2003.05.20 Tuesday
カルピスの濃さは1:1
特にコカ=コーラとカルピスは大好物だ。私の命の水である。
コーラは普通の赤いやつしか飲まない。ダーエットコークなんて、あんな甘みが薄い邪道なモノを飲もうとは思わない。砂糖を薄めて同じ値段で売るとはひどすぎると思う。
炭酸の鋭い刺激と絡んだ、あのまろやかな甘さこそがコーラの魅力なのに・・・
正直言うと、私には赤い普通のコーラですら甘さが足りない。コカ=コーラの会社にはぜひとも、もっと甘みの強いコーラを製造してほしいのだ。
「砂糖使用量2倍! 甘さが脳天にしみる “SWEET COKE!” 」
という新製品でも出れば、私なんかはスーパーで箱ごと買いだめするのに・・・
さて、コーラの話はここまでにして、今日はカルピスの話である。
皆さんはカルピスを飲むとき、どんな濃さで作っているのだろうか。
カルピス自体は20世紀初頭から日本にあるが、カルピス=ウォーターは、実は10数年前に発売された、比較的新しい商品なのである。
カルピス=ウォーターが発売されたとき、カルピスが大好物の私は、とても嬉しかった。
カルピスを作るには、意外と手間がかかる。
他の飲料水のように、瓶や缶のふたを開けるだけで、そのまま手軽に飲むわけにはいかない。
ガラスのグラスを用意し、氷をいれ、水を注ぎ、マドラーで掻き回す。
氷は常備していなければいけないし、水だってこだわればミネラルウォーターを用意しなければいけない。
特に一人暮らしの人間にとっては、こんな些細な手間すら面倒くさいものなのだ。
だから、カルピス=ウォーターが誕生したときは、待ち焦がれていたものが、やっと登場した感じだった。これからは手軽にカルピスが飲めると期待した。
わくわくしながら、新製品カルピス=ウォーターを買って、飲んでみた。
ん・・・?
薄い! 甘くない!
おかしい・・・
私は期待とは違った味に、騙されたような気がした。
私がいつも飲んでいるカルピスと違って、妙な香料の味がするし、何よりも甘さが全然足りない。薄すぎる。
実は、私がカルピスを作るときの水との配合比は、
カルピス:水=1:1
なのである。
カルピスの原液と水を、半々にして飲むのだ。
濃いカルピスを日常飲んでいるのだから、カルピスウォーターの味を薄く感じるのは、もっともなのだ。
私のカルピスの作り方はこんな具合である。
まず、透明なガラスコップに、氷を3分の2ぐらいの高さまで詰め込む。
そこへカルピスの原液を、グラスの半分ぐらいまで注ぐ。
それから水を入れ、氷の冷たさがカルピス全体に浸透するまで、丹念にマドラーか、或いはそこらにあった割り箸でかき混ぜる。
できあがり。
疲れた時には、カルピスの原液が持つぬるっとしたトロ味を残した、甘くて濃いカルピスは、こたえられませんね。
カルピス:水=1:1という比率は、他の人から見れば、異常に濃いものらしい。
そういえば昔、こんなことがあった。
小学校4年生のとき、私は他の友達2人と一緒に、ある友達の家へ遊びに行った。
遊びが一段落つくと、友達の家でカルピスをご馳走になった。
友達のお母さんに
「カルピス、自分らで作りんさいね」
と言われて、水玉模様が入った白い紙に包まれたカルピスの褐色の瓶から、私が自分のコップに、カルピスをグラス半分までドボドボと注ぎ込むと、
「ああ、多すぎらあね、何でそんなに入れるんならあ」
と、せっかく入れたカルピスの液を、他の友達のコップに移され、4等分された。
薄くて味も素っ気も無いカルピスを飲みながら私は、
「このおばさん、えらいケチやな。」
と悪びれたものである。
でも今考えると、私の行動の方が異常なのがよくわかる。
さて、さすがに濃いカルピスが好きな私でも、カルピスをストレートで飲むことはしない。カルピスでストレート・ノー・チェイサーというわけにはいかぬ。
オン・ザ・ロックもさすがに濃すぎる。
私にとって、カルピス:水=1:1の比率は、譲ることができない黄金比なのだ。
昔の瓶の時代のカルピスには、メーカー側が決めた正当な比率は、記されていなかったように思う。
だから私のように勝手に解釈して、異常に濃いカルピスを飲む勘違いが発生したのだろう。
しかし勘違いのおかげで、脳天に突き抜けるような至福の甘さを持つ素晴らしい飲み物を、生涯の伴侶にすることができたのだと思う。
私は紙パックのカルピスを、5日に1パック空にする。
甘いカルピスを飲めばのどが渇く。そんなのどの渇きを癒やすために、また甘いカルピスに手を出す。
カルピスの酸味が効いた甘みには、強い中毒性があるのだ。デブになるには最適な飲み物である。