中1の1学期が9割」なのである。

    だから中1の4月の段階で、試験勉強の方法、学校の先生に対する振る舞い方、礼儀作法を塾で教え込んでおかねばならない。小学校受験で面接官に対する振る舞いを教える、就学前の子供が通う「お受験塾」と似たようなことを、中1の初期段階でしておく必要がある。大悟くんのように野生のまま、中学デビューするのは危険極まりない。

     

    ■隠れた才能は中1からの入塾で花開く

     

    そして、地方には勉強の才能があるのに、なぜか中学受験はしなかった、天然の才能が眠っている。

    都会だと難関中学を受験する才能がある子が、手つかずのまま天然で中1から入塾してくるのである。

    性格は素直で講師の話を聞く力があり、記憶力理解力も抜群。中学受験で汚れてない分、無垢で教えやすい。都会では金鉱は掘りつくされているが、地方では金塊が岩肌に露出している。

    こういう子をお預かりした時「私はこの子を育てることができるのか!」と有頂天になる。この素直な物体をどう鍛えようか、頭の中がアイディアでいっぱいになる。

    そして、もしこういう才能がある子が、中学でも塾に通わず、勉強の才能が眠ったままだったらどれだけ惜しいかもったいないか、心胆が震え上がる。

     

    また、中学受験失敗した子も、中1から塾に通い捲土重来してほしい。不合格になっても、中学受験で学んだ教養は役に立つ。

    たとえば、中学受験していなかった子が中学で数学の速さや割合でつまずくところ、彼らは簡単に解いてしまう。中学受験経験が肥料になって、学力を豊かにする。

    中学受験に合格した子は、大学受験まで6年間受験がない。遊んで成績が奈落の底に落ちる子もいる。

    逆に不合格だった子は、不合格だったことで「大人」になる。中学受験不合格は精神年齢を上げる。「失敗は成功のもと」という、ありきたりだが深い英知を秘めた教訓を、中学受験に失敗した子は傷とともに得る。

    中学3年間、臥薪嘗胆の気概を心に秘め、リベンジに燃え勉強頑張れば、中学受験で自分を不合格にした難関高校に合格することもできる。中学受験で成功した子を学力性格両面で追い抜く可能性が高い。

     

    さらに、小学校まで勉強が苦手だった子にこそぜひ、中学1年生から入塾してほしい。

    小学生時代は、勉強面が地味でパッとしなくても、性格が素直で根性を秘めてる子が、3年後には難関高校に合格し、ヒーローヒロインになることができるし、そんなサクセスストーリーを演出するのが塾だ。

    地味で真面目な子は、学校では脇役かもしれないが、塾では主役である。真面目で素直というのは、分別ある大人の目から見れば、ものすごく目立つ。神々しいくらいに。だから真面目な子は塾の先生から強く肯定され、誉め言葉のシャワーを浴び、黙っていても塾で自己顕示欲を満たせる。

    最初は成績がイマイチ伸びなくても、最初の3か月は正直我慢が必要だが、厳しい時をこらえて3年間修業を積めば、結果は出る。

     

    うちの塾に、小6のはじめに入塾したヨシタカ君は、最初勉強が苦手で、お母さんが「この子勉強ができないんです」と匙を投げた感じで話していらっしゃった。

    様子を見ると、入塾してから1か月のあいだ、百ます計算をストップウォッチで時間を計っても、なんと途中で眠ってしまう。緊迫感が演出される百ます計算で眠るとは、かなりの強者である

    だが性格がおとなしく素直で、最初は厳しく叱ったが、懲りずに塾に休まず来るうち、見違えるようになった。ヨシタカ君はギブアップしなかった。

    中1後半の今では定期試験5教科400点を超え、英語では95点以上とコンスタントに高い点数を取っている。

     

    英語という科目は地味で真面目な子が伸びる科目である。小学校時代成績がパッとしなくても、中学生になると真面目な子には最重要科目の英語が味方につく。英語は努力を裏切らない科目だ。中学での勉強革命は英語がおこす。

    塾に通わず英語を系統立てて習わなければ、勉強が苦手なままで人生をすごす危険性があったのだ。英語は子供を「変身」させる。

     

    中1・1学期からの入塾は、子供の人生を劇的に変える。

     

     

     

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