猫ギターの教育論

尾道市向島の塾「US塾」塾長のブログ 早稲田大学・開成高校出身 本音が飛び交う、少し「上から目線」の教育論
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勉強嫌いのチップ
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    私が大手塾にいた最後の2年間、塾で一番勉強ができる子が集まる、附属福山中学・高校を目標とするコースの担任を一手に引き受けていた。中学受験・高校受験の進学実績は、極論すれば27歳の私の肩にかかっていた。

    私は鬼のように指導した。「気迫」ではなく「鬼迫」で勝負した。5分に1回は罵声を発していた。頭にあるのは進学実績。合格者の数。仕事のできる先生と呼ばれたい虚栄心。政党の党首が議席数を欲しがるように、1人でも多くの合格者数をGETしたかった。絵に描いたような「スパルタ進学塾」の講師だった。

    私は規模の小さい尾道校の講師で、マンモス的規模の福山校に物凄いライバル心を燃やしていた。生徒数は尾道校の3倍。でも附属福山高校・中学の合格数では絶対に負けたくなかった。別に報奨金があるわけでもない。動機は自己満足にすぎないのかもしれない。だが、とにかく福山校に勝ちたかった。

    私はまだ27歳。福山校の先生方は40前後のベテラン。初めてアルバイトした20歳の時、研修で福山校の先生にはケチョンケチョンに言われ鍛えられた。
    帰りの電車は屈辱と、それ以上に自分の授業のショボさで顔面蒼白になり、泣きながら帰った。とにかく福山校のベテラン講師には負けたくなかった。返り討ちにしてやりたかった。

    高校受験で厳格な指導をしたことについては、全く後悔していない。少し大手塾時代より丸くはなっているが、今でも中学生にはピリピリ厳しく接している。中学生ぐらいの年頃は、ビシビシ鍛えた方がいい。

    ただ、中学受験は過激にやりすぎた。促成栽培に走った。
    なかなか花が咲かない蕾があれば、咲くのを待つのではなく、私の指で花びらを1枚1枚強引に開いていった。

    合格実績は上がった。でも私がやったことは結局「勉強嫌い」のチップを子供の脳味噌に埋め込むことだったのかもしれない。
    「イキガミ」の国家繁栄予防接種のナノカプセルが破裂して若者の命を奪うように、私が小学生に勉強を押し付けたせいで、「勉強嫌い」チップが中学入学後に炸裂し、向学心も上昇志向も、知的向学心すら奪っていった。

    中学受験は、ある程度「才能」がものをいう。12歳の冬という一瞬の「才能」が試される。12歳の冬の時期は、子供によって精神も頭脳も身体も、どれをとっても成長の差が激しい。

    「才能」が中学校で花開く子もたくさんいる。「才能」が花開く条件は、勉強をエンジョイすることだ。蕾のままで必要以上に厳しく接してはならない。才能の花が開いてからはじめて、ガンガンに鍛え上げればいい。

    私は厳しい講師かもしれないが、厳しくするには相応の「時期」がある。

    本番はあくまで大学受験。近視眼的かつ短絡的な中学受験で子供を潰してはならない。
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