猫ギターの教育論

尾道市向島の塾「US塾」塾長のブログ 早稲田大学・開成高校出身 本音が飛び交う、少し「上から目線」の教育論
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ケーキ食べ放題は地獄
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    食べたものが消化しきれないで、身体の中にズドンと残り、そのまま脂肪になってしまいそうな食べ物がある。

    消化が悪く、油で気分は悪くなり、デブの素になってしまいそうな食べ物。
    「デブのエサ」とでも表現したらいいのだろうか。
    私にとっての「デブのエサ」は、湿ったポテトチップスとケーキだ。

    油について少々考えてみよう。
    最近は天麩羅屋でも豚カツ屋でも、油が悪くて胃にもたれるということはまずない。どの店も精製した良質な油を使い、サクッと揚がっている。
    「油が悪い」という言葉は死語になってしまったのか。

    (余談だが、昔は「サラダ油」と「天ぷら油」という2種類の油があって、サラダ油のほうが高級とされていた。サラダ油のほうが精製の度合が強かったのだろう。
    「天ぷら油」はどこへ行ってしまったのだろうか。)

    袋を開けたばかりのポテトチップスも油の切れはよい。チップスを全部食べたあと、袋の底をのぞけば、茶色い油が沈んでいることは絶対ない。

    しかし、袋を空けて2日ぐらいたった、湿気ったポテトチップスはひどい。
    湿気って濡れたポテトチップスを食べると、酸化した重い油で胃にもたれる。胃に消化しきれないポテトチップスがへばり付いて、体調の悪い時は吐きそうになる。
    そして、胃壁にへばり付いたポテトチップスは、消化することなく贅肉や皮下脂肪に変身して、腹のラードに厚く堆積していく気がするのだ。

    酸化した油の気持ち悪さは、たとえようがない。
    揚げてから時間のたったスーパーの揚げ物、冷たくなったマックポテト、衣が冷えて湿った幕の内弁当の天麩羅などなど。
    人を確実にデブかつ不健康にする「悪魔の食べ物」だ。

    それから、私はケーキを食べても気持ち悪くなる。
    1個ならケーキも美味いのだが、調子に乗って4個も5個も食べると、生クリームで胃にもたれてしまう。

    フランス料理やイタリア料理の満腹感の半分は、ケーキが受け持っているような気がする。
    西洋料理のコースを食べていて、「この店の料理はちょっと量が少ないな」と感じたとしても、最後にはケーキがドッシリと埋め合わせしてくれるのだ。

    焼き肉の満腹感が私には心地良いのに対して、ケーキの満腹感は、どちらかというと不快なものだ。大食いの私でも、気分が悪くなる時がある。
    乳脂のくどさが体質に合わないのかもしれない。

    ここで私が大学時代に、サークル仲間10人ぐらいで、ケーキ食べ放題の店に行った話をしたい。
    東京銀座の某洋菓子店。お昼のケーキバイキング。1500円でケーキ食べ放題、コーヒー・紅茶・ソフトドリンク飲み放題である。

    どうしてそんなところに行ったのか?
    男女比率は5分5分だったが、別に集団デートでもなし(魂胆があったら、ケーキ食べ放題なんか行かない)、当の私にも今もって理由がわからない。

    金がなくて腹が減っていたから、先輩の誘いについつい乗せられたのかもしれない。

    さて席につく。
    部屋の中央の大きなテーブルには、15種類ぐらいのケーキが置いてある。
    15個食べて普通、ということなのだろうか。

    攻撃開始。
    生クリームがたっぷりかかったイチゴショート
    苦いチョコがコーティングしてあるザッハトルテ
    栗の甘さが心地よいモンブラン
    3つまでは順調にいった。これならいけるぞ。

    あと10個は食うぞと、そこでコーヒーを飲んだ。
    砂糖2杯、ミルクいっぱい。

    「・・・・」

    コーヒーを飲んで3分後、胃が変調をきたした。
    胃の中のケーキが、コーヒーの液体を吸って膨れ上がったのだ。

    水をかけたら、ぼわ〜と膨れ上がる花があるでしょう?
    ちょうどあんな感じで、私の大きな胃の片隅で小さくなっていたケーキ3個の残骸が、コーヒーのせいで膨張したのだ。
    膨張したケーキが、胃壁を押し上げるのがわかる。

    もう、食えん・・・
    やばい・・・

    しかしもう、1500円払ってしまった。1500円というのは学生にとって大金だ。
    独り暮らしの学生はケーキなんか滅多に食べられない。ケーキは大好きなのだが、いかんせん高い。
    300円のケーキ1個買うなら、75円のサッポロ一番味噌ラーメン4袋買ったほうが、経済効率ははるかに高いじゃないか。

    せっかく普段食べられないケーキを、死ぬほど食おうと勢い込んで来たのに、1500円払って3個だったら、もとさえ取れていない。
    ここで負けたら1500÷3=500円で、1個あたり500円。これじゃあバイキングに来た方が割り高になる。何のためのバイキングかわからない。
    せめて15個ぐらい食べて、1個あたり100円にはしたい。

    それから、デブのくせにケーキ3個でギブアップだなんて、周囲の友人に見かけ倒しだと思われるのは沽券に関わる。
    まわりの友達は涼しい顔でケーキの皿を重ねている。

    ならばと、私は腹をくくった。
    まずコーヒーは自粛しよう。飲んでもほんの1口か2口。砂糖もミルクも入れないようにしよう。ケーキの甘さで舌が麻痺しているので、コーヒーに砂糖を入れようが入れまいが同じ味なのだ。

    無理をしてケーキを食いつづけた。
    ちょっとさっぱり目の奴を選びながら、個数を重ねていった。

    メロンと桃のフルーツケーキ(爽やか)
    いちごにもミルフィーユ(小さい)
    シュークリーム(これも小さい)

    さすがにもう限界。血液が全部クリームになったような気がしてきた。
    気分が悪い。もう、何も食えないことを悟った。
    たった6個でかつて経験したことのないような満腹感を味わおうとは、情けない話です。

    しかしだ、1500円払っているんだ。もっと食わなければならない。食って食って晩飯代を浮かせたい。1500円は俺にとって、3日分の食費ではないか!

    そんな時に目に入ったのはプリンである。カスタードプリン。
    プリンなら何とか食べられそうだ。
    気分転換にプリンを食べた。

    プリンは強烈だった。プリンは可憐な姿をしているけど、よく考えたら卵と砂糖とミルクが混ざった固体なのだ。

    プリン大爆発!

    プリンの乱入で、気分転換どころか腹の状況はメチャクチャ悪くなり、強い嘔吐感に襲われた。
    どんなにひどい二日酔いでも味わうことのない、強烈な吐き気がした。

    私は吐くこともできず、友人との会話にも加わらず、その後は一人椅子にもたれながら、身体中を突如として襲いこんだ甘いものが、体内の工場で粛々と消化されてゆくのを、気分の悪さに耐えつつ待つしかなかった。
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