猫ギターの教育論

尾道市向島の塾「US塾」塾長のブログ 早稲田大学・開成高校出身 本音が飛び交う、少し「上から目線」の教育論
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ドラえもん ジャイ子が塾に来たら
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    「剛田ジャイ子」がジャイ子の本名だというのが定説だったが、どうやら「剛田モネ子」が本名らしい。
    ジャイ子は将来漫画家になるので、フランス絵画印象派の巨匠モネにちなんだ名前を、藤子・F・不二雄が連載途中からつけたのだと思う。本名が「剛田ジャイ子」ではまずいと判断したのだろう。

    ジャイ子は途中から名前も変わったが性格も変わった。
    ドラえもん連載開始当初、ジャイ子は意地悪で陰気な少女として描かれていたが、巻が進むにつれ漫画家志望の芸術家肌の少女へとキャラクターが変わっていった。

    今日私が描くジャイ子は、初期の陰気な性格のジャイ子である。

    ジャイアンは塾に通って、ある程度成績が伸びた。するとジャイアンの親はどう考えるか。必然的に妹のジャイ子も塾に入れたいということになる。

    しかし、ジャイ子は暗く陰湿な性格だ。

    ジャイ子は塾内で問題を起こしそうだ。メガトン級の大事件ではなく、ジメジメした問題を、何度も何度も起こす。

    たとえば誰かがジャイ子をからかったら、ジャイ子はその場ではムッと黙っている。ジャイ子は友達を決して殴ったりはしない。言葉で相手を傷つけたりもしない。そんな健康的な攻撃はジャイ子には似合わない。

    ジャイ子は自分がいじめられてから3日後ぐらいに、コンパスの針でからかった子の腕を、「ちょん」と刺したりするのである。

    「ぶすり」ではなく「ちょん」

    ジャイ子は血が滲むか滲まないか、ギリギリの所を見計って針を刺す。ジャイ子はクラスメイトにからかわれた恨みを忘れず溜め込み、心の中で熟成し、相手が忘れた頃になって怒りが小爆発して危害を加えるのだ。

    3日後に「ちょん」 

    また、ジャイ子は無言で友達を「つねる」タイプだ。おとなしい無口な子は、ジャイ子の餌食になる。授業中、ジャイ子の隣に座った子は、腕や太ももに突如としてゴキブリぐらいの大きさの蚊に刺されたような、チクリとした強い痛みを感じる。痛みの方向を振り向くと、ジャイ子は牛のようなドロリ目でにらむ。

    黒い垢がうっすらと溜まった、ジャイ子の伸びた爪が肉に食い込んでいる。痛みとジャイ子の象のようなザラザラした太い指の生暖かさ。ジャイ子の口元には冷笑が浮かんでいる。断続的に、ジャイ子はおとなしい隣の子をつねり続ける。

    ジャイ子の「静かな」問題行動のせいで、塾に悪評が立つだろう。
    ジャイ子のいるクラスは新入生が寄り付かない。

    ジャイ子は授業の聞き方も悪い。講師が全力投球の授業をしても、目は上の空。講師の軽快なギャグで生徒一同が大爆笑しているときも、不感症のようにジャイ子だけは顔色を変えない。
    真面目な講師は、ジャイ子が自分の授業を聞いていなかったり、快心のギャクで笑わなかったりしたことで傷つき、自分を責める。

    またジャイ子は宿題を出して、解答も一緒に配ると答えを写してくる。どの問題もみ〜んなキレイな赤丸がついている。講師が指摘すると、写していませんとしらをきり、頬を憎々しげに膨らませる。

    そして、ジャイ子はお母さんに「塾の勉強わからない」とか「友達がイジメる」とか、さも自分が被害者であるかのように告げ口する。ジャイ子は周りの人間の弱点しか見えない子供である。

