2002.12.25 Wednesday
ドラえもん ジャイ子が塾に来たら
「剛田ジャイ子」がジャイ子の本名だというのが定説だったが、どうやら「剛田モネ子」が本名らしい。
ジャイ子は将来漫画家になるので、フランス絵画印象派の巨匠モネにちなんだ名前を、藤子・F・不二雄が連載途中からつけたのだと思う。本名が「剛田ジャイ子」ではまずいと判断したのだろう。
ジャイ子は途中から名前も変わったが性格も変わった。
ドラえもん連載開始当初、ジャイ子は意地悪で陰気な少女として描かれていたが、巻が進むにつれ漫画家志望の芸術家肌の少女へとキャラクターが変わっていった。
今日私が描くジャイ子は、初期の陰気な性格のジャイ子である。
ジャイアンは塾に通って、ある程度成績が伸びた。するとジャイアンの親はどう考えるか。必然的に妹のジャイ子も塾に入れたいということになる。
しかし、ジャイ子は暗く陰湿な性格だ。
ジャイ子は塾内で問題を起こしそうだ。メガトン級の大事件ではなく、ジメジメした問題を、何度も何度も起こす。
たとえば誰かがジャイ子をからかったら、ジャイ子はその場ではムッと黙っている。ジャイ子は友達を決して殴ったりはしない。言葉で相手を傷つけたりもしない。そんな健康的な攻撃はジャイ子には似合わない。
ジャイ子は自分がいじめられてから3日後ぐらいに、コンパスの針でからかった子の腕を、「ちょん」と刺したりするのである。
「ぶすり」ではなく「ちょん」
ジャイ子は血が滲むか滲まないか、ギリギリの所を見計って針を刺す。ジャイ子はクラスメイトにからかわれた恨みを忘れず溜め込み、心の中で熟成し、相手が忘れた頃になって怒りが小爆発して危害を加えるのだ。
3日後に「ちょん」
また、ジャイ子は無言で友達を「つねる」タイプだ。おとなしい無口な子は、ジャイ子の餌食になる。授業中、ジャイ子の隣に座った子は、腕や太ももに突如としてゴキブリぐらいの大きさの蚊に刺されたような、チクリとした強い痛みを感じる。痛みの方向を振り向くと、ジャイ子は牛のようなドロリ目でにらむ。
黒い垢がうっすらと溜まった、ジャイ子の伸びた爪が肉に食い込んでいる。痛みとジャイ子の象のようなザラザラした太い指の生暖かさ。ジャイ子の口元には冷笑が浮かんでいる。断続的に、ジャイ子はおとなしい隣の子をつねり続ける。
ジャイ子の「静かな」問題行動のせいで、塾に悪評が立つだろう。
ジャイ子のいるクラスは新入生が寄り付かない。
ジャイ子は授業の聞き方も悪い。講師が全力投球の授業をしても、目は上の空。講師の軽快なギャグで生徒一同が大爆笑しているときも、不感症のようにジャイ子だけは顔色を変えない。
真面目な講師は、ジャイ子が自分の授業を聞いていなかったり、快心のギャクで笑わなかったりしたことで傷つき、自分を責める。
またジャイ子は宿題を出して、解答も一緒に配ると答えを写してくる。どの問題もみ〜んなキレイな赤丸がついている。講師が指摘すると、写していませんとしらをきり、頬を憎々しげに膨らませる。
そして、ジャイ子はお母さんに「塾の勉強わからない」とか「友達がイジメる」とか、さも自分が被害者であるかのように告げ口する。ジャイ子は周りの人間の弱点しか見えない子供である。
ジャイ子のお母さんが聡明な人だったら、ジャイ子がどんなに人の悪口を言っても、ジャイ子が他人に責任転嫁する悪癖を知っているから黙っているだろう。
しかし、もしジャイ子のお母さんが、スネ夫のママタイプだったら、これは大変なことになる。塾側とジャイ子のお母さんは常に緊張をはらんだ関係になる。
娘は塾で陰気で不健康な雰囲気を醸し出し、母親は外から口撃を仕掛ける。
