猫ギターの教育論

尾道市向島の塾「US塾」塾長のブログ 早稲田大学・開成高校出身 本音が飛び交う、少し「上から目線」の教育論
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男女の反抗期の決定的な違い
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    親は子供の反抗期に対してどんな気持ちがするのだろう。素直だった子が反抗期になって人格が変わってしまえば、親のショックは結構大きいに違いない。

    反抗期前はニコニコ顔(o^−^o)して学校や塾であったことを事細かに笑顔で話してくれた子が、反抗期になると仏頂面(-_-#)で無口に黙々と飯を食っている。話しかけても「べつに」「ふ〜ん」とかわされて会話が成り立たない。

    あまり干渉しようものなら、10年前までママのおっぱいを可愛くチュパチュパ吸っていたのと同じ口から、「うっせえ」とか「くそババア」という強烈な言葉が飛び出してくる。私が親なら絶対に心が乱れる。

    親や教師は反抗期の子供を見て、これは正常な成長のプロセスだと頭ではわかっていても、反抗期なんかにならないでもっと勉強に力を入れてくれたら成績がグンと伸びるのに、みんな反抗期なんだからアンタだけでも勉強すれば大分違うわよと思うのも無理はない。反抗期は親の目から見たら勉強の妨げになる無駄な時期に思えてしまう。
    特に受験と反抗期が重なると、「あんた反抗期なんかやっている場合じゃないでしょ」と声を荒げたくなってしまうお母さんの気持ちは痛いほどわかる。

    ただ、親の側から見ると子供は「反抗期」「生意気盛り」かもしれないが、逆に子供の側からいえば親は「過干渉期」とか「ヒステリー盛り」に見えるだろう。とにかく子供にしてみれば、暖かく居心地の良かった親の存在が、思春期になると暑苦しくウザいものに変化する。

    残酷な話だが反抗期を境にして、男の子にとって母親は最愛の人ではなくなる。ノンビリした親子愛から刺激的な異性の愛に目覚め、親の存在が脇に追いやられてしまう。もし生涯にわたって親が最愛の人であり続ければ、男の子は母親をさしのいて他の女と結婚はできないし、親は子と別居して介護を他人に任せたり、老人ホームに行く必要はなくなる。
    子は親を忘れるが、逆に親にとって子供は永遠に最愛の存在だからスレ違いが起こる。親はその冷厳たる事実を自分で納得させるのに時間がかかる。親離れより子離れが大変だというのはそういうことなのだろうか。

    私も教師になりたての頃は反抗期の子にどう対処していいかわからず、スズメバチの巣に突撃するみたいに反抗期の子に立ち向かって行ったが、今はもう歳で体力気力のいることはできない。
    また私は今では強面で鳴らしているので、私に対して反抗する素振りを見せる子はいない。反抗がひどくても私の前でだけネコみたいに従順になる子が多い。それはそれで結構さびしいものである。

    反抗期のキツイ男の子は純真で、大人の愛をたっぷり受けて育った可愛げがある子が多い。というのは子供が親に思いっきり反抗できるのは、どんなに反抗しても親の愛は絶対に変わらないという確信があるからである。
    また、男の子の場合疾風怒涛の時期が過ぎたあと、台風一過の青空のように精神的に安定した立派な青年になる。だから男の子の反抗期に関しては、私は36になってやっと静観できるようになった。


    男の子はいい。問題は女の子である。
    女の子は反抗期になったら、「あっち」の世界に入り込んで戻ってこない子が多い。男の子は雨降って地固まるケースが多いが、女の子は一生雨降りみたいになってしまう。反抗期が過ぎても、もう勉強の世界には帰ってこない。

    よく考えたら中学校まで男子と女子の成績はそんなに変わりはしない。高校生になってから男子の成績が急速に伸び、大学受験になると難関大学ほど男所帯になる。女の子の反抗期思春期が、勉強に関してのみ言えば修復不可能なケースがいかに多いか、教師をしていたら実感する。