    ジャイ子のお母さんが聡明な人だったら、ジャイ子がどんなに人の悪口を言っても、ジャイ子が他人に責任転嫁する悪癖を知っているから黙っているだろう。

    しかし、もしジャイ子のお母さんが、スネ夫のママタイプだったら、これは大変なことになる。塾側とジャイ子のお母さんは常に緊張をはらんだ関係になる。

    娘は塾で陰気で不健康な雰囲気を醸し出し、母親は外から口撃を仕掛ける。

    母親がスネ夫のママ、娘がジャイ子。塾講師のストレスになる最強タッグである。
    | 中学受験 | 23:40 | - | - | ↑PAGE TOP
    ドラえもん ジャイアンが塾に来たら
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      もしもジャイアンが塾にやってきたら・・・
      勉強は明らかにできなさそう。でも性格はいい子だ。鍛え甲斐がある。

      のび太の視点からだとジャイアンの存在は脅威だが、大人から見ればやんちゃな可愛げのある子供にすぎない。将来は親分肌で恰幅のいい大人になるだろう。地方の建設業の社長さんのタイプである。

      ジャイアンは塾に通うようなキャラではない。
      ジャイアンがもし塾に通うなら、その動機は「友達が行っているから」とか、「塾にカラオケ大会やバーベキュー大会やら楽しいイベントが多い」とか、向学心や上昇志向とは程遠いものだろう。

      ただジャイアンが塾に来れば、私はほめまくって、何とかその気にさせ伸ばす。
      ジャイアンの善の部分が、塾講師のほめ言葉を自然に引き出すだろうし、ジャイアンもほめ言葉に乗りやすいタイプである。ジャイアンはおだてて育てると伸びる。

      ジャイアンのお父さんもお母さんも、息子に対して勉強で高望みする気持ちはおそらく持ってはいない。
      「勉強のことはすべて先生にお任せします」というお父さんお母さんからの有難い言葉をうけ、ジャイアンも私も不要なプレッシャーやストレスに悩むことなく勉強に励むことができる。

      ただジャイアンは野生児であるからして、入塾したてのうちは、ジャイアンのとんちんかんな言動で、教室は騒然とするかもしれない。教室を取りまとめる技量のない若い講師なら、ジャイアンに授業を振り回されるかも。

      またジャイアンはいじめっ子なので、「ジャイアンがいるからあの塾はいやだ」と子供の間で悪い噂が立つ可能性もあるし、また塾のカラオケ大会が修羅場になる。開放感のある空き地でジャイアンの歌を聴くのはまだいいが、閉鎖的なカラオケボックスでジャイアンのワンマンショーは厳しい。

      でも基本的にジャイアンはいい子だ。20過ぎてたら地元に残り、「先生、飲みに行きましょうよ」と大人の飲み友達になれそうだ。

      とにかくジャイアンが塾に来たら、クラスのムードメーカーに育て上げてやろう。
      | 中学受験 | 21:12 | - | - | ↑PAGE TOP
      ドラえもん スネ夫が塾に来たら
      0
        おそらくドラえもんに登場する小学生の中で、中学受験をするのはスネ夫と出来杉くんぐらいだ。

        出来杉くんは別に親が尻を叩かなくても、持って生まれた高い学力と家庭環境から必然的に中学受験をする。子供主導の中学受験である。
        お父さんは子供の教育に対して悠然と構え、お母さんはおそらく「ぽわっ」とした柔和な人だろう。

        出来杉くんは、自然な成り行きで難関私立中学受験を射程に入れ、当然のごとく合格する。小4からSAPIXに通って順調に高い成績を維持し、御三家か筑駒か学芸大付属に合格し、中学高校時代には鉄緑会かSEGに通い、東大に合格し、東大在学中にアメリカに留学し・・・順風満帆の青春期を送る。

        しかし、スネ夫は母親主導の中学受験である。親が受験しろといったら、絶対に逆らわない。
        スネ夫の母親は、スネ夫の進学塾での成績しか話題がない、第三者から見たら面白くないブログを、せっせと毎日継続しているかもしれない。

        スネ夫は外面がいい。その外面の良さは学校の先生だけでなく、自分の両親にすら発揮される。外面のいい子は、親には反抗的に振舞うケースが多いのだが、スネ夫のように自分の両親に対してすら愛想のいい子は珍しい。

        スネ夫が自分の極悪醜悪な面を見せるのは、のび太に対してだけである。のび太をいびることが、スネ夫の日常のストレス発散になっている。

        しかし、スネ夫は今のところ親のレールを素直に歩んでいるが、中学になったら親子に亀裂が生まれるかもしれない。
        スネ夫のように外面はいいが、裏で何を考えているかわからないタイプの子は、中学になったら荒れる可能性が大きい。スネ夫が爆発する時期は思春期に必ず一度は来る。