母親がスネ夫のママ、娘がジャイ子。塾講師のストレスになる最強タッグである。
ジャイ子は将来漫画家になるので、フランス絵画印象派の巨匠モネにちなんだ名前を、藤子・F・不二雄が連載途中からつけたのだと思う。本名が「剛田ジャイ子」ではまずいと判断したのだろう。
ジャイ子は途中から名前も変わったが性格も変わった。
ドラえもん連載開始当初、ジャイ子は意地悪で陰気な少女として描かれていたが、巻が進むにつれ漫画家志望の芸術家肌の少女へとキャラクターが変わっていった。
今日私が描くジャイ子は、初期の陰気な性格のジャイ子である。
ジャイアンは塾に通って、ある程度成績が伸びた。するとジャイアンの親はどう考えるか。必然的に妹のジャイ子も塾に入れたいということになる。
しかし、ジャイ子は暗く陰湿な性格だ。
ジャイ子は塾内で問題を起こしそうだ。メガトン級の大事件ではなく、ジメジメした問題を、何度も何度も起こす。
たとえば誰かがジャイ子をからかったら、ジャイ子はその場ではムッと黙っている。ジャイ子は友達を決して殴ったりはしない。言葉で相手を傷つけたりもしない。そんな健康的な攻撃はジャイ子には似合わない。
ジャイ子は自分がいじめられてから3日後ぐらいに、コンパスの針でからかった子の腕を、「ちょん」と刺したりするのである。
「ぶすり」ではなく「ちょん」
ジャイ子は血が滲むか滲まないか、ギリギリの所を見計って針を刺す。ジャイ子はクラスメイトにからかわれた恨みを忘れず溜め込み、心の中で熟成し、相手が忘れた頃になって怒りが小爆発して危害を加えるのだ。
3日後に「ちょん」
また、ジャイ子は無言で友達を「つねる」タイプだ。おとなしい無口な子は、ジャイ子の餌食になる。授業中、ジャイ子の隣に座った子は、腕や太ももに突如としてゴキブリぐらいの大きさの蚊に刺されたような、チクリとした強い痛みを感じる。痛みの方向を振り向くと、ジャイ子は牛のようなドロリ目でにらむ。
黒い垢がうっすらと溜まった、ジャイ子の伸びた爪が肉に食い込んでいる。痛みとジャイ子の象のようなザラザラした太い指の生暖かさ。ジャイ子の口元には冷笑が浮かんでいる。断続的に、ジャイ子はおとなしい隣の子をつねり続ける。
ジャイ子の「静かな」問題行動のせいで、塾に悪評が立つだろう。
ジャイ子のいるクラスは新入生が寄り付かない。
ジャイ子は授業の聞き方も悪い。講師が全力投球の授業をしても、目は上の空。講師の軽快なギャグで生徒一同が大爆笑しているときも、不感症のようにジャイ子だけは顔色を変えない。
真面目な講師は、ジャイ子が自分の授業を聞いていなかったり、快心のギャクで笑わなかったりしたことで傷つき、自分を責める。
またジャイ子は宿題を出して、解答も一緒に配ると答えを写してくる。どの問題もみ〜んなキレイな赤丸がついている。講師が指摘すると、写していませんとしらをきり、頬を憎々しげに膨らませる。
そして、ジャイ子はお母さんに「塾の勉強わからない」とか「友達がイジメる」とか、さも自分が被害者であるかのように告げ口する。ジャイ子は周りの人間の弱点しか見えない子供である。
ジャイ子のお母さんが聡明な人だったら、ジャイ子がどんなに人の悪口を言っても、ジャイ子が他人に責任転嫁する悪癖を知っているから黙っているだろう。
しかし、もしジャイ子のお母さんが、スネ夫のママタイプだったら、これは大変なことになる。塾側とジャイ子のお母さんは常に緊張をはらんだ関係になる。
娘は塾で陰気で不健康な雰囲気を醸し出し、母親は外から口撃を仕掛ける。
母親がスネ夫のママ、娘がジャイ子。塾講師のストレスになる最強タッグである。