2008.06.30 Monday
「塾」は外国で何と呼ぶか
いわゆる「知的職業」の中で、塾講師ほど海外と縁のない職業はないだろう。
たとえば商社マンや金融業やクリエーターなら、海外出張は社運を決定する重要な仕事だが、塾講師の海外出張なんて全く想像がつかない。
大手塾なら、海外に住む日本人子女のための教室に人材を送り込んでいるから講師や職員の海外出張はあり得るが、田舎の個人塾講師が海外出張なんて聞いたためしがない。海外出張どころか国内の出張もない。
塾にドンと居座って動けないのが塾講師の仕事である。グローバル化もへったくれもありゃしない。個人塾の講師で、僕みたいに海外に異常に興味がある人間は、自費で旅行するしか外国へ行く方法がない。
また、塾講師には海外の同業者がいない。台湾や韓国といった東アジア圏を除いたら、海外の塾講師なんて極めて稀だ。
(ロンドンで"Kumon"の教室を見かけたことはある。あれは現地のイギリス人がマルつけをしているのだろうか)
学校教師も農夫も株屋もプロレスラーも宗教家も小説家も海外には同業者がいるのに、塾講師にはいない。海外に同業者がいない職業を探してみると(つまり日本にしかない職業)、相撲取りとか歌舞伎役者とか伝統芸能系しか思いつかない。そんな意味で塾講師は結構独特な職業ではある。
NYでタクシーに乗った時、「職業は何か」と聞かれた。とても困った。
僕の拙い英語力だと、自分の仕事を説明するのに手間がかかる。日本の和英辞典には、「塾=cram school」とかいろいろ書いてはいるが、絶対にそれじゃあ通じない。そんな言葉、アメリカには絶対ない。また"cram"は「詰め込む」という意味だから曲解されて変なイメージをもたれたら困る。
また"jyuku"という日本語が、"sumo" "sushi" "tempura" "harakiri" "karoushi"
みたいに、英語に同化しているとは全然思えない。
というわけで、「塾」という職業を長々と説明する必要がある。
「日本は教育熱が高く、high schoolやuniversityの入学試験に合格するには極めて高い学力が必要だ。だから昼の学校が終わってから夜にもう1つ学校に通う子供がたくさんいる。僕はその夜の学校のteacherなんだよ」といった具合に。
最初にアメリカを訪ねた時、そんなこといちいち説明するのが面倒くさいから、少々投げやりに"teacher"と単純に答えたところ、僕の発音が悪く"singer"と運転手さんには聞こえてしまい、「どんなジャンルの歌を歌うのか?」と返されて困ったことがある。
たとえば商社マンや金融業やクリエーターなら、海外出張は社運を決定する重要な仕事だが、塾講師の海外出張なんて全く想像がつかない。
大手塾なら、海外に住む日本人子女のための教室に人材を送り込んでいるから講師や職員の海外出張はあり得るが、田舎の個人塾講師が海外出張なんて聞いたためしがない。海外出張どころか国内の出張もない。
塾にドンと居座って動けないのが塾講師の仕事である。グローバル化もへったくれもありゃしない。個人塾の講師で、僕みたいに海外に異常に興味がある人間は、自費で旅行するしか外国へ行く方法がない。
また、塾講師には海外の同業者がいない。台湾や韓国といった東アジア圏を除いたら、海外の塾講師なんて極めて稀だ。
(ロンドンで"Kumon"の教室を見かけたことはある。あれは現地のイギリス人がマルつけをしているのだろうか)
学校教師も農夫も株屋もプロレスラーも宗教家も小説家も海外には同業者がいるのに、塾講師にはいない。海外に同業者がいない職業を探してみると(つまり日本にしかない職業)、相撲取りとか歌舞伎役者とか伝統芸能系しか思いつかない。そんな意味で塾講師は結構独特な職業ではある。
NYでタクシーに乗った時、「職業は何か」と聞かれた。とても困った。
僕の拙い英語力だと、自分の仕事を説明するのに手間がかかる。日本の和英辞典には、「塾=cram school」とかいろいろ書いてはいるが、絶対にそれじゃあ通じない。そんな言葉、アメリカには絶対ない。また"cram"は「詰め込む」という意味だから曲解されて変なイメージをもたれたら困る。
また"jyuku"という日本語が、"sumo" "sushi" "tempura" "harakiri" "karoushi"
みたいに、英語に同化しているとは全然思えない。
というわけで、「塾」という職業を長々と説明する必要がある。
「日本は教育熱が高く、high schoolやuniversityの入学試験に合格するには極めて高い学力が必要だ。だから昼の学校が終わってから夜にもう1つ学校に通う子供がたくさんいる。僕はその夜の学校のteacherなんだよ」といった具合に。
最初にアメリカを訪ねた時、そんなこといちいち説明するのが面倒くさいから、少々投げやりに"teacher"と単純に答えたところ、僕の発音が悪く"singer"と運転手さんには聞こえてしまい、「どんなジャンルの歌を歌うのか?」と返されて困ったことがある。