        親主導の中学受験をした子は、中学に通い始めると成績は伸び悩む。スネ夫は「燃え尽き症候群」に、かかりやすいタイプなのだ。
        表立って荒れないにせよ、親の言うことを聞いた振りして全く親に従わない、面従腹背の少年になるだろう。

        ただし、スネ夫は現実主義者で如才なく、かつ打算的なので、親に逆らいすぎて道を踏み外すことは決してない。最後にはきちんと世間一般の正しいレールに自分の人生を乗っける。バランス感覚はずば抜けている。

        そういえばスネ夫のパパはオーナー社長。世襲の恩恵をたっぷりと浴びることが出来る。小学生のうちは学歴競争に参加するが、結局は学歴なんて必要ない人間だ。

        ともかく、スネ夫で一番の問題はママだ。スネ夫のママのようなタイプの人は、進学塾に子供を通わせる母親にはごまんといる、教育ママ(死語かも)の一つの典型である。

        スネ夫のママは塾側から見れば「モンスターペアレンツ」。スネ夫のママは、塾の現場の側から見れば、言いがかりにしか聞こえるようなことでクレームをつける。

        「うちのスネちゃん、同じクラスの××君が嫌いと言っているざんす。××君のクラスを変えて欲しいざんす」
        「国語の先生、教え方が下手だとスネちゃんが申しておりました。別のいい先生に変えて欲しいざんす。私の夫はおたくの塾の本部長と知り合いざんすのよ」
        「スネちゃんの成績最近良くないざんす。もっと刺激を与えて欲しいざんす。喝を入れて欲しいざんす」
        「スネちゃん最近理科の先生に怒られてばかりいるざんす。子供は塾のお客なんだから、叱られるのはおかしいざん。」

        塾の責任者は、こんなクレームを聞いてうんざりする。
        塾の責任者は、スネ夫のママに対する不快感が、スネ夫本人にまで伝染するのを感じてしまう。親の度を越したクレームは、子供の塾内での立場を危うくする。クレーマーの子は塾の先生から嫌われる。

        一番たいへんなのは、スネ夫のクラス変えである。
        スネ夫の成績が落ちて、下のクラスに変えざるを得なくなったとき、スネ夫のママに引導を渡さなければならない塾の責任者は頭を抱える。

        プライドのお高いスネ夫のママはクラスにこだわる。スネ夫が上のクラスでなければ気に入らない。スネ夫の成績が落ちて、クラス変えで下のクラスに落ちそうものなら、
        「この塾の先生はスネちゃんのことわかってくれないざんす。あんまりざんす。ひどいざんす。スネちゃん、こんな塾やめるざんす。」

        そしてスネ夫は塾を変え、母親の見栄であちこちの塾を転々とする。

        ママは近所の奥様から「どうしてスネ夫君、塾をかわったの?」と聞かれたら、
        「スネちゃん、この塾に引き抜かれたざんすのよ」と真顔でウソを答えるかもしれない。

        スネ夫のママは、塾の合格実績のチェックはおこたりない。情報通である。
        塾の進学実績だとか、中学校の偏差値だとか東大の合格者数について、緻密な知識を持っているのは、成績上位の子の母親でも、下位の子の母親でもない。成績中位の子の母親である。

        成績上位の子のお母さんは安心して、出来杉君の親みたいに「ぽわ〜」としている。成績下位の子の母親はあきらめの境地に達してこちらも「ぽわ〜」としている。
        スネ夫のママは、自分の子が絶対に手が届きそうもない学校の情報を、ガツガツと下品にしゃべりまくる。

        それから、スネ夫のママはブランド志向が強いため、有名進学大手塾にしか子供を通わせない。小さな個人塾など見向きもしない。大手ブランド進学塾で授業がわからずに落ちこぼれていても、大手のブランドを盲信し続ける。

        スネ夫のママは、塾の価値が校舎の立派さや広告の紙質や講師の背広やネクタイの銘柄にあると、固く信じて疑わない。
        子供が通う塾を、自分が通う美容院とか、昼に奥様方と通うランチの美味いレストランなどと同じ感覚で捉える人種である。