    特に中学時代真面目で勉強一筋だった女の子に「間違い」は起こりやすい。

    私は塾へフェリーで通っているが、或る日私の席の真正面に化粧の濃い女子高生が座った。その化粧の濃さが尋常ではなかった。仮装大会みたいだった。
    アイシャドウは真っ黒で瞼の上に広く塗られており、目の上にくまができたように見えた。白粉は能面みたいに分厚く、アイシャドウの濃さが強烈なためオタフクというより般若に近い。もちろん唇は口紅で赤く厚く塗られ、昔ジャック=レモンが出ていたアメリカ映画で見たパリの売春婦みたいだ。というか口紅を塗ったカリメロといったほうが近いかもしれない。とにかく化粧の厚さのせいで顔の原型をとどめていない。

    私はその女子高校生に因縁をつけられるのが嫌だから目を伏せ視線を膝の上の文藝春秋に向けた。ところがしばらくするとその厚化粧女が「せんせい〜」と大きな声でわめいた。私はこんな化粧の濃い高校生をどんな馬鹿教師が育てたのか好奇心で一目確認したくて目を上げた。しかし彼女の目は私の方向を向いていた。どうやらその馬鹿教師とは私のことらしい。

    おろおろする私を笑顔で見据えて厚化粧女は「先生、私誰かわかる?」と聞いてきた。私は能面の鑑定士のように化粧の中から過去の教え子の面影を探した。
    そうそう、よく見たら去年卒業した巻畑洋子さんだ。

    巻畑さんは中3まで塾で一番勉強ができた女の子である。中3までは定期試験では常に主要5教科500点満点中480点は取っていたし、1回450点台だったときには悔しくて涙目になったこともある。
    また友人の女の子が踝までしか長さがないスニーカーソックスを履いているのを見て「あの子不良かもしれない」と真顔で言っていた。

    そんな真面目な子が1年たったら昭和40年代の化け物女性歌手を髣髴とさせる厚化粧をしている。しかもよく見れば眉毛が糸みたいに細い。眉毛を細くすると大抵の人間は人相が悪くなる。顔がわからなかったのはどうやら厚化粧より細い眉毛によるところが大きい。

    私は「おう、巻畑か」と言うと、巻畑は「そう、よくわかったね。先生、私変わった?」と聞いてきた。
    私は陰では般若とかカリメロとか散々悪口を言う男だが、女性に対して面と向かって「お前化粧が濃い、メチャクチャ変」と言えるほどデリカシーは欠如していないし、またそんな勇気もない。だから私はオドオドしながら、「す、すこし変わったね・・・」と言うに留めておいた。緊張した。

    中学時代に真面目なお勉強娘だった女の子の厚化粧はよくあるケースだ。思い出すだけでも5人は知っている。
    女の子でも小学校高学年ぐらいから炭火のようにじわじわと異性に目覚め、幼少の頃からおませな子と呼ばれてきた子は、年少の頃からファッション雑誌とかを読み慣れていて、高校生になって化粧デビューを果たしても、化粧や服装の趣味の良し悪しがわかっているため、化粧はバランスがよく上手い。

    しかし中学まで勉強一本やりで、入試が終わり安心したのか高校に入って青いガスの炎のように突然ボッと色気づいた子は、中学までは勉強ばかりしていて化粧や服装の趣味の良し悪しがあんまりわかっていないから、ただひたすら歌舞伎役者みたいに化粧を塗りたくり滑稽な顔になってしまう傾向がある。
    家でも勉強机よりも化粧台に座る時間が長くなり、シャープペンをリップスティックに持ち替え、学業成績は底が抜けたように落ち、中学校の成績からは想像もできないような大学へ進学する。

    化粧だけならまだいい。女の子の中には高校生になってから窯変して面変わりしちゃう子もいる。高校1年生・2年生ぐらいが境目だろうか、童臭を残した紅い頬をした清純な少女から、目のキツいヤンキー系の尖った顔に変身するのだ。オタクのアイドルからヤンキーのマドンナへ、中年男女から「こんな子が娘に欲しい」と熱望されそうな優しい雰囲気から、「この娘の親の顔が見てみたい」という醜悪な顔にガラリと変貌する。言葉づかいもまるっきり変わる。

    女の子の反抗期は、ただ事ではないのである。

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