猫ギターの教育論

尾道市向島の塾「US塾」塾長のブログ 早稲田大学・開成高校出身 本音が飛び交う、少し「上から目線」の教育論
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尾道北高推薦3人合格!
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    高校受験、尾道北高推薦入試で3人合格が決まった。48人合格のうち、3人がうちの塾。
    昔推薦入試で不合格になった子が、筆記試験も不合格になるんじゃないかとノイローゼになって、押入れに入ったまま出てこないという「ドラえもん事件」の苦い経験があるので私は推薦には慎重なのだが、本当におめでたい。言葉にできないほどうれしい。

    広島県の公立高校の選抜1(推薦入試)は難しく、学校の先生が「この子は大丈夫」と太鼓判を押せる子じゃないと推薦しない。それでも倍率は2.5倍くらいで、少数精鋭の戦いである。

    推薦は内申点、面接、作文。
    面接で不合格になる子はまずいないが、内申点はオール5に近い点数が必要で、作文は難解で要求水準は高く、生活態度・学力・文章力・感じの良さを高いレベルで兼ね備えていなければ合格はできない。

    合格者1人目Mさんは、中3になっても童女の雰囲気を持つ、かわいらしい「森の妖精」みたいな女の子なのだが、芯がキリッと強く努力を厭わない。弱そうで実は強い。小6からの塾生で、Mさんの勉強姿を見ていると教室が深閑な森林になったみたいで、マイナスイオンをあふれさせている。

    2人目Hさんは理知的な眼鏡が似合う女の子で、見るからに賢そうな、慎み深い聡明な子である。話をしていても大人と会話しているような、しっかりとした話し方をする。Hさんも小6からの塾生で、将来東京のオフィスでバリバリ仕事をこなしそうな知性を持つ。スーツが似合いそう。

    3人目Y君は文武両道で、修道僧のようなストイックな男の子。野球部で絵頭はいつも5厘刈。若き日の王貞治を髣髴とさせる。私の塾は毎回私が席をランダムに決めているが、Y君は一番前が指定席だった。真面目なY君とM君が一番前にいると、他の塾生の手本になりやすいからである。Y君とM君のおかげで、どれだけ授業運営が助かったことか。

    3人とも手を抜くことなく、本当によく頑張りました。おめでとうございます!
    | 塾の様子ガラス張り | 22:47 | - | - | ↑PAGE TOP
    どっきりカメラと合格発表
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      最近は合格発表が目白押しで、毎日が緊張の連続だ。
      合格発表の直前は、心臓がバクバクして普段の3倍に肥大化して口から飛び出してきそうで、逆に胃はしぼんだナスみたいに縮み上がる。内臓のバランスが緊張感で崩れてしまう。

      私はブログで食べ物ネタを頻繁に書くので、食うことばかり考えている卑しい男だと思われているが、この時期はしぼんだ胃のおかげで丸一日何も食えない日も多い。身体が食べ物を拒絶するのだ。

      3日前公立推薦の合格発表があった日も、お歳暮に戴いた高砂屋のクッキーだけで腹を満たした。なんだか義務的に食べ物を腹に詰め込んでいる感じである。
      食わないと胃が空っぽになって、鍾乳洞みたいに胃壁に血液が滴りそうでつらい。

      私のようないい齢をした大人がこんな状態なのだから、中学生の緊張感は推して知るべきだ。

      ところである塾
      の近所の学校の先生は、私立の合格を生徒1人1人に通知した時、ワープロで「不合格」と大きな字を書き、その下に「結果は逆です、おめでとう」と書いた紙を渡したらしいが、私が生徒ならこんな通知を渡されたらブチ切れる。
      「不合格」という文字を見た瞬間、私ならショックで心臓が爆発し胃は血液で溶けてしまうだろう。

      合格発表という生徒の緊張感がMAXに達した場において洒落っ気なんか出してはならない。洒落にならぬ。
      エイプリルフールや「どっきりカメラ」じゃないのだから、場をわきまえてもらいたい。

      そういえば「どっきりカメラ」は最近全く放映しない。
      ダマされた素人が、プラカード持った野呂圭介の姿を見た瞬間激高して、「侮辱罪で訴えてやる」とか「出演料500万円よこせ」と抗議するトラブルが頻発したのだろうか。

      私は「どっきりカメラ」が大好きだった。
      細い坂道を人が歩いてると突然道幅いっぱい直径2メートルくらいの球がゴロゴロ転がってきたり、料理教室でキャベツを切ろうとすると「痛い…やめて」とキャベツがしゃべったり、小学生がスイカ割りをしていると突然鉄格子の中に入れられ中にゴリラの着ぐるみを着た人間が立っていたり、海で泳いでいる女性の水着が溶けたり、ラーメン屋で客がラーメン食べてる隙にいきなり壁に貼っているメニューが「ラーメン400円」から「ラーメン400万円」に電動仕掛けで変わったり、「スターどっきりマル秘報告」ともども私は毎週欠かさず見ていた。