        そして、スネ夫のママが一番気にするのは、もちろん、講師の学歴!
        | 中学受験 | 17:02 | - | - | ↑PAGE TOP
        ドラえもん しずかちゃんが塾に来たら
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          もし静香ちゃんが塾にやってきたら・・・

          懇談の時、しずかちゃんのお母さんが塾に来ても、塾講師の私は
          「いい子ですねえ」
          とバカみたいに繰り返すだけで、時間をもてあましてしまう。

          しずかちゃんみたいな良い子のお母さんに限って、こう言うのだ。
          「しずかは先生のお蔭で勉強頑張っています。成績も伸びました。塾へ通わせてよかったです。なんとお礼を申していいやら」
          お世辞ではなく、心の底からそう言って下さるお母さん。親子ともども感じがいい。

          でもそれは断じて違う。勉強の成績が上がったのは、私のおかげなんぞでは決してない。
          お母さんには、こう申し上げたい。
          「あなたが母親として家庭できちんとしずかちゃんを育ててきたから良い子になったのであって、私はただ勉強を教えているだけだ。私はしずかちゃんの成績を上げるのに、必要最低限のことしかしていません。全く手がかからないのです」

          悪い子は親のせい。良い子は親のおかげ。塾講師が生活面で影響を与える要素は思いのほか少ない。

          それでもしずかちゃんのお母さんは、「いい塾よ。先生熱心よ」と周囲の良識的なお母さんに言い回って、塾の宣伝をしてくれる。
          そして理解あるお母さんと素直な良い子が集まり、物事を善意でとらえてくれる環境に囲まれて、塾はますます安泰である。

          さて、しずかちゃんが中学受験をするかは微妙なところ。
          源家はのんびりしていて、近視眼的で愚かな進学熱は持ってなさそうなので、お母さんは公立中学校でいいと思っている可能性がある。
          十分合格できる力量を持ちながら、しずかちゃんは私立中学にはこだわらない。

          ただし、そこで私立を強引に薦めるのが、進学塾講師のいらないお世話。おせっかい。しずかちゃんはミッション系の中高一貫の女子校が似合う。しずかちゃんの善良さは、規律の中でますます磨きがかかるだろう。

          しかし女子校に入って、少女時代に男性の免疫がなく、貞操にこだわりすぎ真面目さの殻に自らを閉じ込めつづけるなら、壇ふみや阿川佐和子のような異常にガードの固い超晩婚女性になってしまう危険性もあるけど。

          公立だと男の子の誘惑がある。性格も良く賢い静香ちゃんは異性に放っておかれるわけがない。のび太に風呂を覗かれるぐらいじゃあすまないだろう。
          異性の存在は成績を落とす。しかし学力の低下はしずかちゃんの人生に暗い影を落とすものではない。

          まあ、どんな道に進むにせよ、しずかちゃんは大丈夫。
          勉強うんぬんを超えた、善意にあふれた明るい人生を謳歌する。

          性格の良い子は誰からも祝福され、幸福へのパスポートを持っている。
          | 中学受験 | 22:26 | - | - | ↑PAGE TOP
          ドラえもん のび太が塾に来たら
          0
            もし、のび太が塾にやって来たら、どう育てるだろうか?
             
            のび太は依存症の典型。ただ、あやとりが趣味だという事実は内向性の証なので、本来内にこもる作業である勉強にパワーを向ければ、大きく化ける可能性がある。

            また、のび太みたいな可愛げのある、大人に何でも相談できる甘えっ子は、世話好きな塾講師にはことのほか好かれるのだ。

            「先生、ぼくねえ、勉強できるようになりたいんだけど。」
            こんな言葉を臆面もなく素直に口に出せるのが、イノセントなのび太の持ち味である。
            そんなのび太の言葉で、塾講師は自分が頼られているんだという実感を痛いほど確認することができる。
            自分がいなければ、のび太はどうなってしまうのだろう。そんな思いを抱かせる。
            女性講師だったら、のび太によって母性本能をくすぐられるだろう。

