猫ギターの教育論

尾道市向島の塾「US塾」塾長のブログ 早稲田大学・開成高校出身 本音が飛び交う、少し「上から目線」の教育論
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過去問はゲーム、Excelに点数を記録
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    ゲームが楽しいのは、スコアが出るからだ。スコアが伸びると集中力が高まり、時間がすぐに経つ。
    ただ、青春のエネルギーを、ヴァーチャルな世界で発散するのはもったいない。リアルな方向に向けて、他人から賞賛してもらいたくはないだろうか。
    ゲームや部活の興奮を、リアルな勉強の方向に移し変えるにはどうすればいいか?
    志望校の過去問を解きまくればいい。
    過去問をゲームやスポーツ感覚で解き、点数をつけ記録するだけで、勉強が暗く鬱屈したものから、エキサイティングな劇場に変わる。

    関西私立大学の最難関、同志社大学を例にあげよう。
    同志社はNHK大河ドラマ「八重の桜」の舞台になり、創始者新島襄の妻役・綾瀬はるかも訪れた。京都御所の道路はさんで北側の今出川キャンパスは、レンガ造りの重要文化財の校舎が並び、新築の趣味のいい校舎と調和した、古都の名門大学の風格を持っている。
    同志社大学は法・経済・商・文・神・社会・政策・スポーツ健康など学部が多いが、英語の問題形式と難易度は、どの学部もほぼ同じである。英語は200点満点で、長文・会話文・英文和訳・英作文というワンパターンな形式が、十数年間変化しない。最新版の赤本でだけではなく、過去のものをブックオフやアマゾンで買うか、高校や塾・予備校の先生にコピーさせてもらえば、大量の過去問が手に入り、過去問演習がしやすい。
    同志社の英語は、関関同立やGMARCHの中でも難しい。なにしろ英文が長い。だが、同じ問題形式の過去問が豊富に手に入るので、過去問の猛ノックをかませば自然にコツがつかめ、問題は難しくとも、対策が立てやすい。

    過去問を手に入れたら、配点を考え、問題を解いてみよう。最初、英語に自信がない人は手も足も出ない。時間が足りないし、屈辱的な点数しか取れない。おまけに同志社は英語で200点中80点未満だと、他教科の点数が良くても不合格になる。
    たとえ最初は80点しか取れなくても開き直ればいい。80点から合格絶対圏内の160点まで「倍返し」を狙えばいい。40点なら「四倍返し」。「底辺から同志社に合格して、本でも書いてやる」と、サクセスストーリーを頭に描けばいい。点数が低ければ低いほど、合格した瞬間のドラマは盛り上がる。
    同志社のように問題形式が一定せず、形式が変わりやすい難関私大の受験生は、センター試験の過去問を使えばいい。センター試験の過去問と、予備校の模試を集めた実戦問題集を買おう。駿台・代ゼミ・河合塾・Z会のものが手に入り、それぞれ7〜8回分の問題が掲載されている。5冊集めれば40回分以上の材料が集まる。

    ここで、絶対に忘れてならないのは、過去問のスコアをExcelに記録することだ。
    点数を折れ線グラフにすれば、点数の伸びが一目瞭然、眺めてうっとりできる。
    勉強とダイエットは似ている。ベストセラーになった、岡田斗司夫『いつまでもデブだと思うなよ』は、岡田氏が1年余りで体重を117kgから67kgへと50kg減量、体脂肪率を42%から17%へと落とした体験を書いた本だ。
    この本には1日に食べたもののカロリーを記録するレコーディング・ダイエットという方法が紹介されていて、記録を続ける事でダイエットへの自覚を促す。過去問の点数をExcelに記録するのも、レコーディング・ダイエットと同じ考え方だ。

    最初は点数が伸びない。現状維持どころか下がることもある。だが解いていくと、階段を2段駆け上がるように、ある時からふっと点数が伸びる。点数はスロープではなく、階段状に伸びるのだ。忘れた頃に成績は上昇気流に乗る。点数が伸びると野心が芽生え、面白いゲームを攻略する時のように、過去問を解く回数が増える。勉強時間があっという間に過ぎる。
    ただ、点数を伸ばすには、過去問をやりっ放しではいけない。見直しを執念深くやらなければ未消化に終わる。部活にたとえれば過去問は「試合」である。試合ばかりでは力がつかない。練習→試合→練習→試合のサイクルを続けることで力がつく。過去問で弱点を見つければ、弱点補強のため直ちに手を打ちたい。単語が弱ければ単語暗記をやり直し、長文のあまりの長さに対応できなかったら「速読英単語」を使うなど、次回過去問を解く時ハイスコアが取れるように、補強を怠ってはならない。

    ところで、「勉強は1日1時間で合格する」という人がいるが、私の経験則からいえば、それは100人に1人のレアケースである。天才の勉強法は真似てはならない。合格する生徒は決まって勉強時間が長く、泥臭く勉強している。10時間勉強しても。まだ勉強が足りないみたいな顔をしている。
    勉強時間が1日1時間では合格は難しい。10時間を1時間に感じる勉強法が大事だ。
    アインシュタインは「熱いストーブに1分間手をのせてみてください。まるで1時間ぐらいに感じられるでしょう。ところが、かわいい女の子といっしょに1時間座っていても、1分間ぐらいにしか感じられません。それが、相対性というものです」と語っている。
    過去問にはまると、勉強は「熱いストーブ」でなくなり、時間が瞬く間に過ぎていく。問題を解き、採点し、見直し、弱点補強する一連の流れで、ゆうに4時間は過ぎる。過去問を解くと、テストを受けている時のように体感時間が速い。集中して勉強できている証拠だ。過去問演習は「相対的に」時間を短く感じさせ、長時間勉強を可能にする。

    肝心なことを言い忘れていた。中経出版の「世界一わかりやすいシリーズ」は絶対に買ってほしい。「同志社の英語」とか「明治の英語」など、難関私立大学はたいてい揃っている。
    早慶の過去問対策本は多いが、関関同立やGMARCHの本は少ない。このシリーズは関関同立やGMARCHの過去問を大学ごとに分析した唯一無二の参考書で、難関私立大学の虎の巻だ。
     

     同志社大学に現役合格した、マサキ君のExcel成績表

     
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