      ただ、入試は子供の人生運命を大きく変える重要な分岐点であり、合格発表の場に「どっきりカメラ」的なおちゃらけた行為をしてもらっては困る。

      この学校の先生の配慮が足りない一番の点は、もし生徒達が将来本物の「不合格通知」をもらう羽目になった時、「これもジョークではないか、本当は合格なのではないか」と一瞬中学生時代の思い出が甦ってしまうことである。

      彼らが将来受け取る、本物の不合格通知には、下に「実は結果が逆です、合格です、おめでとう」とどこにも書かれてはいない。事務的に厳粛に残酷にただ「不合格」と記されているのみだ。
      彼らが大学受験や就職試験の修羅場で痛い思いをした時、中学校時代の牧歌的な「不合格通知」の思い出を、どう捉えるだろうか?
      | 高校受験 | 22:50 | - | - | ↑PAGE TOP
      TBS「華麗なる一族」
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        「華麗なる一族」が面白い。
        山崎豊子は良い作家だと思う。「大衆文学」のお手本のような小説を書く人だ。
        「白い巨塔」や「大地の子」や「沈まぬ太陽」では、長大な文庫本を一気に読んでしまった。読者を本に吸引する力量は凄い。

        確かに山崎豊子の作品は、登場人物が劇画的かつ観念的だという弱点はあろう。たとえば「白い巨塔」の良心的な医師里見は、少々現実離れした人物だったし、人物造詣があまりにクッキリと楷書的すぎて、そのあたりがストーリーへの没入をイマイチ妨害している。

        ただ山崎豊子の作品は、底に関西的エログロの世界が横たわっており、「華麗なる一族」でも閨房での妻妾同衾がテーマで、そんなデフォルメされた下世話さが読者を魅了するのだろうか。
        私は山崎豊子作品では、初期の「花のれん」や「ぼんち」が好きだ。

        ところでドラマ「華麗なる一族」、ロケ地の選定のセンスが物凄くいい。「華麗なる一族」の最高の主役は、阪神銀行をはじめとする、ロケ地のレトロな重厚さではなかろうか。

        阪神銀行の「大日本帝国」的な外観内装は、いったいどこで見つけてきたのか。
        外観は昭和40年代前半というより、戦前の「三井合名会社」的な財閥銀行の匂いがする権威的な建造物だ。
        阪神銀行の内部はもっと凄い。第1話では北大路欣也の万俵頭取が、吹き抜けになった銀行のホールを上層階の小窓から見下ろした瞬間、百人以上の銀行員が一斉にに頭取にお辞儀する。映像でしか表現できないシーンだ。私は背筋が凍ってしまった。

        阪神銀行のロケ地をネットで調べてみると、外観は1923年に建造された上海の旧匯豊銀行大楼で、内部は台湾台北の臺灣銀行本店らしい。外観が中国で内部が台湾だなんて、政治的確執を越えた映像マジックのウソは面白い。
        「華麗なる一族」は制作費をかけているらしいが、有効な金の使い方だと思う。

        あと「華麗なる一族」はサントラが最高。番組終了時に昭和30年代のモノクロ映像にかぶるメインテーマは、深刻でメロディアスで素晴らしい。さすがお爺さんが青い山脈東京ブギウギ。

        ただ倍賞千恵子のナレーションは、どういうわけか「渡る世間は鬼ばかり」とかぶってしまう。倍賞千恵子の「万俵大介は〜」という語りは、石坂浩二の「岡倉大吉は〜」と同じじゃないか。伝統的TBSドラマの匂いがプンプン。

        キムタクも茶髪で、どう見ても昭和40年代の日本人ではないのだが、キムタクだからあれはあれでいいじゃん、ということになる。
        現代のキムタクが昭和40年にタイムスリップしているような、ちょっとドラマの本筋から外れたキムタクのスタンスが、まるで「フォレストガンプ」的で面白い。

        おそらく万俵鉄平役は織田裕二が最適任だと私は思うが、でも織田裕二が鉄平役だったら極度に深刻なガチガチの銀行ドラマになってしまうし、キムタクが鉄平役を演じるからこそ、「華麗なる一族」はどこか風通しの良いファンタジーの香りがして、「銀行再編」という重苦しいテーマのドラマが軽快に見られるのではないか。

        最後にどうでもいいが、「華麗なる一族」に登場する女優陣で、私の好みは

        1 稲森いずみ
        2 鈴木京香

        といったところか。

        | 映画テレビ | 22:54 | - | - | ↑PAGE TOP