            それにしても、ドラえもんがのび太をどんなに可愛がっていることか!
            ドラえもんも同居人がスネ夫やジャイアンだったら、こんなには強くは入れ込まないだろう。
            甘え上手ののび太だからこそ、ドラえもんは真剣になるのだ。
            のび太はどんな子よりも塾講師に「ひいき」され、感情移入されやすい性格をもつ。司馬遼太郎の言うところの「人たらし」の素質十分である。

            ドラえもんは「しょうがないなあ、のび太くん」などと面倒くさい嫌な振りをしながら、実は嬉々として、甲斐甲斐しくのび太の面倒を見る。
            人に頼るのが好きなのび太。頼られるのが好きなドラえもんは名コンビだ。

            しかし、言葉だけで行動がなかなか伴わないのも、のび太らしいところである。
            何故だか突然やる気になって、
            「先生、明日ボク放課後補習に行くからね。ボク勉強がんばるよ」
            と、ドラえもん講師の涙を流させるやる気満々のセリフをはいておきながら、補習当日になると、いくら待っても塾にやって来ないのが、のび太タイプの子である。

            塾から電話を入れれば、案の定昼寝中。
            講師はすぐのび太を塾に呼んで激怒の嵐。やる気に満ちた嬉しい言葉を聞いたあとだけに、裏切られた教える側の怒りは倍増する。
            逆鱗に触れてのび太はいったん反省するが、すぐ忘れてまた同じことを繰り返す。

            でもそんな奴だからこそ、ますますのび太が好きになる。
            自分がいないとこの子は一体どうなるのだろうと、心配で胸がちぎれそうになる。
            のび太は人並み以上に可愛がられ、そしてまた人並み以上に叱られる。

            しかしのび太は、なぜか映画のドラえもんの時だけ勇敢になる。のび太は、実は意外なところで芯の強いところを持っているのだ。
            それが成長するにつれ前面に出てくる。

            そして、のび太はいつかは立派に自立し、ドラえもん離れをする。取り残され、嬉しさ3分、孤独感7分のドラえもん。ドラえもんにとって、頼りないのび太が一番都合が良かったのだ。

            そして自分を超えてゆくのび太に、一人の男として嫉妬する。
            でもしかし、立派に成長したのび太に、ドラえもんは大きな敬意を持つ。

            のび太とドラえもんの関係は、個別指導や家庭教師の先生と生徒の関係に似ている。
            教える側が有能だと、子供のかゆいところに手が届くどころか、いずれ起こり得る問題点をあらかじめ察知し、問題がおきないうちに早め早めに手を打つことができる。
            子供の行く手を阻む障害物を、前もってきれいに除去してやるのだ。

            しかし、それが子供の将来によくないことはわかっている。
            手取り足取りの指導は、子供が先生を安易に頼る癖をつけてしまい、子供の自立を妨げる。

            勉強とは孤独な個人競技である。
            独りで悩み、解決法をあれこれ模索し、困難に立ち向かっていくことが子供を強くする。
            孤独を味わうべき時期に、頼りになりすぎる力強い大人がべったりと密着していたら、それは子供にとってマイナスだ。
            教える側が入れ込みすぎ、「完璧な」指導を心がければ心がけるほど、将来良い結果は出ない。

            子供の依存癖は、ガン細胞のようにねちねち講師に絡みついて、除去手術をするためには激しい痛みと困難を伴う。末期になると手遅れになる。
            家庭教師や個別指導の先生は、教えられる側の依存症が高まらないよう、常に配慮しなければいけないし、どんなにかわいい生徒であっても「突き放す」厳しさを持ち合わせていなければならない。
            子供が過度に依存しはじめる兆候を表したら、懐からナイフを取り出して「スパッ」と依存の根を切り取らなければならない。

            それにしても中学受験で、「パパは塾長さん」とか称して、親が子供に手取り足取り勉強を教えている親がいるが、考え物だ。
            お前が死ぬまで教えてろ。

            無理して有名私立中学に入って、親の学力が学校の履修範囲を超えた地点で子供の学力は奈落の底に落ち、親は慌てて家庭教師など新たな依存相手を探す。
            成績の生命維持装置を高い金を出して買い、その繰り返しで泥沼になる。





            ★開成塾・中学受験
            尾道市向島・定員5名・少数精鋭






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